ロシアによる不法侵攻で始まったウクライナ戦争が満1年を迎える。昨年2月24日、ロシアのプーチン大統領は衝撃と恐怖の戦略でウクライナを3日間で電光石火のように占領して降伏を受けようとした。しかしプーチンの初期の戦争目標は失敗に終わった。プーチンはロシア軍の戦闘力を過信し、ウクライナを過小評価する戦略的失敗を犯した。
現在ウクライナ戦争は闘犬場で闘犬2匹が互いに首元に噛みついてはいるが、力が抜けて疲れてきった状態だ。それでもお互い放せない状況だ。休戦協定はすでに水の泡となった。戦線は膠着し、消耗戦が続き、戦争は長期化する兆しが表れている。すでにロシア軍は18万人、ウクライナ軍は10万人の死傷者を出した。
◆20万人の兵力を新しく募集したロシア
こうした中、ロシアとウクライナは力を蓄えながら新たな攻撃の機会を狙っている。いわゆる春季攻勢だ。海外メディアの報道と専門機関の分析を総合すると、ロシアはウクライナの東部戦線と北部戦線で大規模な作戦を準備している。このためロシアは兵力20万人を新たに募集した。
これに対しウクライナはロシアの攻勢を退け、ドンバスはもちろんクリミア半島など奪われた国土を回復する戦略を立てている。米国とNATO(北大西洋条約機構)もウクライナ支援を本格化している。近く欧州では第2次世界大戦以降の最大の戦争を見ることになるという。国際的には1980年に始まったイラン・イラク戦争以降の最大規模になると予想される。
春季攻勢の時期を決める要因は天気だ。3月中旬からはウクライナの気温が上がる。ラスプティチャとは気温の上昇で凍土が解けて野道がぬかるむ現象をいう。戦車と装甲車は道路以外の地域を進めない。ウクライナの最近の昼の気温は1-8度に上がり、地面がぬかるんでいるという。ラスプティチャに入ればロシア軍の戦車と装甲車が道路に移動し、ウクライナのドローンは爆弾とミサイルの標的になりやすい。
◆露、4つの占領地完全統制が最小目標
ラスプティチャ以前に開始する可能性があるロシアの春季攻勢の1次目標はドネツク、ルハンシク(ルガンスク)、ザポロジエ、ヘルソンの4地域に対する完全な占領だ。現在は50%ほど統制している。その次はウクライナ全体を占領するのがロシアの最終希望という。
ロシアはこのために新たに募兵した20万人を含む30万人の兵力を投入する見込みだ。問題はロシアの戦闘力が標準以下という点だ。兵力の半分は訓練が不足し、残りは新兵だ。武器もBMP-1など1960年代に生産された装甲車まで動員している。プーチンの戦略に疑問が提起される理由だ。
ロシアの春季攻勢の「主攻」はドネツク州バフムトの安定的確保を目標にしている。バフムトは7つの道路が交わり鉄道が通過する兵站中心地だ。しかし最近はウクライナ軍の猛攻でバフムトと近隣のソレダルでロシア軍の死傷者が数千人も発生するなどロシアが劣勢になっている。
ロシア軍の「助攻」はベラルーシから発進する機動部隊で、キーウを含むウクライナ北部地域の攻略が目標だ。ロシア機動部隊は現在ベラルーシで訓練している。しかし北部攻略はウクライナの戦力を分散させるための偽装の可能性もあるという。ロシアは昨年の開戦初期にも首都キーウを攻略しようとして失敗した。
◆ウクライナとNATOの戦略
NATOはラスプティチャが終わる5月までロシア軍の春季攻勢から戦略的な危機を緩和するのが1次目標だ。まずロシアの空中空襲を防ぐために対空防御力を集中的に補強している。対空ミサイルの米パトリオット(Pac-3)とノルウェーのNASAM(有効射程距離30キロ)、ドイツの対空砲火ゲパルト(5.5キロ)などがウクライナに提供されている。
これに先立ち今年1月までにNATO加盟国を含む72カ国がウクライナに大量の戦闘装備と各種物資を提供したり、提供中だ。ウィキペディアが集計した主要戦闘装備をみると、戦車600両、装甲車800両、155ミリ曲射砲と弾薬120万発、対戦車ミサイル3800基とロケット砲弾4万9000発、携帯用対空ミサイル2560発などだ。ドローンも空中攻撃用4660機と偵察用340機以上にのぼる。
特に米国が最近提供した武器は注目を引く。HIMARS(高機動ロケット砲システム)30門と最新型155ミリ誘導砲弾エクスカリバー約4000発、81ミリおよび120ミリ迫撃砲、MK-19自動擲弾銃などだ。HIMARSとエクスカリバーは米国とNATOが提供する標的情報を活用してロシア軍に精密打撃を加えることができる。近接戦闘に使用される迫撃砲と自動擲弾銃は激しい接近戦を予告している。新しい様相だ。バイデン米大統領は20日にキーウを訪問し、24日にはポーランドで「ロシアの勝利で終わることはないだろう」と述べた。
