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【コラム】境界地域が再び緊張…北朝鮮向けビラ、解決法はないのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

自由北朝鮮運動連合の4月末の北朝鮮向けビラ散布。[写真 自由北朝鮮運動連合]

「しばらく境界地域で北朝鮮へのビラ散布が行われず平穏だったが、北朝鮮へのビラ散布が再開されて不安です」

最近、ある脱北者団体が北朝鮮へのビラ散布を再開したことに続き、追加散布を予告したことに伴った境界地域である京畿道漣川郡(キョンギド・ヨンチョングン)の住民の訴えだ。住民は昨年3月30日から北朝鮮へのビラを禁止する改正南北関係発展法(対北朝鮮ビラ禁止法)が施行されてから安心していたが、最近再び緊張し始めた。

これは脱北者団体「自由北朝鮮運動連合」が4月25日と26日京畿道金浦(キンポ)地域で北朝鮮にビラを散布したことに続き、近いうちに北朝鮮向けにビラ100万枚をまた散布する計画だと先月7日明らかにしたからだ。


これをめぐり、過去北朝鮮へのビラ散布によって大変な目に遭った漣川地域の住民たちがとりわけ緊張している。民間制限線と接した漣川郡中面(チュンミョン)では2014年10月10日北朝鮮が北朝鮮へのビラ風船に高射銃射撃を加え、村役場の広場などに銃弾が飛び込む被害を受けたことがある。当時、人命被害はなかったが、住民たちが村役場に緊急避難し、南北が軍事的に緊迫した対立状況が起こった。

京畿道漣川・坡州(パジュ)・金浦など境界地域の多くの住民や地方自治体は北朝鮮へのビラ散布に反対論理を展開している。まず休戦以降70年間境界地域住民は北朝鮮にビラを散布するたびに南北間緊張と軍事的衝突の可能性が極端に大きくなり不安に苦しめられているという理由を挙げる。

境界地域の住民は北朝鮮へのビラ散布の不法性も指摘する。境界地域住民の命と安全のために制定・施行されている「対北朝鮮ビラ禁止法」に反するという主張だ。対北朝鮮ビラ禁止法は軍事境界線一帯での北朝鮮への拡声器放送とビラなど散布に対して最大3年以下の懲役や3000万ウォン(約310万円)以下の罰金で処罰できるように定めている。

こうした中で自由北朝鮮運動連合が先月16日北朝鮮地域の新型コロナのまん延に対して、北朝鮮向けビラ散布をしばらく中断してアドバルーンで新型コロナ治療薬であるタイレノール、解熱剤、マスクなど薬品を入れて早いうちに大量に送ると明らかにした点も境界地域の安全に負担になっている。これを受け、統一部のチョ・ジュンフン報道官はこの日、定例記者会見で「どのような伝え方が北朝鮮住民に実際に役に立つか、北朝鮮に防疫を支援する韓国政府の政策に役立つか、そのような部分も考慮してほしい」と呼びかけたことがある。

境界地域住民の主張に耳を傾ける必要がある。彼らは北朝鮮向けビラ散布であれ、新型コロナ治療薬散布であれ境界地域の安全に為害要因になると主張する。さらに、戦争の火種を生き返らせる危険千万な不法過激行為になり得ると懸念している。南北が「強対強対立」に達している今、、南北および南南(韓国内)葛藤の原因に飛び火する可能性があるこのような行為に対する政府の賢い対策作りが急がれる。

チョン・イクジン/社会第2チーム記者



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