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【社説】宇宙時代控えた韓国航空宇宙研究院の内紛、政府がリーダーシップ見せなくては

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

純国産技術で設計・製作された韓国型ロケットのヌリ号が6月21日に羅老宇宙センターで打ち上げられた。[中央フォト]

韓国宇宙時代を率いなければならない航空宇宙研究院の内部対立が佳境に入りつつある。韓国の独自技術で成し遂げたヌリ号成功の主役である韓国型ロケット開発事業本部長と補職部長が辞任したのに続き、羅老(ナロ)宇宙センター長まで辞表を出した。航空宇宙研究院院長が最近断行した組織改編と人事に対する反発だった。航空宇宙研究院院長は12日にロケット研究所を新設し、その下に次世代ロケット事業団と韓国型ロケット高度化事業団などを置く組織改編をした。

院長は「多様なロケット研究開発需要を効率的に備えるための改編」と話した。しかし辞任を宣言したロケット本部長と部長は「ロケット開発の特性を理解できない処置」と反論した。ロケット組織をめぐり航空宇宙研究院が混乱に陥り、来年5月に予定された3回目のヌリ号打ち上げと民間企業への技術移転に影響が出ることになった。

航空宇宙研究院の内部対立は事実古くからの問題だった。李明博(イ・ミョンバク)政権時代にナロ号の1回目と2回目の打ち上げが失敗し、当時の教育科学部がロケット開発組織を直接関与したのが始まりだった。ロケット本部を科学技術情報通信部直轄とし人事権などを手にした。航空宇宙研究院中心ではナロ号は成功できないという判断だった。いずれにせよナロ号3回目の打ち上げは成功したが、ロケット本部は院長の管轄から抜け水と油のように変わっていった。ついに会食の席で航空部門出身の元院長がロケット本部の職員を暴行する事件まで起きた。こうした対立の裏には当時ナロ号打ち上げ推進団長だったまた別の元院長の過度な影響力行使が作用しているという話も出ている。


問題はこうした根強い対立と混乱の渦中に政府のリーダーシップが見られないという点だ。長官は「組織改編は意見の差と考える」と他人事のよう話している。大統領室もこれといった関心がないようだ。宇宙探査は単純な技術や産業ではない。政治・外交・安全保障領域まで広がる問題だ。1957年にソ連が人類初の人工衛星スプートニクを打ち上げると米国のケネディ大統領は「10年以内に月に人を送る」としてソ連に踏みにじられた国家的自尊心の回復を宣言した。米航空宇宙局(NASA)が誕生したのもこの時だ。危機から出た国のリーダーシップだった。結局米国は69年に人類で初めて月に宇宙飛行士を送る快挙を成し遂げた。

韓国は70年も過ぎたいまになって宇宙ロケットを打ち上げた。まだ入口なのに、主務組織の指揮体系が混乱していていいのだろうか。ヌリ号3回目の打ち上げなど高度化事業と民間技術移転、次世代ロケット開発の前でこれ以上遅滞と混乱があってはならない。宇宙ロードマップを発表した大統領室と政府が宇宙時代のコントロールタワー問題から悩まなければならない。



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