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脱原発を5年叫んだ文政権「原発が主力」…「すでに協力会社は倒産」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

新古里(シンゴリ)原発3・4号機の全景。[写真 韓国水力原子力]

「原子力発電所が主力」という文在寅(ムン・ジェイン)大統領の25日の発言が論議を呼んでいる。「原発中心の発電政策を廃止する」という5年前の脱原発宣言とは強調した点が異なるからだ。これに対し原子力専門家の間では原油高で原発の必要性が浮上した状況で出てきた「責任回避」性の発言という批判が出ている。

文大統領は青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)で25日に開催された「グローバルエネルギーサプライチェーン懸案点検会議」で「原発が持続的に運営される今後60年間は原発を主力基底電源として十分に活用すべき」と明らかにした。「原発を輸出するのはあまりにも当然だ」「原発における世界的な先導技術を確保することが重要だ」などと、原発の重要性を強調する発言を繰り返した。基底電源とは生産単価が安く常に稼働する発電所をいう。就任初期の2017年6月19日、文大統領は古里(コリ)1号機の永久停止宣言式に出席し、「原発政策を全面的に再検討し、原発中心の発電政策を廃止し、脱核時代に進む」と宣言した。「準備中の新規原発建設計画を全面白紙化し、原発の設計寿命を延長しない。脱原発は逆らえない時代の流れ」とも述べた。

これに対し野党は批判の声を高めた。最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領候補は26日、フェイスブックで「過去5年間の脱原発政策をひっくり返し、今後60年間は原発が主力だと言って立場を変えた」とし「政権の誤った判断で無駄な歳月を送った」と指摘した。


原子力学界の反応も似ている。政府が原発建設と運営日程を遅らせながら、今になって違う声を出すという批判が出ている。文大統領が「短い期間内に正常稼働」を注文した新ハンウル1・2号機、新古里(シンゴリ)5・6号機についても同じだ。

2011年に建設許可を受けた新ハンウル1・2号機(1号機は現在試運転中)はもともと2017年4月と2018年4月に商業運転に入るのが目標だった。しかし1号機は今年3月に、2号機は来年3月に、商業運転稼働時点がそれぞれ59カ月延期された。原発計測制御統合システム(MMIS)の納期が遅れて日程に支障が生じ、文在寅政権に入って資機材品質の強化、慶州(キョンジュ)地震関連敷地の安全性評価などの理由でまた遅れた。特に新ハンウル1号機は2020年の運営許可要請にもかかわらず、原子力安全委員会が飛行機衝突危険などを理由に許可を遅らせた。

新古里5・6号機も昨年10月(5号機)と今年10月(6号機)に商業運転が始まる予定だった。しかし文在寅政権の脱原発政策で建設が一時中断し、公論化調査と耐震性能向上推進などで日程が29カ月遅れた。5号機は2024年3月、6号機は2025年3月の商業運転を目標に建設中だ。

◆産業部「従来の政府の政策基調を再確認した水準」

文大統領の発言に関連し、産業通商資源部側は「脱原発は2060年以降から本格的に進め、今は原発をそのまま活用するという政府の政策基調を再確認した発言」とし「両原発の建設および運営時点を繰り上げるなど政策の変化があるわけではない」と明らかにした。

しかし脱原発を叫んだ5年前とは状況が変わった。現在、新型コロナ拡大にロシアのウクライナ侵攻事態までが重なり、原発の重要性が再浮上している。韓国電力の場合、昨年5兆8601億ウォンにのぼる莫大な営業損失を出した。これも結局は国民の負担だ。

ソウル大の朱漢奎(チュ・ハンギュ)原子核工学科教授は「(文大統領は)大統領選挙を控えて実質的な変化がない責任回避性の発言だけをした」とし「ウクライナ事態などによるエネルギー危機は現在だが、2、3年後に稼働する原発の話をしても意味がない」と指摘した。また「原発建設の中断で仕事が減った協力会社の倒産、責任のない労働者の失職事態はすでに発生したことだ」と批判した。

文大統領の言葉のように原発が60年間主力基底電力源になる可能性があるかも問いただすべき点だ。60年は新たに建設される最新型原発の設計寿命を意味する。2030年までに設計寿命(30-40年)が終わる原発は古里2号機を含めて計10基。文在寅政権の脱原発政策は設計寿命を延ばさずに廃棄する方向だ。これら原発が順に稼働停止になれば、その分を別の発電源で埋める必要がある。米国では原発の寿命を延長して80年間使用したりする。

電力取引所の統計によると、今月基準で電力生産量の17.5%は原子力が担っている。ところが政府が昨年10月に発表した「炭素中立シナリオ」によると、2050年の電力需要で原発比率は6.1%(LNG発電完全中断)または7.2%(LNG発電一部維持)に落ちる。これを見ると、「原発が今後60年間基底主力電源」という文大統領の発言と一致しない。現政権の炭素中立シナリオ上、2050年なら再生可能エネルギーが60.1-70.7%の比率を占める主力電源となる。原発の追加建設や従来の原発寿命延長を決定しない限り、原発が核心的な基底電源の役割をするのは難しい。

◆「主力基底電源にするには原発建設再開、寿命延長対策が必要」

ソウル科学技術大のユ・スンフン・エネルギー政策学科教授は「文大統領が正常稼働を述べた新ハンウル1・2号機、新古里(シンゴリ)5・6号機などはすでに進めてきたこと」とし「原発を主力基底電源にするという発言の趣旨に合わせるには、核心といえる新ハンウル3・4号機の建設再開、従来の原発寿命延長に言及すべきだが、そのようにしなかった」と指摘した。

原発政策を今後どう進めていくかは結局、次期政権の役割だ。尹錫悦候補は脱原発政策の廃止を公約に掲げた。中断した新ハンウル3・4号機の建設も再開する方針だ。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補は脱原発の代わりに「減原発」を強調した。新規の原発建設には否定的だが、新ハンウル3・4号機の工事中断については再検討するという立場だ。



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