脱原発の余波は韓国型原発の輸出の道もふさいだ。脱原発による原発産業生態系の萎縮が原発を輸入しようという国にもマイナスのイメージを与えたからだ。原発輸出に積極的な尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は政府全体レベルの組織と韓米原発同盟を基礎に輸出活性化に積極的に取り組む方針だ。ただ、韓国と米国の利害関係が異なるため主導権の適切な配分が優先されるべきだという指摘が出ている。
◆脱原発5年間、海外受注はゼロ
産業通商資源部と韓国水力原子力は20日、文在寅(ムン・ジェイン)政権の5年間に韓国が主導する海外原発事業の受注は1件もなかったと明らかにした。英ムーアサイド原発は、優先交渉対象者だった韓国電力が受注条件に合わないという理由で2018年8月に交渉から抜けた。韓国が施工を担当したアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原発は2018年11月に運営権の一部がフランスに奪われた。さらに朗報を伝えたエジプトのエルダバ原発はロシアがすでに受注した主要機器など核心の1次系統を除いた2次系統事業であり限界があるという評価だ。
専門家は原発輸出の不振に文政権の脱原発政策が影響を及ぼしたとみている。原発は建設だけをするのではなく運営と維持管理まで50-100年間の長期事業だ。このために技術移転と管理能力を長く維持することが重要となる。脱原発で原発産業の生態系が崩れている状況が輸入国には不安要素として映るしかない。朱漢奎(チュ・ハンギュ)ソウル大核工学科教授は「米国は原発産業界が崩れて部品調達費用などが急激に上がり、競争力を失った」とし「産業生態系を萎縮させる韓国の脱原発政策は、輸入国の立場でよく見えるはずがない」と説明した。
◆原発「国家代表」 輸出の突破口を開く
政府の消極的な態度も無関係でないという批判が出ている。原発輸出は国家対抗戦と呼ばれるほど、経済・外交的力量が求められる。しかし原発に否定的だった文政権では原発関連部処と機関の一部を除いては原発輸出に積極的に参加しなかった。
原発10基の輸出を掲げる尹錫悦政権は、過去とは違って政府が参加する「原発輸出戦略企画団」を置いて受注戦をするという構想だ。最近、政府は「原発輸出戦略企画準備団」を構成したが、企画財政部・外交部・防衛事業庁など原発と直接関係がない組織までが参加して目を引いた。原発輸出のための一種の「国家代表」組織だ。
産業部の関係者は「複数の部処と機関が参加するのは、過去とは違って原発輸出に国家全体の力量を総動員するという意味」と伝えた。例えば2008年のUAEバラカ原発輸出事例にもみられるように、原発輸入国は原発以外に外交・軍事的支援を追加で望む場合が多い。実際、韓国政府が最近、原発の輸出に注力しているチェコとポーランドは、韓国との防衛産業協力を望んでいるところだ。
慶煕大のチョン・ボムジン原子力工学科教授は「原発輸出は一言でいうと大統領のビジネスだが、金融・外交・文化・教育・軍事など多方面の協力が必須」とし「政府が政府全体レベルの組織を設置することにしただけに、大統領が主導して民間も参加する組織を作り、原発の輸出に積極的に取り組まなければいけない」と述べた。
◆「原発同盟」は諸刃の剣
政府は輸出対応の政府組織のほかにも、韓米首脳会談で議論された原発同盟を輸出活性化に活用する方針だ。原発輸出1位だったロシアが最近の戦争で競争力が弱まっただけに、韓米原発同盟の効果をさらに最大化できる。特に輸出で重要な外交力を米国との同盟を通じて解決できるという分析だ。最近、市場が本格的に開かれている東欧は、米国が影響力を及ぼすことができる地域だ。
韓国が米国と同盟を結び、受注競争相手がフランスの1つになった点もプラスだ。ただ、主導権をめぐる両国の適切な合意がなければいけない。米国が自国の原発を輸出するのに韓国が建設・製作だけに参加する構造なら、韓国が独立的に原発受注戦に参入する方がよい場合もある。
