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【コラム】相次ぐ超大型スキャンダル…暗号資産の冬が始まった(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
バンクマンフリード氏は暗号資産界のジョン・ピアポント・モルガン(1837~1913年)と呼ばれた。モルガンは金融グループJPモルガンの創業者だ。ウォール街が世界の金融市場の中心に浮上した時期である1870~1913年に米国の金脈を思うがままにした。バンクマンフリード氏をモーガンに例えた裏には暗号資産界の希望がとぐろを巻いている。モルガンが19世紀末に世界金融の中心に浮上するウォール街の信頼性を高めたように、バンクマンフリード氏が新種資産である暗号資産の信頼を高めるアイコンとしての役割をすることをブロックチェーン界の人々が望んだという話だ。

金融の歴史を見れば英雄の没落は「幻滅の瞬間」の始まりだったりした。新しい種類の資産または技術、パラダイムを象徴した人物が没落すれば投資沈滞につながった。いわゆる「○○の冬」と呼ばれる時期だ。すでに米国では兆しが現れている。期待と信頼であふれていたブロックチェーン界は波紋の雰囲気でいっぱいだ。そのため「暗号資産の冬」が近い将来現実になる見通しだ。

◇ビットコイン急落が没落の序幕


事実暗号資産の冬が来るという予測は今年初めから提起されていた。代表的な暗号資産であるビットコイン価格が急落したからだ。だがこれは価格だけを変数で見る単純なシナリオだった。金融の歴史を見れば幻滅の瞬間は価格下落だけでは訪れなかった。1820年代の英国の株式会社設立ブーム、1840年代の鉄道ブーム、1870年代の南米ブーム…。2000年代のドットコムバブルなどには「英雄の没落」がもれなくあった。英雄は大衆の前ではいつも「信頼」「新しい世の中」など声を張り上げて叫んだ。これに対し裏では相場操縦など望ましくない作業をし、運命的な瞬間に露呈した。

今回のFTX没落にも同じパターンが見られる。バンクマンフリード氏はFTXの独自暗号資産であるFTTを発行して売った。FTT価格が高いほどFTXが利益を出す構造だ。相場操縦が発生するのにちょうど良い条件だ。なにをかいわんや。バンクマンフリード氏がトレーダー時代に設立したファンドがFTTを大挙買い入れた事実が明らかになった。1960年代に韓国証券取引所が自社株式を相場操縦した事件が2022年に暗号資産界で繰り返された感じだ。

本当に逆説的だ。ブロックチェーンはすべての取引内容をネットワーク参加者が共有したり閲覧できる技術だ。人類が商取引を始めてから苦しめられている「相手が約束を守るだろうか?」という不安感を解決できる画期的な技術と賞賛された。擁護者は「透明性」「信頼」「開かれた空間」などという言葉を口癖のように話し、既存の金融システムを「不透明」「不信」「閉じられた世界」などのレッテルを付けたりした。こうしたブロックチェーン界で今年に入るだけで大型スキャンダルが2度起きている。暗号資産界に冬が近づく条件がすべてそろっている。


【コラム】相次ぐ超大型スキャンダル…暗号資産の冬が始まった(1)

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