26日、北朝鮮の無人機による領空侵犯に対抗して韓国軍当局が無人偵察機を軍事境界線(MDL)北側まで飛行させたが、これは米国との事前調整の中で進められたことが確認された。北朝鮮の相次ぐ「線を越える挑発」に対応した韓国の「tit for tat(しっぺ返し)」戦略を米国も事実上支持しているという分析が出ている。米国が朝鮮半島状況を安定的に管理することに重点を置いた従来の方針から抜け出そうとする意図があると解釈される。
◆「韓米調整で北側に投入」
軍当局は当時、有人・無人偵察機をMDL近隣の非武装地帯(DMZ)と北側地域に送り、北朝鮮の主要軍事施設を撮影した。軍団級無人偵察機「ソンゴルメ(=ハヤブサ)」2機がMDLを越えて北側5キロ地点まで偵察して帰ってきたほか、有人偵察機「白頭(ペクトゥ)」と「金剛(クムガン)」も9・19軍事合意上の飛行禁止区域を越えてMDL付近まで飛行した。
飛行禁止区域侵犯は2018年9・19南北軍事合意違反であり、さらにMDLを越えたのは1953年停戦協定違反に該当する。北朝鮮がこの日午前、無人機5機を飛ばして首都圏上空を侵犯したことに対し、同じ方式とレベルで応酬したということだ。
政府筋は27日、中央日報に「北の無人機を逃した直後、ソンゴルメ、白頭、金剛を投入して直ちに同じレベルで相応の措置を取ったのは韓米の緊密な協議の結果」とし「米側も韓国の立場を十分に理解するということを伝えた」と話した。停戦協定の当事者である米国との調整の下、南側も協定違反を覚悟した高強度の対北朝鮮対抗作戦をしたという説明だ。
米ホワイトハウスは26日(現地時間)、「今回の侵犯の性格について韓国と緊密に協議している」とし「韓国が自国の領土を保存する必要性をよく認識していて、米国の韓国に対する防衛公約は変わりなく確実だ」と強調した。
◆「目には目を歯には歯を」基調に共感
「目には目を歯には歯を」で応酬する対北朝鮮「tit for tat作戦」を米国が事実上支持する姿については、過去の南北対峙状況で米国が報復性措置に慎重な立場を見せたのと対照的だという分析が出ている。
一例として、李明博(イ・ミョンバク)政権当時の2010年11月、北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件直後に米国は戦争拡大防止に傍点を打った。ロバート・ゲーツ元米国防長官は2014年1月、自身の回顧録で「北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃後、韓国側から軍用機と砲火を動員した強硬対応要求があったが、朝鮮半島の緊張が高まることを憂慮したバラク・オバマ元大統領とヒラリー・クリントン元国務長官らが状況を落ち着かせるよう説得した」と明らかにした。当時、軍は自衛権レベルでK-9自走砲を動員した反撃だけをした。
先月から本格化した「デカルコマニー」式の対北朝鮮正面対抗が注目される理由だ。先月2日、停戦協定締結以降初めて北方限界線(NLL)南側に北朝鮮の短距離弾道ミサイル(SRBM)1発が落ちると、韓国軍はNLL北側に空対地ミサイル3発を撃った。北朝鮮の挑発に「3倍対応原則」で応酬したのだ。続いて今月18日に北朝鮮国家宇宙開発局がソウルと仁川(インチョン)一帯を撮影した低解像度写真を公開すると、4日後の22日に「国土衛星1号」で撮影した北朝鮮平壌(ピョンヤン)金日成(キム・イルソン)広場一帯が入った高画質写真を公開した。
米国側も20日、F-22ステルス機と核搭載が可能なB-52H戦略爆撃機を同時に出すなど従来の拡大抑止手段をより一層強化する姿を見せた。
◆9.19合意の単独遵守はない
南北間の偶発的な衝突を防ぐために用意された2018年9・19南北軍事合意に対しても「韓国単独で遵守することはない」という基調が鮮明になっている。
軍によると、10月から始まった北朝鮮の9・19合意違反事例は26日の無人機領空侵犯まで含めて計15件。このうち韓国も無人機を北側に投入して事実上9・19合意を双方が違反したのは今回が初めてだ。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は候補当時から「北が変わらなければ韓国も9・19軍事合意を守り続けるのは難しい」と明らかにし、大統領室は10月に「9・19合意が維持されるか破棄されるかは北側にかかっている」と公開的に破棄の可能性を示唆した。26日の北朝鮮の無人機挑発を受け、政府・与党では「北が合意を無力化する動きを繰り返す場合、韓国も合意破棄をためらってはいけない」という声が強まっている。
