昨年２月にクーデターで執権したミャンマー軍部がアウン・サン・スー・チー元国家顧問の側近であり有名なヒップホップ歌手のピョーゼヤトー元下院議員（４１）の死刑を執行した。

米国ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）などによると、軍部は２３日、ピョーゼヤトー氏、小説家で市民運動家のチョーミンユ氏（５３）、一般人２人など合計４人を処刑した。ミャンマーの政治犯死刑執行は１９７６年以降４６年ぶりだ。一般刑事犯の死刑執行は１９９０年まで行われていた。

ピョーゼヤトー氏は「ミャンマーヒップホップ第１世代」だ。１９歳だった２０００年に４人組ヒップホップグループ「アシッド」でデビューし、すぐにスターの仲間入りを果たした。独裁を糾弾した歌詞が若いミャンマー人の怒りと絶望を表現しているという好評を受けていた。


２００７年反政府デモ「サフラン革命」が始まると、ピョーゼヤトー氏はまた別のグループ「ジェネレーションウェーブ」を結成して民主化運動に乗り出した。軍部のインターネットアクセス制限を避けて黒の表紙でカバーしたＣＤに曲を収録してカフェなどに配り、独裁を批判した。これによって２００８年不法団体組織容疑で逮捕され、３年後に釈放された。

ピョーゼヤトー氏は２０１２年の総選挙でスー・チー氏が率いる民主主義民族同盟（ＮＬＤ）所属で出馬して当選した。スー・チー氏が２０１５年に執権した後は、その海外歴訪にほぼ同行するなど最側近として活躍した。

２６日、韓国外交部は日本や米国、英国などと共に外交長官名義の共同声明を発表して「今回の死刑執行はミャンマー軍政による人権と法の支配の軽視をさらに例証する、非難されるべき暴力行為だ」と糾弾した。