セウォル号調査は9回・572億ウォンを投じても何も明らかにできなかった。科学の領域であるべき沈没の原因にも意見が一致せず「内因説」と「外圧説」の2つの報告書で終えた。調査委調査官として参加したパク・サンウン氏は『セウォル号、我々が問えないこと』で「責任者処罰に執着せず、社会構造的な原因究明を任務と考えていれば結果は変わっていたはず」とし「誰の問題かではなく、なぜこのようなことが起きたのかを質問するべきだった」と指摘した。セウォル号特調委と査察委で活動したキム・ミンフ弁護士も「特定人と特定勢力をターゲットにして疑惑を拡大再生産しながら政治的利益を満たそうとする目的があったようだ」とし「『朴槿恵(パク・クネ)7時間』をめぐって争ったことで政争に陥った」と批判した。
梨泰院惨事が「第2のセウォル号」になっていくのには政府・与党の無能と責任が大きい。彼らの主張のように「予期できない事故」だったとしても、事故発生から3週間が経過しても彼らが見せた姿は怒りを触発する。政府のコントロールタワーと危機対応マニュアルの不在、警察指揮部の怠慢と実務者への責任転嫁、地位を維持しようとする長官…。私の目には、責任論の火消しに汲々とする姿がむしろ執権勢力が自らを「朴槿恵7時間」のフレームに入り込む失敗にしか映らない。このようにまた犠牲が浪費されれば「安全な社会」は来ないだろう。本当に安全な社会を築こうとするのなら何が問題かという真相究明と責任者の処罰から問いただす必要がある。カントの比喩を借りるなら、真相究明-責任者処罰のない再発防止は無意味で、再発防止を牽引できない真相究明-責任者処罰は盲目的なものだ。
惨事から教訓を得て安全な社会を築いた先進事例がいくつか報道された。米シカゴの小学校(our lady of the angels)火災事件、兵庫県明石花火大会歩道橋事故の後、それぞれ火災避難訓練、雑踏警備マニュアルが定着した。完全ではないが「より安全な社会」になったのは間違いない。文明国家はこのように犠牲を浪費しない。
イ・ジョンミン/中央日報コラムニスト
【中央時評】セウォル号続く梨泰院、また犠牲を浪費するのか(1)
梨泰院惨事が「第2のセウォル号」になっていくのには政府・与党の無能と責任が大きい。彼らの主張のように「予期できない事故」だったとしても、事故発生から3週間が経過しても彼らが見せた姿は怒りを触発する。政府のコントロールタワーと危機対応マニュアルの不在、警察指揮部の怠慢と実務者への責任転嫁、地位を維持しようとする長官…。私の目には、責任論の火消しに汲々とする姿がむしろ執権勢力が自らを「朴槿恵7時間」のフレームに入り込む失敗にしか映らない。このようにまた犠牲が浪費されれば「安全な社会」は来ないだろう。本当に安全な社会を築こうとするのなら何が問題かという真相究明と責任者の処罰から問いただす必要がある。カントの比喩を借りるなら、真相究明-責任者処罰のない再発防止は無意味で、再発防止を牽引できない真相究明-責任者処罰は盲目的なものだ。
惨事から教訓を得て安全な社会を築いた先進事例がいくつか報道された。米シカゴの小学校(our lady of the angels)火災事件、兵庫県明石花火大会歩道橋事故の後、それぞれ火災避難訓練、雑踏警備マニュアルが定着した。完全ではないが「より安全な社会」になったのは間違いない。文明国家はこのように犠牲を浪費しない。
イ・ジョンミン/中央日報コラムニスト
【中央時評】セウォル号続く梨泰院、また犠牲を浪費するのか(1)
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