ペロシ下院議長(中央)が1991年に中国・北京の天安門広場で「民主のために亡くなった人たちに捧げる」という1989年天安門事件の犠牲者を賛えるプラカードを掲げて抗議している。[ツイッター キャプチャー]
ペロシ議長は「きょう議会代表団のインド太平洋歴訪で地域内の同盟と友人に対する米国の強力で揺らがない確約を再確認する。シンガポール、マレーシア、韓国、日本で代表団は高官級会談を持ち共有する利益と価値を増進する案を議論する」と話した。訪問団にはミークス下院外交委員長、タカノ下院退役軍人委員長、デルベネ下院議員ら議員6人が参加する。前日の記者会見までペロシ議長は「非常にエキサイティングだ」としながらも、安全を理由に全体の行程は公開しなかった。
中国人民解放軍創設95周年記念日を翌日に控えた先月31日、中国メディア澎湃はペロシ議長のアジア歴訪発表を伝えながら「中国・台湾地域に言及しなかった」と強調した。だがワシントンポストのコラムニスト、ジョシュ・ロギン氏は先月29日に自身のツイッターに「外交消息筋が私に来週ペロシ議長の台湾訪問が期待されるとしアジア歴訪序盤に行われるだろうと話した」と公開した。
中国はペロシ議長が乗った航空機の迎撃をほのめかした。環球時報元編集長の胡錫進氏は29日に自身の英文ツイッターに「もし米国の戦闘機がペロシを護衛して台湾に進入するならばこれは侵入。人民解放軍はペロシの航空機と米国の戦闘機に警告射撃と遮断戦術機動を含め強制的に追い出す権利がある。もし効果がないならば撃墜することもできる」と威嚇した。
胡氏の「撃墜」ツイートが知らされると、米フォックスTVはすぐホワイトハウスに米国の立場を問い波紋が大きくなった。すると30日に胡氏は個人のウェイボー(中国版ツイッター)に自身のツイッターアカウントが遮断されたとして「軒下では頭を下げるほかない。ツイートを削除して自身のツイッターアカウント封鎖を解決した」と主張した。ロイター通信はツイッター側に胡氏のアカウント遮断について質問したが回答はなかったと報道した。
胡氏は2020年にも環球時報の社説に「米国の軍用機が台湾に離着陸するならば台湾海峡の戦争はその時始まる」と威嚇したが、2021年にワクチンと議員を乗せた米軍用機が数回台北・松山空港に離着陸すると「台湾当局が米国上院議員というわらをもつかんだ」と言葉を変えた先例がある。
1940年生まれのペロシ議長は1991年に同僚議員らとともに中国・天安門広場を訪れ、「民主のために亡くなった人たちに捧げる」と英語と中国語で書いた黒いプラカードを掲げてデモを行ったりもした。当時ペロシ議長ら一行が中国公安に阻止される映像が最近再びツイッターを通じて広がっており、ペロシ議長と中国の「悪縁」が注目されている。
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