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【社説】発足から21年で女性家族部廃止、ジェンダー平等政策の後退憂慮=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国行政安全部が昨日、女性家族部の廃止と在外同胞庁の新設、国家報勲部の昇格を骨子とする政府組織改編案を発表した。海外の優秀人材を誘致して少子化問題の解決に一助となる移民庁設立が抜けたのは残念だ。

しかし在外同胞庁の新設と国家報勲部の昇格は意味がある。在外同胞庁は今後732万人の同胞が該当国家で差別を受けないで社会構成員として権益を享受するための心強い支えになるだろう。あわせて韓国がグローバル国家として飛躍していくために同胞の役割も政府との有機的協力を通じてさらに大きくなるものと期待される。

「歴史を忘れた民族に未来はない」という言葉のように、殉国烈士の精神を賛えるのは我々の義務だ。しかし今までは理念論争に偏って護国英霊の精神を継承して遺族を優遇することを粗雑にしていた点があった。国家報勲処を国家報勲部に格上げすることを契機に、政府は日帝強制占領と戦争の傷を抱いて、揺れることなく未来に進む道を整えなければならない。


2つの案件は野党「共に民主党」からも異見がなく、超党派的な協力が可能だ。だが、女性家族部の廃止は論争の余地がある。民主党の反対の可能性が大きく、国会通過も不透明だ。そのうえ組織が肥大化して分離意見まで出ている保健福祉部の傘下に編入することに対する批判も多い。

これまで女性家族部が本来の機能を逸脱し、政治化したことについては弁解の余地がない。過去の政権での相次ぐ性犯罪事件で、加害者を擁護するかのような態度を見せて、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯事態ではまるで偏向した女性団体のように行動した。同部廃止の原因提供は「文在寅(ムン・ジェイン)政府女性家族部」にあるといっても過言ではない。

だとしても廃止だけが代案ではない。制度的性差別はかなり消えたが、出産と育児を基点に始まる家事に不平等と女性の経歴断絶は厳然な現実だ。女性の社会的成就を遮るガラスの天井も相変らず高い。このような状況で女性家族部の廃止は一歩間違えればジェンダー平等政策の後退をもたらしかねない。

もちろん政府が提示した保健福祉部傘下の女性家族本部が失敗すると断言することはできない。過去、外交部の傘下にあった通商交渉本部も独立的活動によって韓米自由貿易協定(FTA)という大きな成果を達成した。

だが、現政権にそのような力量と意志があるかどうかは疑問だ。未来志向的観点で組織改編を行うというよりも、大統領選挙の時に手応えを得た公約を再び取り出して局面転換用に使うのではないかという疑いがもたれているためだ。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の最初の大統領選挙公約のように両性平等家族部に改編してみてはどうだろうか。女性家族部の英語の名称(Ministry of Gender Equality & Family)のように男女がジェンダーによって差別を受けない社会を作るのに必要な政策を立案して実行する機能は必ず生かさなければならない。



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