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韓国の渓谷殺人2審開始…検察「ガスライティング殺害」vs被告側「救助行為した」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イ・ウンヘ(左)、チョ・ヒョンス(右)

韓国では「渓谷殺人」イ・ウンヘ被告(31)の犯行に対する2審が始まった。検察は1審で認められた間接殺人ではなくガスライティングによる直接殺人としてやり直してほしいと2審裁判所に要請した。イ・ウンヘ被告側は適切な救助行為をしたとして無罪を主張している。

検察は14日、ソウル高裁刑事第6-1部(ウォン・ジョンチャン、チョン・チョンリョン、カン・ギョンピョ部長判事)の審理で開かれた控訴審初公判で「心理支配の有無に関して控訴審で判断を改めて求めたい」と控訴理由を明らかにした。続いて「原審は作為(積極的行為)による殺人容疑を無罪と判断したが、その根拠の一つが被害者がイ・ウンヘに心理支配を受けなかったという点だった」とし「ところが原審で検察が提出した専門家鑑定書によると、被害者は心理支配状態にあったと十分に認められる」と主張した。

検察は裁判所に専門心理委員を選定してほしいと申請した。これに伴い、裁判所は関連専門家の意見書を受けて審理に参考にすることにした。


1審裁判部は死亡したイ・ウンヘ被告の夫ユンさんがイ被告の水中ダイビングの誘いを断るなど自由意志がなかったと見るほどの情況がなく、心理支配を受けた状況ではないと判断した。

イ被告と共犯のチョ・ヒョンス被告(30)の弁護人は「2人は適切な救助行為を行った」として無罪を主張した。

裁判部は来年1月11日を次の公判期日とし、証人尋問計画などを確定することにした。

イ被告とチョ被告は2019年6月30日午後8時24分ごろ、京畿道加平郡(キョンギド・カピョングン)の龍沼(ヨンソ)渓谷でイ被告の夫ユンさん(死亡当時39歳)を殺害した容疑で拘束起訴された。

検察は2人が泳げないユンさんに救助装備をつけずに高さ4メートルの岩から深さ3メートルの渓谷の水中に飛び込ませて死なせたと判断して起訴した。検察はイ被告が被害者の心理を支配して水に飛び込ませたとみて作為による殺人容疑とした。

1審裁判部はしかし、水に落ちた被害者が死亡することを予想してもイ被告らが助けずに死なせたとし間接殺人容疑を認めた。ただし罪質が重いと判断してイ被告に無期懲役、チョ被告に懲役30年をそれぞれ宣告した。また、刑執行が終了すればそれぞれ20年間位置追跡電子装置(電子足輪)を付着するよう命じた。

イ被告とチョ被告は殺人の他にも2019年に2回、ふぐの血を混ぜたものを食べさせたり、釣り堀に落として被害者を殺害しようとしりした容疑(殺人未遂)ももたれている。2人は被害者名義で加入した生命保険金8億ウォンを狙って計画的に犯行したことが調査で分かった。

昨年12月検察の2次調査を控えて潜伏した2人は4月京畿高陽市(コヤンシ)の三松(サムソン)駅近隣のオフィステルで検挙された。



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