新人ウェブトゥーン作家のAさんは昨年初めに希少疾患の診断を受けた。10年前の手術で完治したと思っていた病気が初めての連載がスタートしてから3カ月後に再発したのだ。「手術を先送りしてはいけない」という医者の勧めに従ってAさんは結局手術の日程を決めたが、製作会社の担当者からは「休載するというと売上が落ちる」という反応が返ってきた。会社はAさんの備蓄原稿約8話を回復期間に解き、Aさんは2カ月で包帯もまだ取れないまま連載に復帰しなければならなかった。
有名作家も例外ではない。ウェブトゥーン『俺だけレベルアップな件』の作画を担当していたチャン・ソンラク(DUBU)氏は今年7月、享年37歳で亡くなった。所属事務所は持病による死亡だと明らかにしたが、作家の間からは「座って一日中絵だけを描いていた人なのに、過労のほかに別の理由があるだろうか」という声が出てきた。
◆ウェブトーン作家12人に10人は持病持ち
中央日報がウェブトゥーン作家12人に対して深層インタビューを実施した結果、インタビューを受けた作家のほとんど(10人)は年齢を問わず持病持ちだった。手首の痛み・不眠症から生命を威嚇する希少疾患まで種類はさまざまだった。作業量の増加と過熱した人気競争が集団的過労につながったためだ。韓国ウェブトゥーン協会のクォン・チャンホ事務局長は「普通、劇化体(写実的な作風)の基準やカラー70~80カットを一人の作家が描くためには200時間以上がかかる」と説明する。「一人で1週間ではこなせない量だが、ここまで仕上げてこいという圧迫を受けるのが現実」と話した。
作家は過労を防ぐために作家の有給休載権を保障し、1話当たりのカット数の縮小方案を用意して、さまざまな連載周期を提起してほしいと製作会社とプラットフォーム側に要求している。だが、プラットフォームと製作会社はまだ難色を示している。あるプラットフォーム関係者は「作家は雇用関係ではなく、プラットフォームが有料販売収益が期待される作家と作品に先行投資して版権を確保する構造」と話した。
作家と製作会社の間には販売収益を巡る契約紛争も増えている。昨年デビュー作を準備してある製作会社と契約を結んだ作家のBさんは「1話当たり100万ウォン(約10万円)を超えるMG(後述)を受け取る。他の人が見れば多いというかもしれないが、プラットフォームと製作会社の手数料を除くと全体売上から10%受け取れるかどうかという程度」とし「材料費や作業補助の人件費も作家負担」と話した。
「MG(Minimum Guarantee)」の文字通りの意味は作家の「最小収益」だ。しかし業界主流の「後引きMG」の意味は全く異なる意味をもつ。例えば月4回、1話当たり100万ウォンのMGを受け取ってプラットフォームと5:5で収益を分配する契約を結ぶとすると、1話当たり150万ウォンが収益が出るとき作家の取り分は75万ウォン。ここからMG100万ウォンを差し引く。結果は「-25万ウォン」。ウェブトゥーン業界関係者は「NAVER(ネイバー)・カカオのような大型プラットフォームと直契約を結ぶ作家は原稿料をもらって追加収益の分配を受けるが、製作会社(エージェンシーやスタジオ)を通じてはじめてプラットフォームと関係を築ける多数の作家は泣き寝入りしながらMG方式を受け入れるほかはない条件」と話した。
中央日報が取材で会ったウェブトーン作家12人のうち多数(9人)もプラットフォーム・製作会社と契約過程で不公正を経験したと明らかにした。現行の収益配分構造と精算構造の非公開慣行、著作権の全面譲渡契約などに問題を提起した。彼らのうち半分以上(6人)は創作者の取り分をきちんと受け取ることができていないと感じていた。
12人中10人は持病持ち、37歳で命失う…韓国ウェブトゥーンの陰(2)
有名作家も例外ではない。ウェブトゥーン『俺だけレベルアップな件』の作画を担当していたチャン・ソンラク(DUBU)氏は今年7月、享年37歳で亡くなった。所属事務所は持病による死亡だと明らかにしたが、作家の間からは「座って一日中絵だけを描いていた人なのに、過労のほかに別の理由があるだろうか」という声が出てきた。
◆ウェブトーン作家12人に10人は持病持ち
中央日報がウェブトゥーン作家12人に対して深層インタビューを実施した結果、インタビューを受けた作家のほとんど(10人)は年齢を問わず持病持ちだった。手首の痛み・不眠症から生命を威嚇する希少疾患まで種類はさまざまだった。作業量の増加と過熱した人気競争が集団的過労につながったためだ。韓国ウェブトゥーン協会のクォン・チャンホ事務局長は「普通、劇化体(写実的な作風)の基準やカラー70~80カットを一人の作家が描くためには200時間以上がかかる」と説明する。「一人で1週間ではこなせない量だが、ここまで仕上げてこいという圧迫を受けるのが現実」と話した。
作家は過労を防ぐために作家の有給休載権を保障し、1話当たりのカット数の縮小方案を用意して、さまざまな連載周期を提起してほしいと製作会社とプラットフォーム側に要求している。だが、プラットフォームと製作会社はまだ難色を示している。あるプラットフォーム関係者は「作家は雇用関係ではなく、プラットフォームが有料販売収益が期待される作家と作品に先行投資して版権を確保する構造」と話した。
作家と製作会社の間には販売収益を巡る契約紛争も増えている。昨年デビュー作を準備してある製作会社と契約を結んだ作家のBさんは「1話当たり100万ウォン(約10万円)を超えるMG(後述)を受け取る。他の人が見れば多いというかもしれないが、プラットフォームと製作会社の手数料を除くと全体売上から10%受け取れるかどうかという程度」とし「材料費や作業補助の人件費も作家負担」と話した。
「MG(Minimum Guarantee)」の文字通りの意味は作家の「最小収益」だ。しかし業界主流の「後引きMG」の意味は全く異なる意味をもつ。例えば月4回、1話当たり100万ウォンのMGを受け取ってプラットフォームと5:5で収益を分配する契約を結ぶとすると、1話当たり150万ウォンが収益が出るとき作家の取り分は75万ウォン。ここからMG100万ウォンを差し引く。結果は「-25万ウォン」。ウェブトゥーン業界関係者は「NAVER(ネイバー)・カカオのような大型プラットフォームと直契約を結ぶ作家は原稿料をもらって追加収益の分配を受けるが、製作会社(エージェンシーやスタジオ)を通じてはじめてプラットフォームと関係を築ける多数の作家は泣き寝入りしながらMG方式を受け入れるほかはない条件」と話した。
中央日報が取材で会ったウェブトーン作家12人のうち多数(9人)もプラットフォーム・製作会社と契約過程で不公正を経験したと明らかにした。現行の収益配分構造と精算構造の非公開慣行、著作権の全面譲渡契約などに問題を提起した。彼らのうち半分以上(6人)は創作者の取り分をきちんと受け取ることができていないと感じていた。
12人中10人は持病持ち、37歳で命失う…韓国ウェブトゥーンの陰(2)
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