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魚も海草もすべて消えた…酸素がなくなった韓国南海のデッドゾーン「衝撃」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

南海鎮海湾(チンヘマン)の貧酸素発生海域を水中カメラで撮影した様子。[写真 仁川(インチョン)大学のキム・イルナム教授]

今月21日、慶尚南道昌原市(キョンサンナムド・チャンウォンシ)の鎮海(チンヘ)近海。カキ養殖のためのブイがあちらこちらに浮いている海の上で、研究陣が測定装備を船の外に投げた。海中の酸素濃度を測定するためだ。

測定装備が水深17メートルの海底面に到着すると酸素濃度数値がモニター装備に表示された。1リットル当たり0.35ミリグラムで「貧酸素」基準の3ミリグラムまではるかに至らなかった。「貧酸素」とは海水に溶け込んでいる酸素濃度が不足している現象を指すが、1ミリグラム/リットル未満は酸素がほとんどない無酸素状態とみることができる。

「海中生物も水中で呼吸をして酸素を取り込んでいますが、酸素がなければ生存することはできません。このように酸素濃度が低い場合、魚は逃げていくかもしれませんが、移動が大変なカニや海底に住むウニのような低所生物は死んでしまいます」。


貧酸素状態をモニタリングしている国立水産科学院のイム・ジェヒョン博士が酸素数値を指しながら説明した。

国立水産科学院がこの日から2日間、鎮海湾一帯の酸素濃度を調査した結果、台風の影響でやや弱まった貧酸素水塊が再び形成され、鎮海湾一帯に広がったことを確認した。貧酸素水塊は貧酸素が現れる海低層の水で「酸素不足の水塊り」とも言う。

◆夏になるたびに「デッドゾーン」と化す鎮海湾

鎮海湾は1960年代以降、産業化とともに陸上から海へ汚染物質が流入し、水温が高まる夏になると酸素不足現象が現れ始めた。鎮海湾は世界的にも「季節性デッドゾーン(Dead Zone)が現れる沿岸地域の一つとして知られている。デッドゾーンは酸素が枯渇して生物が生息できない場所のことをいう。

イム博士は「汚染物が多い沿岸では堆積物に積もっている有機物が分解して多くの酸素が消耗するが、夏になると表層と低層の水温差によって海水交換がスムーズに行われなくなり、表層からの酸素供給が遮断されて酸素濃度が低くなる」とし「温暖化の影響で水温が上昇すると貧酸素水解の初期発生時期が早まり持続期間も増える場合がある」と述べた。

◆酸素が消えた「死の海中」…その衝撃的な姿

デッドゾーン現象が夏になるたびに繰り返され、鎮海湾の海洋生態系は言葉どおり焦土化した状態だ。仁川(インチョン)大海洋学科のキム・イルナム教授研究チームが先月4日、鎮海湾一帯を水中撮影した結果、死の海と化した実態が改めて明らかになった。

貧酸素が深刻な低層では魚はもちろん、いかなる生命体も探すことができなかった。代わりに無酸素ゾーンに住むバクテリアと推定される物体がクモの巣のようにあちこちに張り巡らされていてまるで別の惑星を見ているようだった。問題は韓半島(朝鮮半島)周辺の海水面の温度が急上昇していて、鎮海湾のデッドゾーン現象が深刻化しているということだ。研究チームが1989年から2010年まで鎮海湾一帯の貧酸素濃度を比較した結果、鎮海湾内に貧酸素が発生する領域は次第に拡大する傾向を示した。

キム・イルナム教授は「過去30年間、鎮海湾一帯で産業化や人間の活動による汚染度がそれほど増加しなかった状況でデッドゾーンが急速に拡大しているというのは、海水面の温度上昇など気候変化の影響力がそれだけ大きくなっているということだと解釈される」とし「デッドゾーンの拡大が進めば近隣で養殖している生物が大量死などさらに大きな被害が発生する可能性がある」と懸念した。

また別の問題はデッドゾーン海域で温室効果ガスが放出され、気候変動を加速させる悪循環が発生する可能性があるということだ。実際、研究チームの調査結果、鎮海湾の貧酸素が発生する場所で温室効果ガスの一種であるメタンの濃度が高いことが分かった。

キム教授は「有機物が積もった堆積層で酸素がなくなればバクテリア活動が活発になってメタンが形成される」とし「海から大気に放出される温室効果ガスが増えれば、地球温暖化をさらに加速させる負のスパイラル現象が現れかねない」と懸念を示した。



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