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【コラム】政府のせい、被害者のせい、でなければハロウィンのせい?=韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「なぜ国籍不明のおばけの名節を過ごしてこのようなことになったのか」とハロウィンを原因とする意見もある。厳密に言うとハロウィンは「国籍不明」ではなく、国籍が米国の名節、正確にはアイルランド系移民者が米国で発達させた名節だ。そのようなハロウィンを最も積極的に輸入した国の一つが韓国ではないか。ところがそれが悪いのか。扮装をしてクラブに行くことが果たして私たちの伝統と何の接点もないのか。はるか昔、私たちの先祖も天に祈った後に仮面をかぶって飲酒歌舞をたのしみ、高麗時代にはそのような行事が華やかなパフォーマンスとして発展した八関会(パルグヮンヘ、収穫を祝う祭礼)と儺礼(ナレ、邪気払いの儀式)があった。怪力乱神を嫌悪した朝鮮の儒教文化とその後の近代化過程から消えたにすぎない。祭りを楽しむ興は潜在しているが、楽しむ祭りがすべてなくなったので外国の祭りでも輸入して楽しんでいるのだ。

そのうえ韓国の現代文化は混成性(hybridity)が特徴だ。今世界をさらっているK-POPと韓国ドラマは米国の大衆音楽とハリウッドの影響がなければなかった。今回梨泰院惨事の犠牲者156人という悲劇的な数字の中に外国人が14カ国26人に達するのは、梨泰院自体が伝統的な多文化通りでもあるが、韓国化された梨泰院ハロウィン祭りが国際的な文化に浮上した事実を暗示する。ユーチューバーが事故直前に撮影した映像を見ると、非常に精巧で創意的な扮装をした人々も目につく。誰がそのような祭りが災難と悲劇になると思ってそこに行っただろうか。

◆「災難は人間性に対する脅威」


再び地震専門家ジョーンズ氏の『The Big Ones』のカトリーナ惨事に戻ってみよう。犠牲者のせいにすることとは違い、政府のせいにするのは根拠が多いとジョーンズ氏は述べる。当時、市政府・州政府・連邦政府の間の緊急協力体系はめちゃくちゃで、何年にもわたるハリケーン経験と専門家たちの優れた予測シナリオがあったにもかかわらず被害者を救う人材と物資が十分に用意されなかった。「官僚が最悪のシナリオを考えながらも最上のシナリオに該当する資源だけが提供された古典的な事例」だった。そのうえ政府は「ハリケーン前、途中、後にも国民を助けるのに失敗した」とジョーンズ氏は厳しく叱責する。

だが、同時にジョーンズは述べる。「どうしたら違った対応ができていたか述べるのは容易ではない。それほど大きな失敗が起きるためにはさまざまな主導者の数多くの小さな失敗がなければならない。(中略)カトリーナの場合、政府が住民を失望させたのは事実だが、その失敗ははるか以前に蔓延していた問題から始まった」。すなわち政府機関と官僚の中で特定の主体、特定の個人を選び出してすべての罪をかぶせてさらし者にすることは非常に容易だが、むしろ災難の根本的な解決策を立てるときに邪魔になるということだ。

今の私たちはどうだろうか。梨泰院惨事の場合、主催者のいない群衆集まりをどのように制御して圧死事故を防止するのかに対するマニュアル自体がその間なかった。またキム・ウンミ教授が推薦したLAタイムズの記事のように、ハロウィンに対する関心の世代的格差のせいで、政府当局やメディアなど既成世代の誰もこのような事態が起きるとは予測できなかった。もちろんだからといってこれが政府の免罪符にはなりえない。当日、圧死の可能性の通報が数回入ってきたのに警察がきちんと対応できなかったなどさまざまな問題を振り返ってみなければならないだろう。しかし重要なのは誰を非難してさらし者にするのではなくきちんと収拾してマニュアルとシステムを構築することだ。

このような渦中にひたすら自分や自分の陳永の政治権力に対する欲でフェイクニュースをまき散らして扇動をする人々は、犠牲者に悪質コメントを書き込む人々と違うところがないようにみえる。彼らに聞かせたいジョーンズ氏の言が葉ある。

「災難の最も恐ろしい脅威は私たちの人間性に対する脅威である事実を私たちは肝に銘じなければならない」

ムン・ソヨン/コリア中央デイリー文化部長


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