韓国が11日、国連人権理事会理事国選挙で最初に落選した。国際機関の選挙で十分な票を確保するための戦略と外交力が足りなかったという自省とともに、過去の政権で人権外交に消極的だった点などが総体的に作用したという指摘が出ている。
◇4位にも入れずに落選
ニューヨークの国連本部で行われた国連人権理事会理事国選挙の結果、韓国はアジアに割り当てられた理事国4席をめぐり出馬した8カ国のうち、バングラデシュ、モルディブ、ベトナム、キルギスタンに次ぐ5位にとどまった。韓国とともに4位以内に入れず落選したのははアフガニスタンとモンゴルだ。
韓国は2020年から今年まで3年にわたり国連人権理事会理事国を務めていたが、再任に失敗し来年からは理事国の座を明け渡すことになった。選挙に出馬して再任に失敗した国は韓国とベネズエラだけだ。韓国はこれまで2006~2008年、2008~2011年、2013~2015年、2016~2018年、2020~2022年の5回にわたり理事国を務めたが落選したのは初めてだ。
人権理事会は国連の人権関連最高議決機関で、世界の人権侵害状況に対応する。国連安全保障理事会、経済社会理事会とともに国連の3大核心理事会に選ばれる。経済社会理事会は韓国が6月に理事国6期目に成功し、安保理の場合、2024~2025年の非常任理事国進出を狙っている。3つの主要理事会すべてで理事国の地位を得ようしていた韓国政府の構想に支障が生じた格好だ。
◇「とても多く出馬したせいで…」
外交部は「韓国が今年国際機関の選挙に多く出馬したため得票力を使い果たした」と釈明した。国連理事会理事国進出に向けては出馬国が該当理事会の性格にどれだけ合致するかよりも各国が事前に互いに賛成票を投じるよう根回しをするのが奏功したが、今回はこの作業がうまく進められなかったという趣旨だ。
外交部当局者はこの日記者らと会い、「今年韓国が合計14の国際機関選挙に過多立候補しており選択と集中ができなかった点が最も大きく作用した。国際機関選挙では国同士でそれぞれが立候補した選挙に票を入れるよう約束する『交換支持』『相互支持』をするが、今回は韓国がとても多く立候補したため使える票を早期に使い果たした」と話した。また「韓国が主要機関に理事国としてあまりに多く進出するのではないかという一部の国の牽制心理も作用した」ともした。
呉俊(オ・ジュン)元国連大使はこの日中央日報との通話で「一般的に国際機関選挙には候補国が資格を備えているか、慣行的に各国が順番に務めるローテーションの原則に合致するかなどが重要だ。今回の落選の原因は韓国が人権的側面で非適格だったというよりは韓国はすでに何回も理事国を務めたという認識のため十分に得票できなかったとみられる」と話した。
その上で、「無条件で再任を推進する代わりに事前に他の国の立場をしっかり把握して必要ならば1回ぐらい休んでいく知恵があったらというのが残念なところだ」と話した。
◇「消極的人権政策」指摘も
一部では文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の消極的な人権政策を振り返ってみるべきという指摘も提起される。文在寅政権は2019年から今年4月まで4年連続で国連の北朝鮮人権決議案共同提案国に参加しなかった。「南北関係の特殊な状況を考慮しなければならない」という理由だった。
また、当時韓国政府は2019年の脱北漁民強制送還事件、2020年の海洋水産部公務員殺害関連越北判断などに対し人権侵害の可能性を指摘する国連人権特別報告官の書簡を受け取った。2020年12月に通過した対北朝鮮ビラ禁止法と昨年推進した言論仲裁法に対しても国連は表現の自由を侵害しかねないと指摘した。
このほかにも韓中関係を考慮して香港デモ強硬鎮圧と新疆ウイグル問題などに対し特別な立場を出さず、ロシアのウクライナでの民間人虐殺に対してもロシアに対する直接糾弾を自制した。
こうした基調は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権になって変わっていると評価される。7月には5年間空白だった北朝鮮人権国際協力大使に高麗(コリョ)大学の李信和(イ・シンファ)教授が任命され、6日に行われた国連人権理事会の中国新疆ウイグル人権状況関連採決に韓国は賛成票を投じた。
統一研究院のキム・スアム選任研究委員は「国際機関選挙は加盟国間の政治的な論理で決定されるケースが多いが、尹錫悦政権が価値外交を前面に掲げているだけに今回の人権理事会理事国落選を契機にこれまで国際社会で韓国の人権外交の実態を振り返り、グローバル中枢国として一貫した人権外交原則を立てる機会にしなければならない」と話した。
