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【噴水台】「明白な不法行為」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日帝植民地空間の中の朝鮮人は単に犠牲者なのか。万宝山事件を見れば、そうではない。1931年4月、満州の万宝山付近で荒れ地開墾のための水路工事を巡り、朝鮮農民と中国農民の対立があった。朝鮮農民は日本の武力を背に事件を有利に解決しようとし、実際にそのように解決された。ところが同年7月2日、朝鮮農民が中国人に襲撃されたという虚偽報道がなされた。

朝鮮人と中国人の対立は韓半島(朝鮮半島)に広がった。その後3日から30日までソウル・平壌(ピョンヤン)・開城(ケソン)などで朝鮮人が華僑を虐殺・略奪する事件が起きた。国際連合(UN)の前身である国際連盟の調査によると、同期間、華僑127人が死亡し、393人が負傷した。実際の被害はさらに大きかったという。「植民支配被害者」の朝鮮人1000人余りが「虐殺加害者」として懲役刑と罰金刑を受けた。歴史によっては被害と加害が二分されない。

しかし、犠牲者としての記憶は加害の記憶を圧倒する。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という虚偽報道で在日朝鮮人が虐殺された関東大震災事件は韓国で重大に記述される。しかし、万宝山事件をはじめ、第2次世界大戦の捕虜監視員などとして隣国に苛酷だった朝鮮人に対する記述は歴史書の外に押し出されている。西江(ソガン)大学の林志弦(イム・ジヒョン)教授はこれを「犠牲者意識の民族主義」と呼ぶ。自分の民族の犠牲ばかり絶対化する認識が排他的民族主義を養成し、加害の記憶を薄れさせるということだ。ホロコーストに代表されるイスラエルの犠牲者意識はパレスチナ攻撃の正当性として働き、日本の原子爆弾経験は植民支配時の悪行の記憶を薄める。


韓国は被害者でもあったが、時には加害者でもあった。7日、韓国裁判所はベトナム戦争当時、フォンニィ村で起こった韓国軍の民間人74人虐殺について政府の賠償責任を初めて認めた。裁判所は「明白な不法行為」とした。韓国政府はまだベトナム人犠牲者に公式謝罪をしていない。関連記事には「戦争中に仕方なかったこと」というコメントも見える。韓国が植民支配など色々な犠牲の歴史を体験したが、だからといってすべての事件で「集合的無罪」(collective innocence)が認められるわけではない。「私」の犠牲が「あなた」の犠牲より崇高なわけではない。



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