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【コラム】金建希氏とミシェル・オバマ氏

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓国ファーストレディの金建希(キム・ゴンヒ)夫人が6月29日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のために訪問したスペイン・マドリードにあるアップサイクリング衣類を販売する「ECOALF」を訪問して商品を見ている。[写真 大統領室写真記者団]

文在寅(ムン・ジェイン)政府発足100日と尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の100日を比較してみると、ファーストレディーの存在感の差が断然際立っている。5年前の100日行事で、金正淑(キム・ジョンスク)夫人は主人公だった。「私はいつも言っている。初心を忘れるなと。国民の評価が良くて(大統領が)少し気が緩んでいるのではないか…」という発言に聴衆の爆笑が起こった。金正淑氏が「あなた(大統領)を守り、私自身も守る」と語る場面では、非常な自信に満ち溢れていた。

できるだけ金建希(キム・ゴンヒ)夫人を前に出さないようとしている与党の思いを理解できないわけではない。論文盗作騒ぎ、ドイツモーターズ株価操作の捜査、コバナコンテンツ関係者の疑惑など暗いイシューが代わる代わる登場している。過去の大統領夫人は多くのことをした。金正淑氏は障害者や認知症患者を支援する活動を任期中継続した。李明博(イ・ミョンバク)元大統領夫人の金潤玉(キム・ユノク)氏は「韓国料理の世界化」に努めた。彼らに特出した能力があるというよりは、ファーストレディーに向けた国民の関心を社会的弱者の支援をする動力源として活用した。国民は大統領選挙で一人に票を入れても、その配偶者の奉仕が一緒に付いてくる「1+1」方式だった。ずっと続いてきた「+1」だったが、尹錫悦政府で変数が生じた。大統領選挙を控えて高まった様々な疑惑のためだが、金建希氏が「妻の役割だけに専念する」と約束し、「+1」は早々に吹き飛んだ。就任後には約束とは異なり、私的な縁の知人を同行させるなどの突出した行動で「完全にマイナスになった」とまで言われている。

◆有能な大統領夫人も補佐が必要


最近、米国でファーストレディーとしての活動で強い印象を残した人物としてミシェル・オバマ氏を挙げる。「When they go low, we go high.(相手が低俗なら、我々は気高く行きましょう)」。2016年の民主党全党大会でミシェル・オバマ氏は立派なキャッチフレーズを世界に刻印した。ミシェル氏は児童肥満撲滅運動に注力したが、政治演説でも抜群だった。ハーバード大学法学博士出身の弁護士にシカゴ大学病院の副院長を務めたミシェル氏にとって、大統領夫人の役割ぐらいは朝飯前だったように思えるが、とんでもない。著書『マイ・ストーリー(原題:Becoming)』には大統領選挙の過程で負った傷が随所に見られる。

舌禍は基本だ。40分の分量の応援演説の中で「私は大人になって初めて、私の国が本当に誇らしい」という10秒を悪意的に編集した事例に言及した。「彼女はいつも米国を憎んでいた。あれが彼女の本性だ。残りは全部ショーだ」と攻撃されて追い込まれた時は、小学校1年生の時、給食の列で男子にいきなり拳で殴られ、下唇が腫れた記憶がよみがえったという。論文も疑惑に包まれた。メディアは人種関連の内容を掘り下げ、作文能力や語彙力をこき下ろした。士気をくじかれたミシェル氏は「私の仕事とアイデンティティまで放棄したのに、今になって私のことを問題だらけと言うの?」と自責の念に陥ったという。

◆世間の視線を避けて公開活動を減らす?

今、金建希氏の心境は、これよりはるかに複雑だろう。金建希氏を補佐する第2付属室が廃止された。金建希氏の行動半径は注目の的だ。ある国民の力議員は「金夫人は強いて独自の活動をせず、大統領とともに行事に参加して海外歴訪に同行する程度でいい」とし「第2付属室を作れば権力が集中し、さらに大きな問題が発生しかねない」と憂慮する。2年も残っていない総選挙を心配する議員としては、支持率の悪材料を避けたいだろう。しかし、社会活動をしてきた金建希氏が5年間、息を潜めていると信じる人は多くない。ろくな補佐も受けずに陰性的に活動した場合、むしろ事故の可能性は大きくなる。この100日間、すでに様々な行動が話題になっている。そのため、ミシェル・オバマ氏の場合をベンチマーキングするのも方法かもしれない。

「私がこれを必ずやらなければならない理由はない」と諦めようとしたミシェル・オバマ氏にとって自信を取り戻したのは、夫ではなく実力で武装した専門家だった。苦しむミシェル氏にキャンプでは参謀を支援することを決定した。バラク・オバマ氏が連邦上院議員の時に一緒に働いたクリスティン・ジャービス氏と政治に詳しい広報専門家のステファニー・カッター氏を担当者として投入した。演説文はセーラ・ハイツ氏が担当した。ようやく「後ろでサポートしてくれる人がいるから勇気が出て再び私の本能通りに行動することができた」と記している。大統領だけでなくファーストレディーにも専門家の助力は必須だった。

◆専門参謀陣と共に疎外階層の支援を

大統領の周辺人物の不正などを監視する特別監察官とは異なり、第2付属室は支援が主な業務だ。政務・戦略・企画・政策・広報の面を網羅する。専門的なサポートを受ければ、大統領夫人は疎外階層の支援のような活動をすることもできる。マイナスを少しずつ埋め合わせるかもしれない。

カン・ジュアン/論説委員



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