米国のジョン・ボルトン元ホワイトハウス大統領補佐官(国家安全保障担当)は19日、「中国がその気になれば北朝鮮の非核化問題は一晩の内にも解決することができる」としながら北核に対する中国の姿勢を批判した。また、ドナルド・トランプ前大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の間で行われたシンガポール、ハノイ両首脳会談は北朝鮮に核開発の時間を与えたとして「時間は核拡散者(proliferator)のほうにある」と警告した。3泊4日の日程で訪韓中のボルトン氏と、中央日報と財団法人韓半島(朝鮮半島)平和作り〔理事長・洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)中央ホールディングス会長〕の魏聖洛事務総長(元駐ロシア大使)がこの日会った。
--韓半島で北朝鮮問題、南北関係、韓中関係を扱う適切な代案は何か。
「北朝鮮に関連した本当の問題はすなわち中国という私の見解は過去よりもはっきりした。中国がその気になれば明らかに核兵器問題を一晩の内にも解決することができる。我々は過去数年間、6カ国協議などをしながら北京が核問題解決策を見出そうと努力していると感じていたが、実際には北朝鮮を激励するのが中国の政策だった。北朝鮮は中国には脅威にならないが、その他すべてには脅威だ。だが、我々は数年間そのようには見ていなかった。今は変わらなければならない」
--2018年シンガポールと2019年ハノイ米朝首脳会談時、大統領補佐官として関与したが。
「金正恩は全過程で核を放棄するという戦略的決定を示唆しないなど何もしなかったが、そのような舞台(platform)を提供する招待状を米国が受諾したことが失敗だった。今までのところでも、北朝鮮が核兵器開発を放棄する意志があるという証拠はない。シンガポール、ハノイ、DMZ会談まで、すべてのことが毎回芝居だった」
--だが、当時韓国政府は金正恩の非核化意志は確認されたといった。これに対して疑問を呈するのか。
「問題はそれ(米朝首脳会談)が誰のアイデアだったかということだ。核拡散問題に関する基本原則は時間は核拡散者(proliferator)のほうだという点だ。時間が流れるほど核兵器開発に必要なすべての複雑な科学的・技術的問題を解決するための時間を有することになる。北朝鮮は時間を稼いだという点で、結局失敗した交渉は(損害も利益でもない)中立(neutral)だったと評価できない。バラク・オバマ政権の戦略的忍耐政策もいかなる譲歩も引き出すことができなかったため失敗だった。(北核に関連して)何も起きていないというバイデン政府もオバマ政府の戦略的忍耐アプローチ法と非常に似ている」
--尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が最近ニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで文在寅(ムン・ジェイン)前大統領について「友達1人だけに執着する学生のようだ」と描写したが。
「文前大統領は金正恩と進展を成し遂げることに執着したようだ。片方の当事者が取引成功を望んでいる点をあまりにも露骨に見せるのは問題だ。交渉力は余計弱まってしまう。核問題の解決がなければ統一に進展はないだろう。北核問題は北朝鮮政権とは解決できないので中国が(北朝鮮に)圧迫を加える以外にない。問題は米中関係の悪化で中国が我々に好意を示さないだろうという点だ。それでも私は北朝鮮の脅威が消えて韓半島が統一されれば中国はもっと安定すると主張したい。北東アジアの安定は韓国が統一される前にもたらされることはないだろう」
--中国の対外戦略は韓米関係が弱まれば中国の影響力が大きくなるという伝統的均衡理論に根拠を置いている。
「米国と他の国々は今は中国が包括的な脅威であるということを知っている。韓国・台湾・インド各自に対する脅威だけではないという点だ。我々は協力するときもっと強くなることができる。中国が特定国を選択して圧力を加えることを我々は許さず、阻止しなければならない。中国が圧力を加える対象を選んで(領域内の他の国々と)分離することができれば(中国の圧迫が)成功する確率が高まる。公式的な同盟ではなくても太平洋とインド洋国家が中国の挑発で平和と安保に支障を受けることを容認しないなら、中国政府がそういった戦略を試みる可能性は格段に減るだろう」
--ロシアとウクライナ戦争に対する中国の算法をどのように見ているか。
「中国がウクライナ問題に関連してロシアと距離を置いているという一部の分析に同意しない。中国が心配しているのはロシアが戦争で負けているという点だ。中国の観点ではウクライナ侵攻が誤っているというよりは、戦争の長期化に伴い、ロシア軍が成功できていないことが問題だ。私はこの点が中国の台湾攻撃を抑制できる証拠だと考えている。(中国は)今、ウクライナでロシア人が直面しているような種類の闘争を見たくないためだ。中国は完全に機能する台湾を望みこそすれ、煙に包まれた廃虚の台湾を望んではいない。この地域のすべての国は台湾防御を自国に対する防御だと考えなければならない。このような考えを中国に伝える国が多いほど中国が軍事的行動を取る可能性が低くなる」