SMR(小型モジュール原発)のような次世代原発技術確保と商用化にも米国との同盟をうまく活用する必要がある。SMRは世界的に米国だけが唯一、商用化に近づいたという評価を受けている。韓国が今回の原発同盟を通じて独自のSMR商用化に成功する場合、未来の原発輸出市場でも主導権を握ることができる。
◆脱原発5年間、海外受注はゼロ
産業通商資源部と韓国水力原子力は20日、文在寅(ムン・ジェイン)政権の5年間に韓国が主導する海外原発事業の受注は1件もなかったと明らかにした。英ムーアサイド原発は、優先交渉対象者だった韓国電力が受注条件に合わないという理由で2018年8月に交渉から抜けた。韓国が施工を担当したアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原発は2018年11月に運営権の一部がフランスに奪われた。さらに朗報を伝えたエジプトのエルダバ原発はロシアがすでに受注した主要機器など核心の1次系統を除いた2次系統事業であり限界があるという評価だ。
専門家は原発輸出の不振に文政権の脱原発政策が影響を及ぼしたとみている。原発は建設だけをするのではなく運営と維持管理まで50-100年間の長期事業だ。このために技術移転と管理能力を長く維持することが重要となる。脱原発で原発産業の生態系が崩れている状況が輸入国には不安要素として映るしかない。朱漢奎(チュ・ハンギュ)ソウル大核工学科教授は「米国は原発産業界が崩れて部品調達費用などが急激に上がり、競争力を失った」とし「産業生態系を萎縮させる韓国の脱原発政策は、輸入国の立場でよく見えるはずがない」と説明した。
◆原発「国家代表」 輸出の突破口を開く
政府の消極的な態度も無関係でないという批判が出ている。原発輸出は国家対抗戦と呼ばれるほど、経済・外交的力量が求められる。しかし原発に否定的だった文政権では原発関連部処と機関の一部を除いては原発輸出に積極的に参加しなかった。
原発10基の輸出を掲げる尹錫悦政権は、過去とは違って政府が参加する「原発輸出戦略企画団」を置いて受注戦をするという構想だ。最近、政府は「原発輸出戦略企画準備団」を構成したが、企画財政部・外交部・防衛事業庁など原発と直接関係がない組織までが参加して目を引いた。原発輸出のための一種の「国家代表」組織だ。
産業部の関係者は「複数の部処と機関が参加するのは、過去とは違って原発輸出に国家全体の力量を総動員するという意味」と伝えた。例えば2008年のUAEバラカ原発輸出事例にもみられるように、原発輸入国は原発以外に外交・軍事的支援を追加で望む場合が多い。実際、韓国政府が最近、原発の輸出に注力しているチェコとポーランドは、韓国との防衛産業協力を望んでいるところだ。
慶煕大のチョン・ボムジン原子力工学科教授は「原発輸出は一言でいうと大統領のビジネスだが、金融・外交・文化・教育・軍事など多方面の協力が必須」とし「政府が政府全体レベルの組織を設置することにしただけに、大統領が主導して民間も参加する組織を作り、原発の輸出に積極的に取り組まなければいけない」と述べた。
◆「原発同盟」は諸刃の剣
政府は輸出対応の政府組織のほかにも、韓米首脳会談で議論された原発同盟を輸出活性化に活用する方針だ。原発輸出1位だったロシアが最近の戦争で競争力が弱まっただけに、韓米原発同盟の効果をさらに最大化できる。特に輸出で重要な外交力を米国との同盟を通じて解決できるという分析だ。最近、市場が本格的に開かれている東欧は、米国が影響力を及ぼすことができる地域だ。
韓国が米国と同盟を結び、受注競争相手がフランスの1つになった点もプラスだ。ただ、主導権をめぐる両国の適切な合意がなければいけない。米国が自国の原発を輸出するのに韓国が建設・製作だけに参加する構造なら、韓国が独立的に原発受注戦に参入する方がよい場合もある。
SMR(小型モジュール原発)のような次世代原発技術確保と商用化にも米国との同盟をうまく活用する必要がある。SMRは世界的に米国だけが唯一、商用化に近づいたという評価を受けている。韓国が今回の原発同盟を通じて独自のSMR商用化に成功する場合、未来の原発輸出市場でも主導権を握ることができる。
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