2019年4月9日、青瓦台本館で開かれた閣議前に開かれた歓談会で鄭義溶国家安保室長(右)と金錬鉄統一部長官(いずれも当時)が対話をしている。[写真 青瓦台写真記者団]
◇「北=外国に準ずる」鄭元室長支える憲法裁判所判例
4日の法曹界によると、先月被告発人の1人である鄭元室長は「大法院(最高裁)と憲法裁判所では北朝鮮や北朝鮮住民に対し外国や外国人の地位に準じて個別法を適用できると判示したことがある。非政治的な重大犯罪者は国際法上でも難民とみなされない」と話した。裁判所の判例上、脱北船員は外国人とみることができ、彼らが船上で16人を殺害したので難民認定を制限(難民法第19条第3項)したり、保護せず(北朝鮮離脱住民法第9条)事実上追放する根拠も十分だという説明だ。
こうした判断は2005年6月に「旧外国為替取引法第27条第1項第8号など違憲訴願」に対する憲法裁判所の決定に基づいた。憲法裁判所は当時外国為替取引法第15条第3項の内容のうち、北朝鮮住民や団体が居住者や非居住者に該当するかを判断しながら「個別法律の適用ないし準用においては南北の特殊関係的性格を考慮して北朝鮮地域を外国に準ずる地域、北朝鮮住民などを外国人に準ずる地位にある者と規定できるとだろう」とした。
◇「判例解釈の誤り…北朝鮮住民は韓国国民なのは明確」
しかし告発人である北朝鮮人権情報センター側は鄭元室長がこの判例を間違って解釈したと主張している。憲法裁判所はこの判例で「北朝鮮住民らを外国人に準ずる地位と規定できる」としながらも「韓国の憲法が『大韓民国の領土は韓半島とその付属島しょとする』という領土条項(第3条)を置いている以上、大韓民国憲法は北朝鮮地域を含んだ韓半島全体にその効力が及び、したがって北朝鮮地域は当然韓国領土になるため、北朝鮮を法で定める『外国』に、北朝鮮の住民または法人などを『非居住者』と認めるのは難しい」という但し書きを付けたためだ。
告発人側は「憲法裁判所は『北朝鮮住民=外国人』と明確に規定していない。適用することもできない判例を引用し、これさえも内容と趣旨を歪曲して脱北漁民を強制送還した」と批判した。告発人側であるユン・スンヒョン弁護士はむしろ1996年11月に宣告された大法院判例を挙げ、「(大法院が)北朝鮮住民も韓国国民であることを明確に明らかにした」として被告発人側の主張に反論した。韓国国民を北朝鮮に強制追放したり韓国国内で裁判を受けられないようにできないという主張だ。
韓国前外交部長官「脱北者は外国人」に「とんでもない解釈」…判例めぐる争い過熱(2)
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