ジョン・ボルトン氏「時間は核拡散者のほうに…中国がその気になれば北核は一晩で解決」(2)
--韓半島で北朝鮮問題、南北関係、韓中関係を扱う適切な代案は何か。
「北朝鮮に関連した本当の問題はすなわち中国という私の見解は過去よりもはっきりした。中国がその気になれば明らかに核兵器問題を一晩の内にも解決することができる。我々は過去数年間、6カ国協議などをしながら北京が核問題解決策を見出そうと努力していると感じていたが、実際には北朝鮮を激励するのが中国の政策だった。北朝鮮は中国には脅威にならないが、その他すべてには脅威だ。だが、我々は数年間そのようには見ていなかった。今は変わらなければならない」
--2018年シンガポールと2019年ハノイ米朝首脳会談時、大統領補佐官として関与したが。
「金正恩は全過程で核を放棄するという戦略的決定を示唆しないなど何もしなかったが、そのような舞台(platform)を提供する招待状を米国が受諾したことが失敗だった。今までのところでも、北朝鮮が核兵器開発を放棄する意志があるという証拠はない。シンガポール、ハノイ、DMZ会談まで、すべてのことが毎回芝居だった」
--だが、当時韓国政府は金正恩の非核化意志は確認されたといった。これに対して疑問を呈するのか。
「問題はそれ(米朝首脳会談)が誰のアイデアだったかということだ。核拡散問題に関する基本原則は時間は核拡散者(proliferator)のほうだという点だ。時間が流れるほど核兵器開発に必要なすべての複雑な科学的・技術的問題を解決するための時間を有することになる。北朝鮮は時間を稼いだという点で、結局失敗した交渉は(損害も利益でもない)中立(neutral)だったと評価できない。バラク・オバマ政権の戦略的忍耐政策もいかなる譲歩も引き出すことができなかったため失敗だった。(北核に関連して)何も起きていないというバイデン政府もオバマ政府の戦略的忍耐アプローチ法と非常に似ている」
--尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が最近ニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで文在寅(ムン・ジェイン)前大統領について「友達1人だけに執着する学生のようだ」と描写したが。
「文前大統領は金正恩と進展を成し遂げることに執着したようだ。片方の当事者が取引成功を望んでいる点をあまりにも露骨に見せるのは問題だ。交渉力は余計弱まってしまう。核問題の解決がなければ統一に進展はないだろう。北核問題は北朝鮮政権とは解決できないので中国が(北朝鮮に)圧迫を加える以外にない。問題は米中関係の悪化で中国が我々に好意を示さないだろうという点だ。それでも私は北朝鮮の脅威が消えて韓半島が統一されれば中国はもっと安定すると主張したい。北東アジアの安定は韓国が統一される前にもたらされることはないだろう」
--中国の対外戦略は韓米関係が弱まれば中国の影響力が大きくなるという伝統的均衡理論に根拠を置いている。
「米国と他の国々は今は中国が包括的な脅威であるということを知っている。韓国・台湾・インド各自に対する脅威だけではないという点だ。我々は協力するときもっと強くなることができる。中国が特定国を選択して圧力を加えることを我々は許さず、阻止しなければならない。中国が圧力を加える対象を選んで(領域内の他の国々と)分離することができれば(中国の圧迫が)成功する確率が高まる。公式的な同盟ではなくても太平洋とインド洋国家が中国の挑発で平和と安保に支障を受けることを容認しないなら、中国政府がそういった戦略を試みる可能性は格段に減るだろう」
--ロシアとウクライナ戦争に対する中国の算法をどのように見ているか。
「中国がウクライナ問題に関連してロシアと距離を置いているという一部の分析に同意しない。中国が心配しているのはロシアが戦争で負けているという点だ。中国の観点ではウクライナ侵攻が誤っているというよりは、戦争の長期化に伴い、ロシア軍が成功できていないことが問題だ。私はこの点が中国の台湾攻撃を抑制できる証拠だと考えている。(中国は)今、ウクライナでロシア人が直面しているような種類の闘争を見たくないためだ。中国は完全に機能する台湾を望みこそすれ、煙に包まれた廃虚の台湾を望んではいない。この地域のすべての国は台湾防御を自国に対する防御だと考えなければならない。このような考えを中国に伝える国が多いほど中国が軍事的行動を取る可能性が低くなる」
ジョン・ボルトン氏「時間は核拡散者のほうに…中国がその気になれば北核は一晩で解決」(2)
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