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<台風11号>「地下駐車場が浸るのに10分、通報する余裕もなかった」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

地下駐車場の昼の様子 [写真 慶尚北道消防本部]

「大雨が降っていた朝4時ごろ出勤しました。約30分が過ぎて案内放送をしようと電源を入れました」

6日午後、慶尚北道浦項市南区(キョンサンブクド・ポハンシ・ナムグ)のあるマンション団地の警備室。台風11号が上陸した中、この日午前6時ごろ、このマンションの地下駐車場に車を出しに降りた住民7人が一瞬にして押し寄せた水に駐車場が浸水し、連絡が途絶えた。警備室で会ったこのマンションの管理事務所長Aさんから午前の状況について聞いた。以下はAさんが再構成した状況だ。

出勤後30分が過ぎたこの日午前4時30分ごろ、Aさんは直接住民に「102棟幼稚園の遊び場側に駐車された車両は移動してください。 地下駐車場は大丈夫です」と放送した。そして、大雨の中でパトロールに出た。パトロールをしていたAさんは、雨脚が尋常ではないと感じた。


気象庁地域別詳細観測資料によると、この日午前3~9時浦項市南区には261ミリの大雨が降った。Aさんは「午前5時20分ごろ、再び放送した。この時は地下駐車場にも水が浸る可能性があるので、車を地上に移してほしいという内容を追加した」と述べた。また、案内放送に従って移動する車両を統制するために再び外に出た。

台風11号の上陸が予報されたこの日未明、マンションの管理事務所にはAさんの他にも施設課長や警備員、入居者代表会員などがいたという。Aさんが車両統制のために管理事務所を出た後、施設課長が2回にわたって再び案内放送を行った。Aさんは「(内容を)正確に聞いていないが、浸水が懸念されるため、地下駐車場の車両を移してほしいという内容だっただろう」と話した。

午前5時50分、マンション近くの河川である冷川(ネンチョン)が大雨に見舞われた。冷川は海兵(へビョン)路を挟んでマンション正門から約150メートル離れている。Aさんは「河川があふれ、あっという間におびただしい量の水が押し寄せた。水が押し寄せ、地下駐車場が完全に浸水するのに10分程度しかかからなかった」と振り返った。

なぜ119番通報をしなかったのかと尋ねると、Aさんは「119を思い浮かべないほど余裕がなかった」とし「(私が)通報しなかったが、そのごろすでに救急車のサイレンの音が聞こえた。しかし、河川が氾濫して進入路に流れ込むと、救急車が入ることができなかった」と述べた。消防当局は大雨で河川が氾濫し、水がマンションの地下駐車場に流入したことを今回の事故の原因と推定した。

辛うじて中央日報のインタビューに応じたAさんは苦しんだ。台風による停電のせいで電気が消えた警備室で彼に会ったが、一言を言うたびに彼の声は体とともに震えた。オンライン掲示板などに「案内放送のせいで事故が起きた」という魔女狩りの世論が高まっていることをAさんもよく知っていた。

Aさんは役割に忠実しようとしただけだという趣旨で悔しさを訴えた。浸水後の状況を尋ねたが、Aさんは震える声で「ごめんなさい。これ以上到底話せない」として席を離れた。この日、現場で会ったマンション住民のほとんどは「管理事務所側は台風の状況でマンション団地を管理しようと最善を尽くした」と話した。「案内放送は住民の財産被害を防ごうとする試みだっただけで、事故を起こすために流したわけではない」など管理事務所側の責任を提起するのは誤りだと強く主張した。



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