ファッション業界でも中国企業の進出が増加している。アディダスやプーマに続き先月末にナイキがロシア市場からの撤退を宣言し、現在ロシア市場では西側のスポーツブランドが事実上皆無の状況だ。こうした中、中国のスポーツブランドのリーニンは４－６月期にロシア南部の都市クラスノダールに初めてスポーツショップをオープンしロシア市場への進出を公式化した。リーニンは今後モスクワとサンクトペテルブルクなどに１５～２０店を追加で開設する計画だ。ロシアメディアのコメルサントは「西側スポーツブランドが抜けた穴はアンタスポーツとリーニンなど中国ブランドが埋めるだろう。ファッションを超え中国の技術企業がロシア市場の９０％を掌握することになるだろう」と予想する。

◇中国のおかげで持ちこたえるロシア…経済共生する両国

こうした動きは最近ロシアと中国が経済的に共生していることを示している。国際金融センターが最近まとめた「ロシア経済の相対的善戦と示唆点」と題する報告書によるとロシアの今年の経常収支黒字は５月までで１１０３億ドルとなり前年同期より３．５倍に増えた。対ドルでルーブル相場はウクライナ侵攻後にむしろ２８％上がり、同じ期間の新興国の通貨上昇率７．４％より高かった。国際金融センターのナム・ギョンオク副専門委員は「こうした指標は西側の制裁にもロシアの経済は大きな打撃を受けていないことを示している。対ロシア制裁に参加していない中国の支援が代表的要因のひとつ」と指摘した。実際に中国は制裁で販売ルートが閉ざされたロシア産原油の輸入量をウクライナ侵攻前の１日平均６５万バレルから先月には１１０万バレルに増やした。


製造業の貿易でも両国の利害関係が合致した。仁荷（インハ）大学国際通商学科のチョン・インギョ教授は「製造業基盤が弱いロシアは代表的な消費財輸入国。ほとんどの西側企業が撤退した上に制裁が長引き中国は唯一消費財商品を供給できる所になった」と話した。チョン教授は「米中対立の中で輸出市場の確保が容易でなくなった中国としても自国ブランドの海外進出舞台としてロシアは魅力的」と分析した。

ただし両国の同行が今後強固になるかは疑問だ。中国は自国企業が西側の対ロシア制裁に違反して海外事業に支障を受けないかを心配する。中国海関総署によると、先月の中国の対ロシア輸出は６７億３０００万ドルで前年同期より１７％減少し、４月から３カ月連続でマイナス成長を記録した。ＣＮＮは「中国は西側が制裁物品として遮断した先端技術品目がロシアに流れて行くことに気を付けている。このためＩＴ企業を中心にロシアへの輸出を減らしている」と伝えた。ロシアも５月から第三国を通した並行輸入を許容し、中国以外の西側企業の製品輸入を再び増やす動きを見せている。


サムスンが去った穴をシャオミが埋めた…西側企業のいないロシアを掌握した中国（１）