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【コラム】「R」の嵐が押し寄せる=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

【コラム】「R」の嵐が押し寄せる=韓国

毎年11月11日になると世界最大のオンラインショッピングイベントと呼ばれる中国の光棍節が開かれる。この期間に中国の大型ショッピングモールは秒単位で販売実績を伝える電光掲示板ショーをしたりした。先月12日0時でこの行事は幕を下ろしたが、中国の電子商取引業者はこの14年で初めて販売実績を出せなかった。中国の消費は萎縮している。中国国家統計局は15日、11月の小売り販売が前年同期より5.9%減少したと発表した。上海が全面封鎖された5月にマイナス6.7%を記録し6月からプラスに転じたが、10月のマイナス0.5%に続き再びマイナス成長を記録した。

経済の流れがおかしくなり中国は3年間守ってきた「ゼロコロナ」から防疫を大幅に緩和する「ウィズコロナ」に急いで船首を向けた。だが多くの専門家は今年の経済成長率が目標値の5.5%達成どころか昨年の8.1%の半分にも満たない3%ほどにすぎないだろうと口をそろえる。新型コロナウイルス規制緩和で経済活動は自由になるだろうが感染者が急増して生産と消費が打撃を受ける可能性が大きいためだ。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ総裁は「中国の防疫緩和で感染者が急増しさらに多くの労働者が一時的に働けなくなるだろう」と予想した。その上で中国の今年と来年の経済成長率見通しを引き下げる可能性を示した。IMFは10月に中国の経済成長率を今年は3.2%、来年は4.4%と予想した。


ここに中国経済危機説も再び広がっている。中国の家計資産の70%を占めている不動産市場が1998年以降で最悪の水準に陥っている上に、この影響が金融に移っている。こうした状況で新型コロナウイルス患者まで急増する場合、中国経済は予測できない状況に陥りかねないとの主張も出ている。程度の差はあるが中国経済は単純な風邪程度にとどまらないだろうという見通しが多い。

米国はまたどうなのか。経済が来年上半期に沈滞に入るだろうと専門家は予想する。特に米国経済の3分の2を占める消費が急減した。米国の11月の小売り販売は前月より0.6%減少した。昨年12月の2.0%減以降で最も大きい幅で落ち込み、市場の予想値の0.2~0.3%の下げ幅を大きく上回った。10月に1.3%増加して増加傾向を維持した消費は急速に下落傾向に転じた。11月はブラックフライデーとサイバーマンデーなど大型ショッピングイベントがある月だ。それでも小売りが急減したのはそれだけ消費心理が大きく悪化したという傍証だ。

これまで米国人は政府の財政浮揚などに力づけられ消費を増やしたが、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な通貨緊縮などで財布を閉じている。ウォール・ストリート・ジャーナルが16日に公開した世論調査によると、「来年の米国経済はどうなると考えるか」という質問に52%が「悪くなるだろう」と答えた。「良くなるだろう」という回答は25%、「今年と同水準」という回答は18%だった。

改めて中国と米国経済の話をするのは、これらの国が韓国の1位と2位の貿易相手国であるためだ。この国が経済沈滞に陥るというのは韓国の輸出が直撃弾を受けるという意味だ。韓国経済は薄氷を歩いている。成長動力である輸出が冷えきっている。輸出は10月に前年同期比5.7%減、11月に14.0%減と2カ月連続で減少した。また、今月まで貿易赤字が続けば韓国は9カ月連続の赤字を記録し、今年末までに累積赤字規模が500億ドルを超える見通しだ。これに伴い、外貨準備高は昨年末の4631億ドルから11月には4161億ドルと470億ドル減少した。

来年には世界に「R(リセッション、景気低迷)の恐怖」が押し寄せることから韓国経済にさらに大きな困難がやってくる見通しだ。貿易赤字が拡大し外貨準備高はますます減るだろう。金利引き上げ、物価上昇などの余波で企業の利益もますます縮むだろう。雇用減少も避けられない。「Rの恐怖」が韓国のあごの下まで近づいた。政府であれ企業であれ、最悪の状況に備えなければならない。秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官は「梅雨がくるのに梅雨をこないようにする方法はわれわれの力ではない。弱いところから被害が大きくならないよう国内でできる部分に対応するだろう」と話した。成功した企業は景気低迷期に革新を通じたコスト削減で突破口を用意する。政府にも、企業にも玉石を分ける時期がきた。

キム・チャンギュ/経済エディター



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