空軍F35A戦闘機が18日に北朝鮮のICBM挑発に対応し江原道の射撃場で、GBU12精密誘導爆弾でミサイル移動式発射台打撃訓練を実施している。[写真 合同参謀本部]
実際にこの日北朝鮮が発射したICBMの軌跡は3日に発射されたICBMとは異なる。当時ミサイルの最高高度は1920キロメートル、飛行距離は760キロメートル、速度はマッハ15だった。軍当局はこれを根拠に北朝鮮が1段と2段推進体分離までは成功したがその後宇宙に出て行き、大気圏に再突入するICBMの正常飛行には失敗したと分析した。最高高度6100キロメートル、飛行距離1000キロメートルと分析されたこの日のICBMの軌跡も2017年11月に北朝鮮が発射した火星15型(最高高度4475キロメートル、飛行距離950キロメートル)より一歩進んだ姿を見せた。北朝鮮が新型ICBMである火星17型の実験に成功した可能性があるという意味だ。
2020年10月10日の朝鮮労働党創建75周年軍事パレードで初公開した火星17型は長さ22~24メートルで世界で最も長いミサイルに選ばれる。このため国際社会では「怪物ICBM」と呼ばれるようになる。最大射程距離も火星15型は1万3000キロメートルなのに対し火星17型は1万5000キロメートルに達する。2000キロメートル伸びれば米本土全域を打撃できることになる。
クォン・ヨンス元国防大学教授はこの日、ICBMについて「正常角度である30~45度で撃てば最大1万5000キロメートル飛行できる。この程度の距離ならば北朝鮮のどこから発射しても米国本土全域を打撃できる」と話した。日本の浜田靖一防衛相もこの日「軌道に基づいて計算すると、弾頭重量などによっては射程が1万5000キロメートルを超え米全土が射程に含まれることになる」と説明した。
こうした戦略的重要性を考慮し北朝鮮も射程1万5000キロメートル級ミサイル開発に総力を挙げてきた。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長も昨年1月5~7日に開かれた朝鮮労働党第8回大会で「1万5000キロメートルの射程圏内にある任意の戦略的対象を正確に打撃消滅できる命中率をさらに向上し核先制・報復打撃能力を高度化する」と明らかにした。
これに加え専門家らは北朝鮮が火星17型の開発に全力を挙げるのにはまた別の戦略的判断が作用しているとみている。米国のミサイル防衛(MD)体制がそれだ。アジア大陸から北米大陸にミサイルを発射する時は北極を通るのが近道だ。そこで米国は冷戦時代から北極と近いアラスカ州で長距離探知レーダーシステムを運用してきた。昨年には弾道ミサイル防衛用である最新型長距離識別レーダー(LRDR)をアラスカ州に配備している。敵国のICBMを破壊できる地上基盤迎撃ミサイル(GBI)もアラスカを根拠地としている。
<北朝鮮ICBM発射の波紋>米MD網の迂回打撃可能になる(2)
この記事を読んで…