7日、新任駐日本大使に尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長が指名された。昨年1月に赴任した姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使は近く韓国に帰任する。姜大使は1年半の在任期間中、首相や外相に一度も会えなかった。理由は何か。「竹槍歌」に代表される文在寅(ムン・ジェイン)政権の反日路線と領土紛争地域の北方領土(千島列島)を訪問した姜大使に対する個人的な不満がある。しかしそうだとしても日本政府のこうした対応は幼稚だった。近隣諸国が送った特命全権大使への姿勢ではなかった。我々は駐韓日本大使にそのように対応しなかった。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の発足をきっかけに日本国内の期待感は高まった。尹徳敏新大使に対する評価もよい。しかしこうした期待感は逆に本人には大きな負担となる。強制徴用者賠償問題など敏感な懸案に対する日本政府の強硬な立場は一つも変わっていないからだ。いや、歴史問題をめぐってはむしろ韓国・日本の攻守が入れ替わった。自民党議員らは公然と「韓国との歴史戦」という表現を使う。こうした状況で尹新大使が念頭に置くことを望むいくつかの点を提言してみる。
#1.飼いウサギより野ウサギに会う
日本国内にはいわゆる「親韓派」がいる。韓国関連の行事があるたびに決まって招待される政治家や市民団体だ。ありがたい存在だ。しかし反作用もある。このような形だ。鳩山由紀夫元首相は代表的な知韓派政治家だ。尹錫悦大統領の就任式にも出席した。日本の歴史反省を促し、各種懸案に「日本無限責任論」を主張する。我々の意向と一致する。韓国メディアも「日本の良心勢力」と称える。問題はそのブーメランだ。日本の主流政界で鳩山氏はアウトサイダーだ。鳩山氏が登場するほど日本国内の反韓ムードは強まる。言いにくい苦痛な話だが、これが現実だ。結局は強弱の調節となる。それで尹新大使は「楽な飼いウサギ」よりも「難しい野ウサギ」に多く会う必要がある。この人たちを説得し、そしてこの人たちの主張に耳を傾けなければいけない。それが今やるべきことだ。
#2.矛盾を認めよう
韓日間の懸案は矛盾だらけだ。韓国の司法府が判決した徴用者賠償問題を両国政府が解決しなければならない。「司法府の判決を尊重する」として「(司法府の権限の)現金化は望まない」と我々の口で話す。すべて矛盾だ。日本も変わらない。「国家安全保障上の理由」のために韓国に輸出規制を加えながら「韓米日の安保協力が重要だ」という。しかしお互い矛盾ばかりを浮き彫りにすれば何も解決しない。飛行機がそうだ。空気抵抗を減らすには車輪があってはいけない。しかし着陸するには欠かせない。この矛盾は飛行中には胴体に格納され、着陸する時にだけ車輪を出す形でうまく解決した。この矛盾のワナを解決するのに20年かかった。韓日関係も同じだ。相手の矛盾を排除するのではなく自分の矛盾と結びつけて新しい作品をつくり出す創意的な発想が求められる。
#3.日本の国民を味方に
その間、駐日韓国大使が日本で何をするのかを国民は知る方法がなかった。率直にいうと大使館も気にかけていなかった。ただ、日本国内の韓国特派員に頼んで韓国メディアに出すことに没頭した。日本から韓国を眺めた。今年1月に駐日米国大使として赴任したラーム・エマニュエル大使のケースを見てみよう。赴任後、エマニュエル大使のツイッターは日本外交関係者よりも一般の日本国民に話題になっている。フォロワーが10万人近い。ほとんど毎日更新する。軽いテーマだ。しかしニュースになる。このような形だ。「初めての横浜訪問。いつも通り時間に正確です。サスガ!」「ふかふかの座席がすごく気に入りました! 阪急電車、ハンキューベリーマッチ」「今夜は阪神タイガースの試合観戦です。大阪の野球ファンは最高です!」。
謹厳な学者出身の尹徳敏大使でもこのような感性外交をできないはずはない。期待してみる。
金玄基(キム・ヒョンギ)/巡回特派員兼東京総局長
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の発足をきっかけに日本国内の期待感は高まった。尹徳敏新大使に対する評価もよい。しかしこうした期待感は逆に本人には大きな負担となる。強制徴用者賠償問題など敏感な懸案に対する日本政府の強硬な立場は一つも変わっていないからだ。いや、歴史問題をめぐってはむしろ韓国・日本の攻守が入れ替わった。自民党議員らは公然と「韓国との歴史戦」という表現を使う。こうした状況で尹新大使が念頭に置くことを望むいくつかの点を提言してみる。
#1.飼いウサギより野ウサギに会う
日本国内にはいわゆる「親韓派」がいる。韓国関連の行事があるたびに決まって招待される政治家や市民団体だ。ありがたい存在だ。しかし反作用もある。このような形だ。鳩山由紀夫元首相は代表的な知韓派政治家だ。尹錫悦大統領の就任式にも出席した。日本の歴史反省を促し、各種懸案に「日本無限責任論」を主張する。我々の意向と一致する。韓国メディアも「日本の良心勢力」と称える。問題はそのブーメランだ。日本の主流政界で鳩山氏はアウトサイダーだ。鳩山氏が登場するほど日本国内の反韓ムードは強まる。言いにくい苦痛な話だが、これが現実だ。結局は強弱の調節となる。それで尹新大使は「楽な飼いウサギ」よりも「難しい野ウサギ」に多く会う必要がある。この人たちを説得し、そしてこの人たちの主張に耳を傾けなければいけない。それが今やるべきことだ。
#2.矛盾を認めよう
韓日間の懸案は矛盾だらけだ。韓国の司法府が判決した徴用者賠償問題を両国政府が解決しなければならない。「司法府の判決を尊重する」として「(司法府の権限の)現金化は望まない」と我々の口で話す。すべて矛盾だ。日本も変わらない。「国家安全保障上の理由」のために韓国に輸出規制を加えながら「韓米日の安保協力が重要だ」という。しかしお互い矛盾ばかりを浮き彫りにすれば何も解決しない。飛行機がそうだ。空気抵抗を減らすには車輪があってはいけない。しかし着陸するには欠かせない。この矛盾は飛行中には胴体に格納され、着陸する時にだけ車輪を出す形でうまく解決した。この矛盾のワナを解決するのに20年かかった。韓日関係も同じだ。相手の矛盾を排除するのではなく自分の矛盾と結びつけて新しい作品をつくり出す創意的な発想が求められる。
#3.日本の国民を味方に
その間、駐日韓国大使が日本で何をするのかを国民は知る方法がなかった。率直にいうと大使館も気にかけていなかった。ただ、日本国内の韓国特派員に頼んで韓国メディアに出すことに没頭した。日本から韓国を眺めた。今年1月に駐日米国大使として赴任したラーム・エマニュエル大使のケースを見てみよう。赴任後、エマニュエル大使のツイッターは日本外交関係者よりも一般の日本国民に話題になっている。フォロワーが10万人近い。ほとんど毎日更新する。軽いテーマだ。しかしニュースになる。このような形だ。「初めての横浜訪問。いつも通り時間に正確です。サスガ!」「ふかふかの座席がすごく気に入りました! 阪急電車、ハンキューベリーマッチ」「今夜は阪神タイガースの試合観戦です。大阪の野球ファンは最高です!」。
謹厳な学者出身の尹徳敏大使でもこのような感性外交をできないはずはない。期待してみる。
金玄基(キム・ヒョンギ)/巡回特派員兼東京総局長
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