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【時論】韓国西南海域を頻繁に出入りする中国艦艇

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イラスト=キム・ジユン記者

1996年当時、金泳三(キム・ヨンサム)大統領は日本が独島(ドクト、日本名・竹島)領有権を主張すると、「日本の腐った根性を叩き直す」として軽空母建造計画を推進した。しかし1年後、軍首脳部は「北の脅威への対応が先」という論理で軽空母建造計画にブレーキをかけた。25年ぶりに文在寅(ムン・ジェイン)政権で軽空母を再推進することにして予算まで反映したが、政権が交代して見直されている。

文政権の論理は北朝鮮の脅威はもちろん中国と日本の脅威への対応レベルだったが、筆者は軽空母の必要性に関する論理不足のために見直し状況に直面したと考える。このため軽空母の役割についてさらに明確に説明しなければならず、このために海軍は海で発生するあらゆる状況を国民に詳細に知らせる必要がある。

我々は2006年に日本が巡視船を動員して韓国領土の独島領海を侵犯しながら一触即発の状況になった事実を鮮明に記憶している。当時韓国は軍艦を動員して退ける作戦を準備したが、軍艦の数と規模(排水量)など海軍の戦力が日本に比べてはるかに劣勢であるため、警告射撃など積極的な対応ができなかった。韓国海軍は精神力と戦闘技量で克服するしかない状況だった。


両国の艦艇の間でこうした状況を迎えると、米国の緊急仲裁で危機はかろうじて終了した。米国の仲裁がなければどうなっていたか分からない。当時の事態を予想したかのように、それより10年前に軽空母の確保を指示した金泳三大統領の決断が懐かしく感じた瞬間だった。その後、韓国管轄海域で直接的な脅威を与えた事例はないが、日本は今でも空母など海軍力を増強して独島領有権を主張している。

さらに大きな問題は中国だ。中国は最近、韓国の西南海域で直接、間接的に脅威を与えている。国防情報本部が国会に提出した資料によると、昨年、韓国管轄海域に入ってきた中国軍艦は260隻であり、韓国防空識別圏(KADIZ)侵犯回数も毎年急増している。

南シナ海を内海にする中国が似た活動をいま韓国西南海域で進めている。中国は南シナ海の内海化のために南沙諸島の7つの暗礁に人工島を建設中だ。3月には人工島3島にミサイルと戦闘機を配備し、軍事基地化した。ASEAN(東南アジア諸国連合)国家との合意を無視した中国は力で南シナ海を内海にした後、中国領海および防空識別圏を宣言するという。

南シナ海の内海化が完成すれば、中国は韓国の西海(ソヘ、黄海)と離於島(イオド)がある東シナ海の内海化に拍車を加えることが懸念される。すでに一部の動きが進行している。韓国西海の中間水域に中国は固定浮標9つを設置し、空母艦隊を動員して東経124度近海で示威機動をした。頻繁にKADIZを侵犯し、離於島を探査して中国地図に表記し、離於島海上・航空巡回査察を拡大している。

韓国海軍はこうした状況をありのままに国民に詳細に知らせ、これを防ぐ武器を備える必要がある。韓国海軍は第2、第3艦隊が西南海域を守っているが、精鋭化された2万人の兵力に対して運用艦艇の規模は中国に比べてきわめて少ない。中国は西海で6万-7万トンの空母戦団で韓国管轄海域を掌握しようとするが、韓国は3000-7000トンの駆逐艦で対応している。

経済力世界2位の中国と同じ規模の海軍力を保有するのは現実的に難しい。しかし西海で中国空母がむやみに行き来できないよう軽空母1隻でもなければいけない。一部の人は中国空母に対応するには軽空母より価格性能比が良いミサイル戦力で武装すればよいと主張する。その人たちに問いたい。韓国領海を無断侵犯した中国艦艇に向かってミサイルで先制攻撃ができるのか。それともフィリピンのように中国に暗礁を奪われて国際常設仲裁裁判所(PCA)に仲裁申請でもするのか。

米国がいなければ何もできずにやられるところだった2006年の日本の独島領海侵犯事態を海軍は忘れてはいけない。韓国の西南海を内海にしようとする中国の動きは「第2の独島事態」となる可能性があり、海軍の首脳部は警戒を緩めてはいけない。最適な対応戦略であり戦力となる軽空母建造計画を推進することが求められる。

ムン・クンシク/予備役海軍大佐/京畿大政治専門大学院教授

◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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