14~17日にアラブ首長国連邦(UAE)を国賓訪問した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領にUAEは300億ドル規模の投資を約束した。UAEの歴代国家間最大投資規模だ。48件の了解覚書(MOU)も締結した。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長と現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長ら企業関係者100人余りが経済使節団として同行した中で韓国に対する前面的な信頼を送ったのだ。UAE訪問を終え19日にスイスのチューリヒで開かれたダボスフォーラムに参加した尹大統領は、特別演説を通じて「半導体、二次電池、鉄鋼、バイオ分野で世界最高の生産技術と製造能力を持つ世界的供給網の核心パートナーになるだろう」と話しながら 「大韓民国1号営業社員」を自任した。
だが首脳外交だけでこうした成果を説明するのは難しい。大々的な「バイコリア」に出た国はUAEだけでないためだ。昨年ポーランドは韓国からK2戦車とK9自走砲など124億ドル相当の兵器を購入した。過去最大だった韓国の昨年の全防衛産業輸出額170億ドルの73%がポーランドによるものだった。サウジアラビアも韓国にオイルマネーを一気に注いでいる。昨年11月のムハンマド皇太子の訪韓時に両国が締結したMOUは26件で総額290億ドル規模だ。
バイコリアの表向きの背景は豊富な資金だ。昨年の世界的景気低迷の懸念にも中東の産油国はロシアとウクライナの戦争にともなう原油高で儲けた。国際通貨基金(IMF)などによると、サウジの昨年の経済成長率は主要20カ国(G20)のうち1位となる7.6%、UAEは5.4%と推定される。2021年に5.7%成長したポーランドは欧州連合(EU)基金の最高受恵国だ。KOTRAワルシャワ貿易館のユン・ソジュン課長は「ポーランドは2021~27年にEU基金1兆8243億ユーロのうち7.3%である1340億ユーロを割り当てられ、エネルギー、インフラ、環境、国防分野に投資している」と伝えた。
これはサウジの「ネオムシティ」、UAEの「マスダルシティ」など超大型インフラ建設プロジェクトとポーランドの対ロシア戦線強化に直結している。これらの国は中国・日本や他の欧州諸国を差し置いて韓国にだけ分厚くなった財布を開いた。ポーランドはこれまで防衛産業分野のパートナーだったドイツを後にして韓国を選択し、サウジ皇太子は訪韓時に予定していた日本訪問を中止した。韓国に300億ドルの投資を約束したUAEはこれに先立ち中国にはその6分の1の50億ドルだけ投資することにした。
韓国が強みを持つ分野だが、これらの国はなぜバイコリアに熱を上げているのだろうか。複数の取材源の話を総合してみると大きく4つの理由で解説される。まず企業の契約履行に対する信頼だ。15年間サウジとUAEで勤務した韓美グローバルのキム・ジェヒョン理事は「韓国企業は他国の企業と違い約束した納品期限と品質を徹底的に守るという強い信頼を得ている」と話した。キム理事は「例えば建設業では中国や西欧の企業に仕事を任せれば工事が遅れたり法廷争いにつながるケースは珍しくないが、韓国企業はコロナ禍などの問題があって『顧客は王様』としながら契約をしっかり履行した」と説明した。
◇「オマーンやカタールなど他の湾岸諸国も韓国の助け必要」
今回UAEのムハンマド大統領が尹大統領と会って「どんな状況でも約束を守る韓国を信頼している」と言及したのもこうした認識のおかげだ。ポーランドも昨年国防相が「ドイツが約束と違い戦車を20台だけ供給したが修理が必要な状態だった」と明らかにした。長期の軍縮で防衛産業インフラが崩壊したドイツに失望した状態で韓国は昨年12月6日に、契約を締結してから4カ月で最初の引き渡し分となるK2戦車10台とK9自走砲24基を供給した。尚志(サンジ)大学国防安保学部のチェ・ギイル教授は「韓国が価格競争力でドイツを抜いて受注したというのは誤解。K2戦車はドイツのレオパルト戦車と価格が同水準で、納期競争力で優位を占めたのが大きかった」と話す。
【ニュース分析】理由あるバイコリア(2)
だが首脳外交だけでこうした成果を説明するのは難しい。大々的な「バイコリア」に出た国はUAEだけでないためだ。昨年ポーランドは韓国からK2戦車とK9自走砲など124億ドル相当の兵器を購入した。過去最大だった韓国の昨年の全防衛産業輸出額170億ドルの73%がポーランドによるものだった。サウジアラビアも韓国にオイルマネーを一気に注いでいる。昨年11月のムハンマド皇太子の訪韓時に両国が締結したMOUは26件で総額290億ドル規模だ。
バイコリアの表向きの背景は豊富な資金だ。昨年の世界的景気低迷の懸念にも中東の産油国はロシアとウクライナの戦争にともなう原油高で儲けた。国際通貨基金(IMF)などによると、サウジの昨年の経済成長率は主要20カ国(G20)のうち1位となる7.6%、UAEは5.4%と推定される。2021年に5.7%成長したポーランドは欧州連合(EU)基金の最高受恵国だ。KOTRAワルシャワ貿易館のユン・ソジュン課長は「ポーランドは2021~27年にEU基金1兆8243億ユーロのうち7.3%である1340億ユーロを割り当てられ、エネルギー、インフラ、環境、国防分野に投資している」と伝えた。
これはサウジの「ネオムシティ」、UAEの「マスダルシティ」など超大型インフラ建設プロジェクトとポーランドの対ロシア戦線強化に直結している。これらの国は中国・日本や他の欧州諸国を差し置いて韓国にだけ分厚くなった財布を開いた。ポーランドはこれまで防衛産業分野のパートナーだったドイツを後にして韓国を選択し、サウジ皇太子は訪韓時に予定していた日本訪問を中止した。韓国に300億ドルの投資を約束したUAEはこれに先立ち中国にはその6分の1の50億ドルだけ投資することにした。
韓国が強みを持つ分野だが、これらの国はなぜバイコリアに熱を上げているのだろうか。複数の取材源の話を総合してみると大きく4つの理由で解説される。まず企業の契約履行に対する信頼だ。15年間サウジとUAEで勤務した韓美グローバルのキム・ジェヒョン理事は「韓国企業は他国の企業と違い約束した納品期限と品質を徹底的に守るという強い信頼を得ている」と話した。キム理事は「例えば建設業では中国や西欧の企業に仕事を任せれば工事が遅れたり法廷争いにつながるケースは珍しくないが、韓国企業はコロナ禍などの問題があって『顧客は王様』としながら契約をしっかり履行した」と説明した。
◇「オマーンやカタールなど他の湾岸諸国も韓国の助け必要」
今回UAEのムハンマド大統領が尹大統領と会って「どんな状況でも約束を守る韓国を信頼している」と言及したのもこうした認識のおかげだ。ポーランドも昨年国防相が「ドイツが約束と違い戦車を20台だけ供給したが修理が必要な状態だった」と明らかにした。長期の軍縮で防衛産業インフラが崩壊したドイツに失望した状態で韓国は昨年12月6日に、契約を締結してから4カ月で最初の引き渡し分となるK2戦車10台とK9自走砲24基を供給した。尚志(サンジ)大学国防安保学部のチェ・ギイル教授は「韓国が価格競争力でドイツを抜いて受注したというのは誤解。K2戦車はドイツのレオパルト戦車と価格が同水準で、納期競争力で優位を占めたのが大きかった」と話す。
【ニュース分析】理由あるバイコリア(2)
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