ドル
IMF通貨危機が韓国人に残した傷は大きかった。経済が不安定になるたびに通貨危機の恐怖に包まれる理由だ。2008年の米国発金融危機がそうだった。当時、外国人の資金が一気に流出し、韓国ウォンが急落した。第2次IMF危機が迫るという恐怖が市場に広がった。「3月危機説」「9月危機説」が相次いで出てきた。同年10月、李明博(イ・ミョンバク)大統領がラジオ演説で「厳しいが、通貨危機当時とは状況がかなり違う」と訴えるほどだった。
最近、IMF通貨危機の恐怖がまた広がっている。ひとまず物価と為替が尋常でない。消費者物価上昇率は5-6%(前年比)にのぼる。1998年の7.5%以来14年ぶりの最高水準だ。通貨危機だった97年の4.4%を上回る。為替レートは1ドル=1300ウォン水準を突き抜けて1400ウォン台に向かっている。一日に10ウォン前後のウォン安ドル高になったりする。金融危機当時のようだ。ところが政府の反応も当時と似ている。先月29日、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官は国会で「外貨の保有は十分だ。IMF通貨危機とは違う」と述べた。
実際、当然のことだ。通貨危機も金融危機も経済危機の一種類にすぎない。危機はいつも異なる姿を見せ、また進化した。ノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマンは著書で「危機は米連邦準備制度理事会(FRB)の非常に賢い人物を含めて誰も予測できない新しい次元をずっと発展させて見せる」と主張した。
新たな危機が近づいている。IMF通貨危機の記録を超える最悪の経済危機ではないことを望むだけだ。
チョ・ヒョンスク/経済政策チーム次長
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