１．０％の超大幅利上げも排除することはできない。高騰する物価を早期に抑えるためのショック療法だ。ノーベル経済学賞受賞者であるイェール大学のロバート・シラー教授は１９日のＣＮＮとのインタビューで、「ＦＲＢが今回金利を１．０％引き上げる可能性がある。ＦＲＢがインフレに対応措置を取っているという信頼を確認させることができ、経済のバランスを惑わすほどの引き上げ幅ではないため」と話した。

市場の関心はＦＲＢが通貨政策の方向舵をいつ回すのかに移っている。ＦＲＢのパウエル議長の口とドットチャートに関心が集まる理由だ。３カ月ごとにアップデートされるドットチャートはＦＲＢ委員が予想する今年末と来年の金利見通しだ。６月に発表したドットチャートは金利が今年末に３．４％、来年末に３．８％まで上がった後２０２４年末には３．４％に下落するという見通しが盛り込まれた。

市場が予想するＦＲＢの利上げ最終目的地は６月のドットチャートを大きく超えた状態だ。米金融情報会社のファクトセットによると、債券トレーダーは来年４月末に米国の政策金利が４．４１％まで上がると予想する。ゴールドマン・サックスが４．２５～４．５％、野村証券が４．５～４．７５％など世界の投資銀行の見通しも４％台後半だ。


◇英国・スイスなど相次ぎ利上げの可能性

ＦＲＢが短期間に通貨政策の方向舵を回す可能性は小さい。ゴールドマン・サックスはＦＲＢが２０２４年になってこそ金利を０．２５％引き下げると予想した。バンク・オブ・アメリカのイーサン・ハリス氏はフィナンシャル・タイムズに「利上げがどれほどになるのかよりどれだけ続くかがカギになった」と話した。

ＦＲＢの緊縮に各国中央銀行の利上げも続いている。特に今週は「スーパー緊縮週間」になる可能性が大きい。米国のほかにも英国とスイス、ノルウェー、日本、ブラジル、トルコ、インドネシア、フィリピン、サウジアラビア、エジプトなどの中央銀行が政策金利を決める会議を開く。

イングランド銀行は２２日、政策金利を０．５％引き上げる可能性が大きい。スイス中央銀行は０．７５％の利上げが予想される。ブルームバーグはこれら中央銀行の利上げ幅の合計が５％を超えると推定した。

中央銀行の過度な緊縮に対する懸念も大きくなっている。景気だけ抑えて物価は抑えられないという心配だ。コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授はＡＦＰ通信とのインタビューで「中央銀行の利上げは中世時代の瀉血療法を思い起こさせる。奇跡が起こらない限りほとんどの患者は血を出せば回復せず、さらに多くの血を流して患者はさらに悪化する」と話した。


「スーパー緊縮ウィーク」始まる、米国も韓国も国債利回り急騰（１）