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【コラム】相次ぐ超大型スキャンダル…暗号資産の冬が始まった(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

FTX創業者のサム・バンクマンフリード氏

暗号資産取引所のFTXは「暗号資産界のロールスロイス」と呼ばれた。ソフトバンクの孫正義会長、アメリカンフットボールの元トップスターであるトム・ブレイディ、NBAのスーパースターのステファン・カリーなど有名人が投資したからだ。ニックネームが同じだからか、FTX問題が発生すると1997年に起きた米ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネジメントの破綻が蒸し返された。破綻直前のロングターム・キャピタルも「ヘッジファンド界のロールスロイス」と呼ばれた。米財界の有名人がロングタームに巨額を預けたからだ。

FTXが先週米国の裁判所に破産保護を申し立てた。今年に入り2番目のブロックチェーン界のスキャンダルだ。最初は今年春に発生したルナとテラの破綻だ。

米ブロックチェーンコンサルティング会社De-fiカストディのアナリスト、キム・ヘリン氏は13日に記者との通話で「FTX創業者は暗号資産世界のアイコンだった」と話した。そういわれるだけのことはあった。FTXはソフトバンク、セコイアキャピタル、ブラックロックなど有名投資会社と資産運用会社から投資を呼び込むのに成功した。暗号資産界で大手ファンドの投資を受けたという事実はとても重要な兆候だ。FTXの価値は一時320億ドルに達するほどだった。ヒョンデ(現代自動車)の時価総額より5兆ウォンほど大きかった。


◇FTX好調時は価値320億ドル

そんなFTXの金庫に残っている流動性資産は9億ドルだ。これに対し返さなければならない金額は90億ドルほどだ。負債を返済したら株主の取り分はない。そのため孫正義氏が投資した1億ドルが虚空に消えたなど富豪らのエピソードが時々刻々と伝えられる。ところでFTX投資家リストにロールスロイスとは距離が遠そうな米オンタリオ州公務員年金基金が入っている。金融スキャンダルが発生するといつも出てくる残念なエピソードだ。FTX沈没はルナとテラの暴落と並ぶワンツーパンチだ。

ブロックチェーン生態系が揺れている。キム・ヘリン氏は「暗号資産のアイコンが墜落しブロックチェーン界が衝撃に苦しめられている」という言葉で米国の雰囲気を伝えた。

実際にFTX創業者のサム・バンクマンフリード氏は暗号資産界の信頼を代表した。普段から彼は「ブロックチェーンは独占や中央集権でなく信頼を基盤にした開かれたネットワーク」という言葉を頻繁に使っていた。慈善財団を設立して暗号資産により不平等を解決できることを見せようとしたりもした。政治的にはバイデン米大統領の支持者でもある。米市民団体の責任政治センターによると、2020年の大統領選挙時に500万ドル以上をバイデン陣営に寄付した。個人寄付者の中で2番目に多い金額だった。


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