10月に米国が中国に対する高性能コンピューティングチップと装備輸出を禁止すると、ニューヨーク・タイムズの著名なコラムニスト、トーマス・フリードマンは両国間で「銃声のない戦争」が始まったと書いた。彼は1999年に出版した『レクサスとオリーブの木』で、冷戦体制に代わる国際システムとして定着した世界化によって世の中から戦争が消えるだろうと予想した。しかし彼の予想と違い世界化は戦争を防げなかった。むしろ世界化で形成された相互依存性が武器として使われる新しい戦争が起きている。
◇2020年のファーウェイ輸出禁止が戦争の序幕
米中間の半導体戦争は2020年5月に米国が中国の通信機器企業ファーウェイに対する半導体輸出を禁止して始まった。しかし今年10月の先端半導体輸出統制は一介の企業ではなく中国全体を狙った措置だ。高性能コンピューティングチップとソフトウエア、生産設備、部品の中国輸出を全面禁止し、米国人が中国で半導体の製造や開発に関与するのも許可を受けさせるようにした。韓国などの外国企業も米国技術を使った先端半導体チップと装備を許可なく中国に輸出できないようにした。
今回の米国の措置は中国との技術覇権競争が中国に対する先端技術封鎖段階に発展していることを意味する。第2次世界大戦後の冷戦時代に東欧諸国に対する先端技術と機械装備輸出を全面禁止したのと似た戦略だ。実際に米国は中国に対する先端半導体輸出規制直後に発表した国家安保戦略(NSS)報告書でもう「ポスト冷戦時代」は終わったと宣言した。中国との戦略的競争で「決定的10年」が始まったといった。
米国の技術封鎖が完ぺきに作動しない可能性はある。中国はすでに人工知能と半導体など先端産業分野で相当な技術水準に到達しており、第三国への迂回などを通じて技術封鎖を避けることもできるためだ。だが米国は先端技術生態系から中国を排除できる首輪を握っている。例えば半導体分野では高性能半導体生産のために必要な電子設計自動化技術(EDA)と一部先端製造装備を米国が掌握している。中国はこうした技術と装備を確保できなければ先端チップを開発し生産するのは困難だ。
◇11月初めに韓米間で輸出統制調整開始
米国が追求するもうひとつの封鎖戦略は友好国との連帯だ。現在先端技術製品開発と製造能力がさまざまな国に分散した状況で米国単独で完ぺきな技術封鎖をするのは事実上不可能だ。半導体の場合だけでも多くの半導体製造は韓国・台湾など東アジアで行われており、製造装備の相当部分も米国以外から供給される。これに対し米国は韓国など友好国に米国が取ったのと類似の輸出統制措置を取るよう要求している。すでに先月9日に韓国と米国の間で輸出統制を調整するための作業班が設置され稼動を始めた。
中国は米国が主導する中国封鎖に向けた国際連帯に韓国がどの水準で参加するのかに神経を尖らせている。中国は2020年に米国の半導体輸出統制に対し、国際貿易の基本原則を無視して市場原則と公正競争を害するものであり、世界のサプライチェーンの安定性に対する重大な脅威だとして強く反発した。韓国が米国の先端技術輸出統制に参加する場合、中国は韓国が米国と中国の間で米国を選択したものと受け止める可能性がある。
こうした状況で韓国は対中先端技術輸出統制に参加すべきか。参加するならばどんな条件と内容で参加するのか。
◇第2次大戦直後のCOCOMが起源
もともと輸出統制は第2次世界大戦後の冷戦体制の中で誕生した制度だ。西側諸国が対共産圏輸出統制委員会(COCOM)を結成し東欧諸国に兵器輸出を禁止したことから始まった。冷戦終了後も民族と宗教対立による内戦とテロが頻繁に発生しワッセナー協約など4大輸出統制体制が結成され、兵器や兵器に使われかねないいわゆる二重用途物資や技術の輸出入を統制してきた。韓国も4大輸出統制体制に加入し戦略物資の輸出入を統制管理している。
【コラム】米中半導体戦争、韓国の安保利益から確保しなくては(2)
◇2020年のファーウェイ輸出禁止が戦争の序幕
米中間の半導体戦争は2020年5月に米国が中国の通信機器企業ファーウェイに対する半導体輸出を禁止して始まった。しかし今年10月の先端半導体輸出統制は一介の企業ではなく中国全体を狙った措置だ。高性能コンピューティングチップとソフトウエア、生産設備、部品の中国輸出を全面禁止し、米国人が中国で半導体の製造や開発に関与するのも許可を受けさせるようにした。韓国などの外国企業も米国技術を使った先端半導体チップと装備を許可なく中国に輸出できないようにした。
今回の米国の措置は中国との技術覇権競争が中国に対する先端技術封鎖段階に発展していることを意味する。第2次世界大戦後の冷戦時代に東欧諸国に対する先端技術と機械装備輸出を全面禁止したのと似た戦略だ。実際に米国は中国に対する先端半導体輸出規制直後に発表した国家安保戦略(NSS)報告書でもう「ポスト冷戦時代」は終わったと宣言した。中国との戦略的競争で「決定的10年」が始まったといった。
米国の技術封鎖が完ぺきに作動しない可能性はある。中国はすでに人工知能と半導体など先端産業分野で相当な技術水準に到達しており、第三国への迂回などを通じて技術封鎖を避けることもできるためだ。だが米国は先端技術生態系から中国を排除できる首輪を握っている。例えば半導体分野では高性能半導体生産のために必要な電子設計自動化技術(EDA)と一部先端製造装備を米国が掌握している。中国はこうした技術と装備を確保できなければ先端チップを開発し生産するのは困難だ。
◇11月初めに韓米間で輸出統制調整開始
米国が追求するもうひとつの封鎖戦略は友好国との連帯だ。現在先端技術製品開発と製造能力がさまざまな国に分散した状況で米国単独で完ぺきな技術封鎖をするのは事実上不可能だ。半導体の場合だけでも多くの半導体製造は韓国・台湾など東アジアで行われており、製造装備の相当部分も米国以外から供給される。これに対し米国は韓国など友好国に米国が取ったのと類似の輸出統制措置を取るよう要求している。すでに先月9日に韓国と米国の間で輸出統制を調整するための作業班が設置され稼動を始めた。
中国は米国が主導する中国封鎖に向けた国際連帯に韓国がどの水準で参加するのかに神経を尖らせている。中国は2020年に米国の半導体輸出統制に対し、国際貿易の基本原則を無視して市場原則と公正競争を害するものであり、世界のサプライチェーンの安定性に対する重大な脅威だとして強く反発した。韓国が米国の先端技術輸出統制に参加する場合、中国は韓国が米国と中国の間で米国を選択したものと受け止める可能性がある。
こうした状況で韓国は対中先端技術輸出統制に参加すべきか。参加するならばどんな条件と内容で参加するのか。
◇第2次大戦直後のCOCOMが起源
もともと輸出統制は第2次世界大戦後の冷戦体制の中で誕生した制度だ。西側諸国が対共産圏輸出統制委員会(COCOM)を結成し東欧諸国に兵器輸出を禁止したことから始まった。冷戦終了後も民族と宗教対立による内戦とテロが頻繁に発生しワッセナー協約など4大輸出統制体制が結成され、兵器や兵器に使われかねないいわゆる二重用途物資や技術の輸出入を統制してきた。韓国も4大輸出統制体制に加入し戦略物資の輸出入を統制管理している。
【コラム】米中半導体戦争、韓国の安保利益から確保しなくては(2)
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