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来年には半導体も資金市場も厳しくなる…韓国経済、高物価・低成長の恐怖拡大

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

釜山南区の神仙台(シンソンデ)埠頭(下)と戡蠻(ガムマン)埠頭 ソン・ボングン記者

韓国経済でスタグフレーション(景気低迷+物価上昇)の恐怖が大きくなっている。韓国銀行は8日、韓国経済では当面5%台の高物価が続き、成長の勢いは今年よりも鈍化するという診断を出した。

韓銀はこの日、国会にこのような内容をまとめた通貨信用政策報告書を提出した。韓銀が報告書を通じて点検した韓国経済状況は厳しいものだった。経済成長に対しては「投資と輸出を中心に成長の勢いが徐々に鈍化している」という診断を出した。反面、物価は5%台の高物価が相当期間続くとしている。物価上昇を反映して賃金や価格などが上昇を続けているところに、グローバルサプライチェーン(供給網)の支障も続いているという理由だ。

問題は成長がさらに鈍化する可能性が高いという点だ。米国など主要国の緊縮余波などで世界景気が後退する展望は大きくなっている。報告書は「国内では昨年下半期からの金利上昇の影響が表面化する中で高い家計負債水準、住宅市場の不振などが景気を押し下げる危険を高める要因として作用する見通し」としながら「今後高い物価騰勢が持続する状況で成長が大きく鈍化する場合、経済主導者の困難が加重される場合もある」と展望した。


韓国経済を牽引(けんいん)していた半導体景気も危険だ。報告書は半導体景気が来年下半期になって回復するとみている。需要減少で増えた半導体在庫は半導体価格を引き下げている。韓銀は半導体価格の下落で半導体の輸出が来年には逆成長するという見通しも出した。今年4-6月期韓国経済は前年比2.9%の成長となったが、この中で半導体製造業の寄与度が1%ポイントだった。半導体景気が後退する場合、韓国経済全般が鈍化するよりほかない。ただし韓銀は半導体の成長寄与度は減るものの、相変らず韓国経済成長にはプラスとして作用するとみている。

企業の資金調達も不安定だ。報告書は会社債と企業手形(CP)など資金市場に対しては「政府と韓銀の市場安定対策発表以降、市場不安がやや落ち着く様相」としながらも「高い信用警戒感が続いて市場機能はまだ正常水準を回復できない状況」と評価した。

韓電債金利が4%台に下がるなど債券市場では温まってきている。ただしCP金利が高止まりするなど不安も相変わらずだ。江原道(カンウォンド)のレゴランド債務不履行のような小さな火種でも金融市場全般に不安が広がりかねない。韓銀が挙げた火種は米連邦準備制度理事会(FRB)の緊縮など国際金融市場の不確実性と不動産プロジェクトファイナンシング(PF)の不健全化、年末資金需給悪化の可能性などだ。

たとえば今年12月中に満期を迎えるCPだけで81兆7000億ウォン(約8兆4700億円)にのぼる。年末は金融機関のブッククロージング(会計帳簿の締め切り)の影響で、資金需給の不確実性が高い時期だ。CP償還に支障がでる場合もある。韓銀は「一部部門の不安がその他部門に急速に波及する場合もあるだけに、市場状況を綿密にモニタリングしなければならない」と明らかにした。

このような理由で韓銀は年末を越えるための追加対策を出した。韓銀のイ・サンヒョン副総裁補は報告書発表後の懇談会で「短期金融市場安定のためのレポ取引の買い戻しを年末まで一時的に拡大する計画」と明らかにした。韓銀は買い戻し規模を当初計画していた6兆ウォンよりも拡大し、満期も年末を持ち越せるように14日物ではない1カ月物に変更する予定だ。

韓銀の通貨政策方程式は複雑になった。韓銀はさしあたり景気萎縮よりは物価安定が優先という立場だ。物価に重点を置いて通貨政策を運用することが中長期的に物価と成長が正常な水準で早期回復するという理由からだ。イ副総裁補は「依然と物価が高い水準を持続していて当面利上げ基調を継続することが必要」という立場を出した。ただし、不動産景気の後退など景気低迷が本格化する場合、韓銀が来年中に金利を追加で引き上げるのは難しい場合もあるという分析も市場には出ている。



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