◆複雑な言語では勝てない
先月下旬、新政権で初めて長官・次官ワークショップが開かれた。この席で尹錫悦政権の政策方向を集約的に表現できる「政策ブランド」が必要だという意見が出てきたという。歴代のすべての政権は代表的な政策ブランドがあった。「新韓国創造」(金泳三)、「第2建国」(金大中)、「政府革新」(盧武鉉)、「緑色成長」(李明博)、「創造経済」(朴槿恵)、「所得主導成長」(文在寅)などだ。現政権も「再び飛躍する大韓民国、共に良い暮らしをする国民の国」という国政ビジョンがある。しかしあまりにも長く、方向性もあいまいだ。インパクトがない。
キャッチフレーズが必要なのかという指摘もある。官冶のにおいがするだけでなく、政策の誤謬を粉飾する道具になるということだ。「緑色成長」は建設資本の利益が結託したという疑いをかけられ、「創造経済」は「いったい創造とは何か」という疑問を絶えず、「所得主導成長」は所得と成長の順序が入れ替わったという批判を受けた。
しかしキャッチフレーズには長所がある。国政方向を明確に伝達する。政権の時代精神を込めた一言が支持層を結集する求心点になったりする。文在寅政権の「所得主導成長」ブランドを見てみよう。ケインズ経済学の一つの分岐の「賃金主導成長論」から借用した用語だ。ここには保守の専有物だった「供給経済」フレームを変える必要性、自営業者が多い韓国の現実上「賃金」を前に出すのは難しいという悩み、支持の外縁拡大のためには「成長」を結びつけるべきという計算などが複合的に込められている。もちろん「所得主導成長」は結果が希望を裏切りながら嘲弄や遺憾として残った。しかし文在寅政権の政策目標を圧縮して伝達したという点で、ブランドそのものの効用は否認しがたい。
◆政策のターゲットが明確であるべき
「スター長官になれ」という尹大統領の注文のため、長官がメディアのヘッドラインになるほどのイベントに没頭するという話が官界で広まっている。大統領の関心である半導体産業をめぐり産業部と教育部がそれぞれ支援案と人材育成案を競争的に出した。部処間の協業を通じて体系的かつ一貫性のある政策が出てきても足りない時に、チームプレーどころか各個の戦闘が目出つ。
経済の暗雲が広がり、尹大統領は民生によく言及する。民生という言葉は漠然としていてあいまいだ。貧困層も「民」であり、中産層も「民」であり、さらに富裕層も「民」だ。政策のターゲットが誰に向かうのか明確であってこそ支持も受け、効果も生じる。大統領が出勤前にする即席問答も回数を減らすなど改善策を考えなければいけない。その都度イシューに臨機応変に向き合えば手当たりしだいの着手となる。精製された言語で総合的な国政方向を説明して見せるイベントも時には必要だ。
政治は政策を通じて具現される。政治がまともに作動するためには、政策がどんな脈絡と哲学から出てきたかを国民に知らせる意思疎通の技術が要求される。一種のストーリーテリングだ。今からでも、あわただしく動くのではなく、統治哲学を振り返って整える省察の時間を持たなければいけない。政策の乱脈が野党と反対勢力の「フレーム争い」のためだという認識では答えは出にくいだろう。
イ・ヒョンサン/中央日報コラムニスト
【コラム】「尹錫悦政府はどこを見ているのか」から答えるべき(1)
先月下旬、新政権で初めて長官・次官ワークショップが開かれた。この席で尹錫悦政権の政策方向を集約的に表現できる「政策ブランド」が必要だという意見が出てきたという。歴代のすべての政権は代表的な政策ブランドがあった。「新韓国創造」(金泳三)、「第2建国」(金大中)、「政府革新」(盧武鉉)、「緑色成長」(李明博)、「創造経済」(朴槿恵)、「所得主導成長」(文在寅)などだ。現政権も「再び飛躍する大韓民国、共に良い暮らしをする国民の国」という国政ビジョンがある。しかしあまりにも長く、方向性もあいまいだ。インパクトがない。
キャッチフレーズが必要なのかという指摘もある。官冶のにおいがするだけでなく、政策の誤謬を粉飾する道具になるということだ。「緑色成長」は建設資本の利益が結託したという疑いをかけられ、「創造経済」は「いったい創造とは何か」という疑問を絶えず、「所得主導成長」は所得と成長の順序が入れ替わったという批判を受けた。
しかしキャッチフレーズには長所がある。国政方向を明確に伝達する。政権の時代精神を込めた一言が支持層を結集する求心点になったりする。文在寅政権の「所得主導成長」ブランドを見てみよう。ケインズ経済学の一つの分岐の「賃金主導成長論」から借用した用語だ。ここには保守の専有物だった「供給経済」フレームを変える必要性、自営業者が多い韓国の現実上「賃金」を前に出すのは難しいという悩み、支持の外縁拡大のためには「成長」を結びつけるべきという計算などが複合的に込められている。もちろん「所得主導成長」は結果が希望を裏切りながら嘲弄や遺憾として残った。しかし文在寅政権の政策目標を圧縮して伝達したという点で、ブランドそのものの効用は否認しがたい。
◆政策のターゲットが明確であるべき
「スター長官になれ」という尹大統領の注文のため、長官がメディアのヘッドラインになるほどのイベントに没頭するという話が官界で広まっている。大統領の関心である半導体産業をめぐり産業部と教育部がそれぞれ支援案と人材育成案を競争的に出した。部処間の協業を通じて体系的かつ一貫性のある政策が出てきても足りない時に、チームプレーどころか各個の戦闘が目出つ。
経済の暗雲が広がり、尹大統領は民生によく言及する。民生という言葉は漠然としていてあいまいだ。貧困層も「民」であり、中産層も「民」であり、さらに富裕層も「民」だ。政策のターゲットが誰に向かうのか明確であってこそ支持も受け、効果も生じる。大統領が出勤前にする即席問答も回数を減らすなど改善策を考えなければいけない。その都度イシューに臨機応変に向き合えば手当たりしだいの着手となる。精製された言語で総合的な国政方向を説明して見せるイベントも時には必要だ。
政治は政策を通じて具現される。政治がまともに作動するためには、政策がどんな脈絡と哲学から出てきたかを国民に知らせる意思疎通の技術が要求される。一種のストーリーテリングだ。今からでも、あわただしく動くのではなく、統治哲学を振り返って整える省察の時間を持たなければいけない。政策の乱脈が野党と反対勢力の「フレーム争い」のためだという認識では答えは出にくいだろう。
イ・ヒョンサン/中央日報コラムニスト
【コラム】「尹錫悦政府はどこを見ているのか」から答えるべき(1)
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