その足跡の中で特に代表なものが日本・米国・オーストラリア・インド間の安保協議体「QUAD=クアッド」の設立とインド太平洋概念の確立だ。安倍氏の死後にマシュー・ポッティンジャー元ホワイトハウス国家安保副補佐官が米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の寄稿で説明したように、安倍氏はアジア太平洋を見つめるフレームを「ズームアウト」してさらに大きい概念で見ようとしていた。中国の台頭を牽制(けんせい)し、地域安保秩序に「自由民主主義勢力」の連帯を引き込む構想だ。「武力や強要から自由で、自由・法治主義・市場経済を重視して繁栄する」(2016年安倍氏発言)地域をインド太平洋フレームでまとめようという発想は、ワシントンのアジアの地政学に対する見る目を変えさせた。
韓国でも最近、QUADおよびNATO(北大西洋条約機構)協力という外交懸案の中で、このようなフレームの理解がこれほど高まった時はない。それでも安倍氏に対する韓国人一般の評価は厳しいほうだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が安倍氏の焼香所を弔問して「アジアの繁栄と発展のために献身した」と残した追慕文さえ、一部からは後ろ指をさされる。至難の韓日歴史関係をさて置いても、安倍氏自身が靖国神社参拝、慰安婦認識、歴史教科書改正などで周辺国と緊張関係を作り出した責任を免じることはできない。インド太平洋にしてもQUADにしても、安倍氏の構想は日本の地理的宿命を出発点にしている。
韓国でも最近、QUADおよびNATO(北大西洋条約機構)協力という外交懸案の中で、このようなフレームの理解がこれほど高まった時はない。それでも安倍氏に対する韓国人一般の評価は厳しいほうだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が安倍氏の焼香所を弔問して「アジアの繁栄と発展のために献身した」と残した追慕文さえ、一部からは後ろ指をさされる。至難の韓日歴史関係をさて置いても、安倍氏自身が靖国神社参拝、慰安婦認識、歴史教科書改正などで周辺国と緊張関係を作り出した責任を免じることはできない。インド太平洋にしてもQUADにしても、安倍氏の構想は日本の地理的宿命を出発点にしている。
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