ロシア軍が掌握したウクライナのザポリージャ原子力発電所で相次ぐ砲撃により安全事故が懸念されると、ウクライナ当局は万一の放射能漏れに備えて近隣住民にヨウ素剤を緊急配布し始めた。国際原子力機関(IAEA)は現地視察を急いでいる。安定した物質であるヨウ化カリウムをあらかじめ服用すれば甲状腺組織に先に作用し後に放射性物質に露出した時に放射性ヨードが体内に蓄積されるのを防ぐ効果がある。
AP通信とニューヨーク・タイムズなどが27日に伝えたところによると、ウクライナ当局は前日からザポリージャ原発から半径56キロメートルに居住する住民らにヨウ素剤を分け始めた。ウクライナのリャシュコ保健相は「専門家が推奨する容量相当を(政府が)購入し住民が別途購入する必要はない」と話した。ニューヨーク・タイムズはザポリージャ原発から放射性物質が漏出すれば近隣住民約40万人が危険に直面すると推定した。
3月にロシア軍が占領したザポリージャ原発と周辺では今月に入り交戦が続いている。AP通信は1986年のチェルノブイリ原発事故の記憶が残るウクライナで放射能災害に対する恐れが高まっていると伝えた。欧州最大規模のザポリージャ原発がもし爆発する場合、被害はチェルノブイリ事故の10倍に達するという懸念も出ている。
25日にはザポリージャ原発の原子炉6基のうち稼動中の2基で一時電力供給が中断される事態が発生した。原発近くでの砲撃にともない火災が発生し原発に電力を供給する送電線が破壊されたためだ。非常電力が稼動して事故はなかったが、90分以上停電が続いたならば冷却システムが止まり原子炉中心が溶ける炉心溶融の恐れがある。2011年の日本の福島第一原発の事故も津波により電力が遮断され冷却システムがまひして発生した。
ウクライナとロシアは27日にも互いに相手がザポリージャ原発周辺を砲撃したとし攻防を行った。この原発を運営するウクライナ国営エネルゴアトムはこの日、「ロシア軍が24時間にわたり繰り返し原発の敷地を砲撃し基盤施設に被害が発生して放射性物質の漏出の危険が生じた」と主張した。これに対しロシア国防省は「ウクライナ軍が24時間の間に3回にわたり原発の敷地を砲撃した」と主張し、「ザポリージャ原発の放射能の数値は正常」と明らかにした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日「(ザポリージャ原発の)状況は依然として極めて危険だ」としてIAEAの早期訪問を促した。前日バイデン米大統領もゼレンスキー大統領と電話で会談し、「ロシアはザポリージャ原発の統制権をウクライナに返し速やかにIAEAの査察を認めよ」と話した。
ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、消息筋の話として、ロシアとウクライナの交渉が事実上妥結し「IAEA視察団が来週初めに訪問する予定。早ければ29日に訪問する可能性がある」と報道した。IAEA視察団は発電所内部の安全を点検し、交戦で破損した施設の修理に向け予備部品と放射線モニタリング装置などを持ち込むだろうと同紙は伝えた。ザポリージャ原発などで数年間勤務した原子力監督官は「チェルノブイリ事故後IAEAが務める任務のうち最も重要だ」と自評した。同紙によると今回のザポリージャ原発視察団13人に米国・英国出身者は含まれていない。
AP通信とニューヨーク・タイムズなどが27日に伝えたところによると、ウクライナ当局は前日からザポリージャ原発から半径56キロメートルに居住する住民らにヨウ素剤を分け始めた。ウクライナのリャシュコ保健相は「専門家が推奨する容量相当を(政府が)購入し住民が別途購入する必要はない」と話した。ニューヨーク・タイムズはザポリージャ原発から放射性物質が漏出すれば近隣住民約40万人が危険に直面すると推定した。
3月にロシア軍が占領したザポリージャ原発と周辺では今月に入り交戦が続いている。AP通信は1986年のチェルノブイリ原発事故の記憶が残るウクライナで放射能災害に対する恐れが高まっていると伝えた。欧州最大規模のザポリージャ原発がもし爆発する場合、被害はチェルノブイリ事故の10倍に達するという懸念も出ている。
25日にはザポリージャ原発の原子炉6基のうち稼動中の2基で一時電力供給が中断される事態が発生した。原発近くでの砲撃にともない火災が発生し原発に電力を供給する送電線が破壊されたためだ。非常電力が稼動して事故はなかったが、90分以上停電が続いたならば冷却システムが止まり原子炉中心が溶ける炉心溶融の恐れがある。2011年の日本の福島第一原発の事故も津波により電力が遮断され冷却システムがまひして発生した。
ウクライナとロシアは27日にも互いに相手がザポリージャ原発周辺を砲撃したとし攻防を行った。この原発を運営するウクライナ国営エネルゴアトムはこの日、「ロシア軍が24時間にわたり繰り返し原発の敷地を砲撃し基盤施設に被害が発生して放射性物質の漏出の危険が生じた」と主張した。これに対しロシア国防省は「ウクライナ軍が24時間の間に3回にわたり原発の敷地を砲撃した」と主張し、「ザポリージャ原発の放射能の数値は正常」と明らかにした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日「(ザポリージャ原発の)状況は依然として極めて危険だ」としてIAEAの早期訪問を促した。前日バイデン米大統領もゼレンスキー大統領と電話で会談し、「ロシアはザポリージャ原発の統制権をウクライナに返し速やかにIAEAの査察を認めよ」と話した。
ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、消息筋の話として、ロシアとウクライナの交渉が事実上妥結し「IAEA視察団が来週初めに訪問する予定。早ければ29日に訪問する可能性がある」と報道した。IAEA視察団は発電所内部の安全を点検し、交戦で破損した施設の修理に向け予備部品と放射線モニタリング装置などを持ち込むだろうと同紙は伝えた。ザポリージャ原発などで数年間勤務した原子力監督官は「チェルノブイリ事故後IAEAが務める任務のうち最も重要だ」と自評した。同紙によると今回のザポリージャ原発視察団13人に米国・英国出身者は含まれていない。
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