今年の世界１０大リスクの１位はウクライナ空襲を続けているロシア、２位には昨年３期目に入った習近平体制の中国だった。

国際情勢リスクを分析する米国コンサルティング会社「ユーラシアグループ（Ｅｕｒａｓｉａ　Ｇｒｏｕｐ）」が３日（現地時間）、報告書「２０２３年世界１０大リスク」を出した。

この報告書によると、ロシアは「グローバルプレーヤーで最大のならず者国家に変わり、西側はもちろん全世界の安全保障も深刻に脅かすだろう」とし「世界で最も危険なならず者国家」（Ｒｏｇｕｅ　ｓｔａｔｅ）と指摘した。


昨年３期目に入って中国の権力を独占した習近平国家主席については「権力を極度に集中させて牽制機能が作動せず、大きな失敗をする可能性が高い」という見方を示した。

報告書は、習主席が「ゼロコロナ」政策など誤った判断に固執したため工場閉鎖、大規模デモなどが広がり、グローバルサプライチェーンをマヒさせたとし、今後も習主席の恣意的な政策決定が中国の政策の変動性を高め、世界経済に悪影響を与えるという懸念を表した。

３位は人工知能（ＡＩ）技術の発達による副作用だった。ＡＩによって自動生成される「フェイクニュースと情報が広がり、多くの人々が真偽を判別できず社会が混乱するおそれがある」と、報告書は分析した。また、ＡＩ技術の歪曲が民主主義国家を混乱させる一方、内部的に反体制勢力を抑圧しようとする独裁国家にはプレゼントになり得ると警告した。

このほか▼世界的なインフレ衝撃▼窮地に追い込まれたイラン▼エネルギー危機▼女性の権益伸張の中断▼米国内の政治的分裂▼「Ｔｉｋ　Ｔｏｋ」ブームとＺ世代の影響力増大▼水不足問題ーーを今年の１０大リスクリストに挙げた。