◆「韓米調整で北側に投入」
軍当局は当時、有人・無人偵察機をMDL近隣の非武装地帯(DMZ)と北側地域に送り、北朝鮮の主要軍事施設を撮影した。軍団級無人偵察機「ソンゴルメ(=ハヤブサ)」2機がMDLを越えて北側5キロ地点まで偵察して帰ってきたほか、有人偵察機「白頭(ペクトゥ)」と「金剛(クムガン)」も9・19軍事合意上の飛行禁止区域を越えてMDL付近まで飛行した。
飛行禁止区域侵犯は2018年9・19南北軍事合意違反であり、さらにMDLを越えたのは1953年停戦協定違反に該当する。北朝鮮がこの日午前、無人機5機を飛ばして首都圏上空を侵犯したことに対し、同じ方式とレベルで応酬したということだ。
政府筋は27日、中央日報に「北の無人機を逃した直後、ソンゴルメ、白頭、金剛を投入して直ちに同じレベルで相応の措置を取ったのは韓米の緊密な協議の結果」とし「米側も韓国の立場を十分に理解するということを伝えた」と話した。停戦協定の当事者である米国との調整の下、南側も協定違反を覚悟した高強度の対北朝鮮対抗作戦をしたという説明だ。
米ホワイトハウスは26日(現地時間)、「今回の侵犯の性格について韓国と緊密に協議している」とし「韓国が自国の領土を保存する必要性をよく認識していて、米国の韓国に対する防衛公約は変わりなく確実だ」と強調した。
◆「目には目を歯には歯を」基調に共感
「目には目を歯には歯を」で応酬する対北朝鮮「tit for tat作戦」を米国が事実上支持する姿については、過去の南北対峙状況で米国が報復性措置に慎重な立場を見せたのと対照的だという分析が出ている。
一例として、李明博(イ・ミョンバク)政権当時の2010年11月、北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件直後に米国は戦争拡大防止に傍点を打った。ロバート・ゲーツ元米国防長官は2014年1月、自身の回顧録で「北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃後、韓国側から軍用機と砲火を動員した強硬対応要求があったが、朝鮮半島の緊張が高まることを憂慮したバラク・オバマ元大統領とヒラリー・クリントン元国務長官らが状況を落ち着かせるよう説得した」と明らかにした。当時、軍は自衛権レベルでK-9自走砲を動員した反撃だけをした。
先月から本格化した「デカルコマニー」式の対北朝鮮正面対抗が注目される理由だ。先月2日、停戦協定締結以降初めて北方限界線(NLL)南側に北朝鮮の短距離弾道ミサイル(SRBM)1発が落ちると、韓国軍はNLL北側に空対地ミサイル3発を撃った。北朝鮮の挑発に「3倍対応原則」で応酬したのだ。続いて今月18日に北朝鮮国家宇宙開発局がソウルと仁川(インチョン)一帯を撮影した低解像度写真を公開すると、4日後の22日に「国土衛星1号」で撮影した北朝鮮平壌(ピョンヤン)金日成(キム・イルソン)広場一帯が入った高画質写真を公開した。
米国側も20日、F-22ステルス機と核搭載が可能なB-52H戦略爆撃機を同時に出すなど従来の拡大抑止手段をより一層強化する姿を見せた。
◆9.19合意の単独遵守はない
南北間の偶発的な衝突を防ぐために用意された2018年9・19南北軍事合意に対しても「韓国単独で遵守することはない」という基調が鮮明になっている。
軍によると、10月から始まった北朝鮮の9・19合意違反事例は26日の無人機領空侵犯まで含めて計15件。このうち韓国も無人機を北側に投入して事実上9・19合意を双方が違反したのは今回が初めてだ。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は候補当時から「北が変わらなければ韓国も9・19軍事合意を守り続けるのは難しい」と明らかにし、大統領室は10月に「9・19合意が維持されるか破棄されるかは北側にかかっている」と公開的に破棄の可能性を示唆した。26日の北朝鮮の無人機挑発を受け、政府・与党では「北が合意を無力化する動きを繰り返す場合、韓国も合意破棄をためらってはいけない」という声が強まっている。
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