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「外貨準備高急減を懸念、当局介入は危機として映ることも」...韓国、通貨スワップは可能か(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

延世大の金正シク(キム・ジョンシク)経済学部名誉教授

「物価を抑えようとして通貨危機を迎えれば経済を失う」。

延世大の金正シク(キム・ジョンシク)経済学部名誉教授(元韓国経済学会長)は、最近1ドル=1300ウォン台までウォン安ドル高が進んで「為替レート防御」が議論されていることについて「人為的に抑えた為替レートは、ある瞬間にジャンプして通貨危機を呼ぶこともある」と主張した。

今年の外国為替市場初日(1月3日)に1ドル=1193ウォンでスタートしたウォン・ドル為替レートは15日には取引場で1ドル=1320ウォン台となった。13年ぶりのウォン安ドル高だ。1ドル=1300ウォン台のウォン安ドル高に「経済危機の始まり」という懸念が強まっているが、金教授はむしろ「ニューノーマル」に近いとみている。「昨年は貿易黒字であり、資本流出の心配も少なかったが、1年間に大きく変わった。韓国の基礎体力(ファンダメンタルズ)が大きく落ちたため、ウォン安ドル高になるのは普通だ」と語った。今は為替レートを防御するよりも輸出活性化に重点を置くべきという提言だ。


金教授は「1997年の通貨危機、2008年のグローバル金融危機」の影を思い出している。米国の利上げと円安は過去に危機を招いた時期と似ている。政策運用体系がまだ定着していない政権交代期という点もそうだ。金教授は「すでに為替レート戦争が始まった。物価安定に焦点を置いた為替レートおよび金利政策は『戦時状況』では変わらなければいけない」と話した。

--通貨危機が懸念されるほど深刻な状況か。

「米国が短期間(1-2年)に金利を3%以上引き上げた場合、韓国は例外なく危機を迎えた。1997年の通貨危機、2008年のグローバル金融危機の直前だ。下半期に米国が利上げをすれば、新興国全体が危機を迎える可能性が高い。さらに深刻な問題は、韓国経済の基礎体力が弱まっている点だ。最近は貿易収支が赤字に転換した。28年ぶりの衝撃だ。不動産など資産価格バブルのほか、賃金引き上げで輸出競争力も落ちている。資本の流出が起きやすい条件だ。さらに労使紛糾までが生じれば通貨危機に入る可能性が高まる」

--最近は外貨準備高が減少している。

「6月末基準で韓国の外貨準備高は4382億8000万ドルだ。2008年のグローバル金融危機当時の2005億ドルと比較すると倍以上も多い。しかし外国人の株式投資の比率が高く、安全保障リスクも高い国なので、外部の衝撃を防ぐのに十分な水準とは見なしがたい。特に最近は外貨準備高が減少している点が心配だ。昨年10月に比べて310億ドル減少したが、当局がウォン安を防ごうと為替市場に介入したためとみられる。下半期には米国の金利がさらに高まるとみられ、このような形で介入すればまた数百億ドルが減少することになる。これを外国は通貨危機のシグナルと見なすかもしれない。韓国経済がさらに不安定になる要因になるはずだ」

--適正為替レートはどの程度で見るか。

「韓国のファンダメンタルズをまともに反映すれば、今よりもウォン安ドル高になる可能性が高い。適正為替レートは貿易収支を赤字にしない水準でなければいけない。わが国のファンダメンタルズが悪化した中でウォン安ドル高を無理に防ごうとしても、それはできることではない。もし(適正為替レートではないが)1ドル=1300ウォン水準に抑えていれば韓国の輸出は減少し、貿易赤字によってウォン安ドル高がさらに進む可能性がある。当局が為替市場に過度に介入するのは望ましくない」

--なら為替レート政策はどうすべきなのか。

「政府が財政健全性の悪化にもかかわらず通貨危機を迎えないのは、貿易黒字と韓米通貨スワップが維持されたからだ。現時点ではこのような安全弁がない。米国の利上げの時期には、輸出増大と貿易収支の黒字転換に焦点を合わせるべきだろう。その間、物価安定に重心を置いていたパラダイムは変わらなければいけない。5月から対中貿易収支は赤字に転じた。5月に11億ドル、6月には12億1000ドルの赤字となり、今後も赤字が続く可能性が高い。過去に日本が韓国に主要産業を譲り渡して「20年の景気沈滞」に入ったように、韓国も中国に劣勢になっている。その国の見通しが暗いと見なされれば、外国資本は投資資金を一度に抜くこともある。米国との通貨スワップを通じて為替市場の安全弁も用意しなければいけない」


「外貨準備高急減を懸念、当局介入は危機として映ることも」...韓国、通貨スワップは可能か(2)

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