5日、米ハワイの真珠湾に韓国海軍の大型輸送艦「馬羅島」(右)と米海軍原子力空母「エイブラハム・リンカーン」が並んで停泊している。キム・サンジン記者
5日、米国のインド太平洋戦略の核心基地であるハワイ・ホノルルの真珠湾では米国が主導する地球上最大規模の隔年制海上合同演習である環太平洋合同演習(リムパック)の真っ最中だった。26カ国から集まった艦艇38隻と潜水艦4隻などが静中動の作戦を広げた。
停泊した状態で装備を最終点検し模擬訓練に出るなどそれぞれ慌ただしかった。リムパックだけでなく昨年の戦力化以降遠洋訓練に初めて参加する馬羅島の甲板には「MV22」という白い文字が記されていた。
今回の訓練で米海兵隊の多目的垂直離着陸機のMV22オスプレイ2機が離着艦する位置を意味した。オスプレイは最大30人の武装兵力を乗せて上陸作戦などに投入される機種で、航続距離は1800キロメートルに達する。
馬羅島の後には米海軍の強襲揚陸艦で遠征打撃軍の指揮艦「エセックス」(4万500トン)が見えた。馬羅島とエセックスはリムパックの画竜点睛といえる多国籍合同遠征強襲訓練を率いる艦艇だ。
◇米中対立の中で新たな訓練導入
この日午後2時ごろ、エセックスの士官室では初めての遠征打撃群会議が開かれた。韓国海軍としては初めて遠征打撃群長を務めることになったアン・サンミン少将(リムパック戦団長、現海軍士官学校長)とウェイン・ベイズ米海軍第3遠征打撃群長をはじめ今回の訓練に参加する8カ国の指揮官ら50人ほどが熱を帯びた討議を行った。
上陸機動訓練と海上戦闘など本格的な海上訓練に先立ちそれぞれの役割を確認する席でもあった。特に今回のリムパックでは遠征前進基地作戦(EABO)の概念が初めて導入された。
米軍は米中対立が激化する中で台湾有事などに備えてこうした作戦を最近構想した。敵に奪われた島を奪還するのに先立ち一種の橋頭堡を確保することが作戦の核心だ。大規模合同演習で同じ名称の作戦をテストするのは今回が初めてだ。
ただ関係者らはこうした訓練の性格に対しては言葉を控えた。遠征強襲訓練を総指揮するアン少将は「訓練名称でわかるようにリムパックは環太平洋、すなわち太平洋沿岸国の海上交通路を確保し保護することに主眼を置いている。特定国や特定対象を念頭においてする訓練ではない」と話した。
しかし1971年から半世紀を超えるリムパックの歴史で今回の訓練に過去最大規模の戦力が参加したのを偶然と見ることはできない。ロシアのウクライナ侵攻が続いており、中国は最近空母3隻体制となり海軍力を急激に引き上げている。
<リムパック>真珠湾埋める26カ国の艦艇…過去最大規模で派遣した韓国海軍の威容(2)
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