◇4位にも入れずに落選
ニューヨークの国連本部で行われた国連人権理事会理事国選挙の結果、韓国はアジアに割り当てられた理事国4席をめぐり出馬した8カ国のうち、バングラデシュ、モルディブ、ベトナム、キルギスタンに次ぐ5位にとどまった。韓国とともに4位以内に入れず落選したのははアフガニスタンとモンゴルだ。
韓国は2020年から今年まで3年にわたり国連人権理事会理事国を務めていたが、再任に失敗し来年からは理事国の座を明け渡すことになった。選挙に出馬して再任に失敗した国は韓国とベネズエラだけだ。韓国はこれまで2006~2008年、2008~2011年、2013~2015年、2016~2018年、2020~2022年の5回にわたり理事国を務めたが落選したのは初めてだ。
人権理事会は国連の人権関連最高議決機関で、世界の人権侵害状況に対応する。国連安全保障理事会、経済社会理事会とともに国連の3大核心理事会に選ばれる。経済社会理事会は韓国が6月に理事国6期目に成功し、安保理の場合、2024~2025年の非常任理事国進出を狙っている。3つの主要理事会すべてで理事国の地位を得ようしていた韓国政府の構想に支障が生じた格好だ。
◇「とても多く出馬したせいで…」
外交部は「韓国が今年国際機関の選挙に多く出馬したため得票力を使い果たした」と釈明した。国連理事会理事国進出に向けては出馬国が該当理事会の性格にどれだけ合致するかよりも各国が事前に互いに賛成票を投じるよう根回しをするのが奏功したが、今回はこの作業がうまく進められなかったという趣旨だ。
外交部当局者はこの日記者らと会い、「今年韓国が合計14の国際機関選挙に過多立候補しており選択と集中ができなかった点が最も大きく作用した。国際機関選挙では国同士でそれぞれが立候補した選挙に票を入れるよう約束する『交換支持』『相互支持』をするが、今回は韓国がとても多く立候補したため使える票を早期に使い果たした」と話した。また「韓国が主要機関に理事国としてあまりに多く進出するのではないかという一部の国の牽制心理も作用した」ともした。
呉俊(オ・ジュン)元国連大使はこの日中央日報との通話で「一般的に国際機関選挙には候補国が資格を備えているか、慣行的に各国が順番に務めるローテーションの原則に合致するかなどが重要だ。今回の落選の原因は韓国が人権的側面で非適格だったというよりは韓国はすでに何回も理事国を務めたという認識のため十分に得票できなかったとみられる」と話した。
その上で、「無条件で再任を推進する代わりに事前に他の国の立場をしっかり把握して必要ならば1回ぐらい休んでいく知恵があったらというのが残念なところだ」と話した。
◇「消極的人権政策」指摘も
一部では文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の消極的な人権政策を振り返ってみるべきという指摘も提起される。文在寅政権は2019年から今年4月まで4年連続で国連の北朝鮮人権決議案共同提案国に参加しなかった。「南北関係の特殊な状況を考慮しなければならない」という理由だった。
また、当時韓国政府は2019年の脱北漁民強制送還事件、2020年の海洋水産部公務員殺害関連越北判断などに対し人権侵害の可能性を指摘する国連人権特別報告官の書簡を受け取った。2020年12月に通過した対北朝鮮ビラ禁止法と昨年推進した言論仲裁法に対しても国連は表現の自由を侵害しかねないと指摘した。
このほかにも韓中関係を考慮して香港デモ強硬鎮圧と新疆ウイグル問題などに対し特別な立場を出さず、ロシアのウクライナでの民間人虐殺に対してもロシアに対する直接糾弾を自制した。
こうした基調は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権になって変わっていると評価される。7月には5年間空白だった北朝鮮人権国際協力大使に高麗(コリョ)大学の李信和(イ・シンファ)教授が任命され、6日に行われた国連人権理事会の中国新疆ウイグル人権状況関連採決に韓国は賛成票を投じた。
統一研究院のキム・スアム選任研究委員は「国際機関選挙は加盟国間の政治的な論理で決定されるケースが多いが、尹錫悦政権が価値外交を前面に掲げているだけに今回の人権理事会理事国落選を契機にこれまで国際社会で韓国の人権外交の実態を振り返り、グローバル中枢国として一貫した人権外交原則を立てる機会にしなければならない」と話した。
この記事を読んで…