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【コラム】韓国型核共有

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の核の脅威は新年も変わることがない。昨年9月の核武力政策の法制化以降、多様な弾道ミサイル発射と無人機浸透など武力示威が続いている。北朝鮮は「2023年度核武力と国防発展の変革的戦略」を発表し、「戦術核を多量生産し、核弾頭保有量を幾何級数的に増やす」と宣言した。もし北朝鮮が7回目の核実験を敢行するならば、韓半島(朝鮮半島)の安保は完全に視界ゼロの状況になるだろう。

北朝鮮はなぜ経済制裁にもかかわらず挑発を強行するのか。北朝鮮の一次目標は対北朝鮮制裁の完全な解除だ。イスラエルやインド、パキスタンのように核拡散防止条約(NPT)体制の外で「事実上の核兵器保有国」と認めさせるということだ。北朝鮮は苛酷な制裁さえ解除されれば体制の安定的維持が可能だとみる。核武装した北朝鮮の最終目標は韓半島の赤化統一だ。韓国は米国の拡大抑止にだけ頼るのではなく、自ら強力な核抑止力を構築しなければならない。在来式戦力の優位も現実的に核武装した北朝鮮には無意味だ。

北朝鮮の核武装は米国が最も反対する核拡散だ。米国はNPT発効直後から5大核強大国ではない国の核開発を強く制裁してきた。米国に敵対的でなかったイスラエル、インド、パキスタンは核武装に成功したが、現在の東アジアの状況は違う。米中対決の深化という構図の下に米国が北朝鮮の核を容認する余地は薄い。米国は対北朝鮮制裁を通じて対中包囲網を固めようとする。クアッドと韓米日共助、規則基盤の国際秩序を強調する米国のインド太平洋戦略はそうした脈絡で見なければならない。


韓国は理論的に独自核武装、戦術核再配備、核共有方式で核抑止力を強化できる。ただ米国が賛成しなければ韓国の核武装は短期間では実現し難い。韓米原子力協定や米国国内法の規制、NPTと国際原子力機関(IAEA)の制約が障害だ。戦術核再配備と核共有も米国が同意してこそ可能だ。韓米両国は昨年末に戦術核再配備の可能性を否定した。それでも核共有は韓国の実情に合わせて適用できるはずだ。両国の核資産運用と情報共有に対する最近の議論を基に、韓国型核共有方式を導入できる。

韓国は韓米同盟を多者間安保体制に拡大し北朝鮮の核危機に対応しなければならない。米国が提供する拡大抑止が北朝鮮の核に対して確実な抑止力を持つことができないならば、米国の拡大抑止を同盟国が分担できるようにしなければならない。安保費用を分担できる韓国と日本は韓米日3カ国共助を強化し、究極的にこれを発展させてオーストラリアを含む核同盟体制が発足できるようにしなければならない。東アジアにも北大西洋条約機構(NATO)の核計画グループ(NPG)のような強力な共同協議体を発足させる必要がある。

過去のNATO式の核共有に対する米ソ両国の対立を勘案し、どのような形であれNPT問題も解決しなければならない。NPTは加盟国に非常事態が発生すれば脱退できると第10条に明示している。韓国は北朝鮮の核の脅威を非常事態と解釈し条約義務の履行が不可能な「事情変更」の原則を援用できるはずだ。国際法上NPT脱退ではなく条約規定の「履行停止」のような解決策もある。いずれにせよNPTの非拡散体制は韓半島で失敗した。いまや緻密な法的論理で特段の対策を講じなければならない時期だ。平和は無料ではない。

イ・チャンウィ/ソウル市立大学教授、国際法協会韓国本部会長

◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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