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【コラム】韓国経済の悪習正す「非正常の正常化」でドル高乗り越えよう(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「まだドル高は初期段階だ。当分高金利時代が続き国際経済の脆弱性は大きくなるだろう」。

シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのラグラム・ラジャン教授がウォール・ストリート・ジャーナルの19日付記事「世界経済の問題になったドル上昇」でした話だ。ラジャン教授は国際通貨基金(IMF)首席エコノミストとインド中央銀行総裁を務めた国際経済分野の碩学だ。インド中央銀行総裁時代には米連邦準備制度理事会(FRB)の通貨政策とドル高が米国以外の国に衝撃を与えていると強く批判した。

◇来年期限の新興国ドルの負債830億ドル


ラジャン教授は新興国経済のストレスが大きくなり統制するのが難しいとみた。米国発の高金利とドル高で新興国と企業が返すべきドル建て負債の負担が増えた。国際金融協会(IIF)によると来年末までに期限がくる新興国政府のドル建て債務は830億ドルに達する。先週世界銀行は世界経済が景気低迷に向かいつつあり、新興国と開発途上国で連鎖金融危機が発生する可能性があると警告した。

実際にIMFはあわただしくなった。デフォルトの危機に置かれたスリランカとパキスタンに続きセルビアが先週IMFに支援を求めた。ロシアのウクライナ侵攻後に16カ国から20件の支援要請があった。IMFはコロナ禍とドル高の衝撃で困難に陥る90カ国ほどの加盟国に2020年から現在まで2680億ドルを支援した。

まだ韓国はそれなりに善戦している。外貨準備高が多く、マクロ経済も比較的順調で対外純債権国という地位も役に立った。ブルームバーグは韓国をはじめとするアジアの新興国が外貨準備高などのおかげで相対的に善戦していると19日に報道した。

だが今後が問題だ。ウォン安傾向が尋常でない。米国発の高金利とドル高によるところが大きいが、最近では他の通貨よりも大きく下落した。8月の経常収支赤字の可能性と半導体景気下落、中国経済沈滞などが反映されたためだ。ウォン相場1ドル=1400ウォン台入りが秒読みに入った。

どうすべきだろうか。為替相場安定に向け原則的に3種類の解決策がある。最初に、外貨準備高活用。このような時に使うために苦労して集めておいたものなので外国為替市場に過度な偏りがある時に介入できる。主要通貨に対するドルの価値を示すドル指数を参考に最近のように主要通貨よりウォンの下落幅が大きい時はその差を減らすのに外貨準備高を使うことができるだろう。だがドル高の傾向そのものを変えようとしてはならない。可能でないだけでなく、市場に逆らう蛮勇は場合によっては国際為替投機勢力のえじきになりかねない。

2番目、金利の引き上げ。金利を上げればウォン安傾向を緩和する効果がある。米国の利上げレベルが強かった。22日には3回連続で0.75%引き上げるという見通しが多い。そうなると米国の金利は3.00~3.25%となり、金利上段が韓国の2.50%より0.75%高くなる。米国の先物市場では米国の金利が今年末に4.2%、来年3月に4.5%まで上がるとみている。内外の金利差が大きく広がるのを防ぐなら韓国もこまめに金利を上げなければならない。ただ通貨価値を安定させるために基準金利を上げるのが適切なのかに対する議論はある。現在のようなドル高の状況ではウォン安を防ぐ効果が大きくないだけでなく、通貨政策を物価抑制に使うべきで関係ないことに使うという指摘が出る恐れもある。

◇ウォン安容認が最も費用少なく

3番目、ウォン安容認。変動為替相場制の趣旨に合わせてそのままにしておくことだ。過去の危機のようにドル不足があるわけでもなく、ドル調達も着々とできるだけに市場で決定される価格変数は可能ならば尊重しようといえる。金融通貨委員を務めたKDI国際政策大学院のチョ・ドンチョル教授がこうした立場に近い。輸入物価を上げて金融市場を不安にするウォン安を容認するのは外国為替当局の立場でも望ましくない選択だ。だが他の案より国民経済が負担すべき経済的費用は最も小さい。韓国国民が通貨危機と金融危機のトラウマから抜け出し1400という数字に過度な恐怖感を持たなければ政策当局の選択肢が広くなる。もちろん「当局が手をこまねいていていいのか」という世論を説得するのが容易ではないだろう。


【コラム】韓国経済の悪習正す「非正常の正常化」でドル高乗り越えよう(2)

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