<Mr.ミリタリー>ウクライナ戦況分析と韓国の対応(2)
現在ウクライナ戦争は闘犬場で闘犬2匹が互いに首元に噛みついてはいるが、力が抜けて疲れてきった状態だ。それでもお互い放せない状況だ。休戦協定はすでに水の泡となった。戦線は膠着し、消耗戦が続き、戦争は長期化する兆しが表れている。すでにロシア軍は18万人、ウクライナ軍は10万人の死傷者を出した。
◆20万人の兵力を新しく募集したロシア
こうした中、ロシアとウクライナは力を蓄えながら新たな攻撃の機会を狙っている。いわゆる春季攻勢だ。海外メディアの報道と専門機関の分析を総合すると、ロシアはウクライナの東部戦線と北部戦線で大規模な作戦を準備している。このためロシアは兵力20万人を新たに募集した。
これに対しウクライナはロシアの攻勢を退け、ドンバスはもちろんクリミア半島など奪われた国土を回復する戦略を立てている。米国とNATO(北大西洋条約機構)もウクライナ支援を本格化している。近く欧州では第2次世界大戦以降の最大の戦争を見ることになるという。国際的には1980年に始まったイラン・イラク戦争以降の最大規模になると予想される。
春季攻勢の時期を決める要因は天気だ。3月中旬からはウクライナの気温が上がる。ラスプティチャとは気温の上昇で凍土が解けて野道がぬかるむ現象をいう。戦車と装甲車は道路以外の地域を進めない。ウクライナの最近の昼の気温は1-8度に上がり、地面がぬかるんでいるという。ラスプティチャに入ればロシア軍の戦車と装甲車が道路に移動し、ウクライナのドローンは爆弾とミサイルの標的になりやすい。
◆露、4つの占領地完全統制が最小目標
ラスプティチャ以前に開始する可能性があるロシアの春季攻勢の1次目標はドネツク、ルハンシク(ルガンスク)、ザポロジエ、ヘルソンの4地域に対する完全な占領だ。現在は50%ほど統制している。その次はウクライナ全体を占領するのがロシアの最終希望という。
ロシアはこのために新たに募兵した20万人を含む30万人の兵力を投入する見込みだ。問題はロシアの戦闘力が標準以下という点だ。兵力の半分は訓練が不足し、残りは新兵だ。武器もBMP-1など1960年代に生産された装甲車まで動員している。プーチンの戦略に疑問が提起される理由だ。
ロシアの春季攻勢の「主攻」はドネツク州バフムトの安定的確保を目標にしている。バフムトは7つの道路が交わり鉄道が通過する兵站中心地だ。しかし最近はウクライナ軍の猛攻でバフムトと近隣のソレダルでロシア軍の死傷者が数千人も発生するなどロシアが劣勢になっている。
ロシア軍の「助攻」はベラルーシから発進する機動部隊で、キーウを含むウクライナ北部地域の攻略が目標だ。ロシア機動部隊は現在ベラルーシで訓練している。しかし北部攻略はウクライナの戦力を分散させるための偽装の可能性もあるという。ロシアは昨年の開戦初期にも首都キーウを攻略しようとして失敗した。
◆ウクライナとNATOの戦略
NATOはラスプティチャが終わる5月までロシア軍の春季攻勢から戦略的な危機を緩和するのが1次目標だ。まずロシアの空中空襲を防ぐために対空防御力を集中的に補強している。対空ミサイルの米パトリオット(Pac-3)とノルウェーのNASAM(有効射程距離30キロ)、ドイツの対空砲火ゲパルト(5.5キロ)などがウクライナに提供されている。
これに先立ち今年1月までにNATO加盟国を含む72カ国がウクライナに大量の戦闘装備と各種物資を提供したり、提供中だ。ウィキペディアが集計した主要戦闘装備をみると、戦車600両、装甲車800両、155ミリ曲射砲と弾薬120万発、対戦車ミサイル3800基とロケット砲弾4万9000発、携帯用対空ミサイル2560発などだ。ドローンも空中攻撃用4660機と偵察用340機以上にのぼる。
特に米国が最近提供した武器は注目を引く。HIMARS(高機動ロケット砲システム)30門と最新型155ミリ誘導砲弾エクスカリバー約4000発、81ミリおよび120ミリ迫撃砲、MK-19自動擲弾銃などだ。HIMARSとエクスカリバーは米国とNATOが提供する標的情報を活用してロシア軍に精密打撃を加えることができる。近接戦闘に使用される迫撃砲と自動擲弾銃は激しい接近戦を予告している。新しい様相だ。バイデン米大統領は20日にキーウを訪問し、24日にはポーランドで「ロシアの勝利で終わることはないだろう」と述べた。
<Mr.ミリタリー>ウクライナ戦況分析と韓国の対応(2)
この記事を読んで…