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チョルノービリの地面掘って相次ぎ病気に…近代化したというロシア軍の実態

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

投降したロシア兵がウクライナ住民が渡したパンを食べ涙を流している。[ツイッター キャプチャー]

「自国軍を虐待するロシア大統領府がウクライナで勝利を得るのは難しい」。

米シンクタンク、ランド研究所のダラ・マシコット研究員は18日、外交専門誌フォーリンアフェアーズへの寄稿でこのように主張した。彼は、ロシア軍は装備近代化には成功したが、兵士を軽視し虐待する傾向は相変わらずだと述べた。ウクライナで見せた事例を挙げて説明した。

ウクライナ侵攻6日前、あるロシア軍部隊はベラルーシに集まっていた。兵士の1人が禁止備品である携帯電話を持っており、「ロシアが近くウクライナを侵攻する」という西側メディアのニュースを見た。訓練中だと思った兵士は驚いて故郷の両親に電話をかけたが、彼の母親は「西側のフェイクだ」として息子を安心させた。しかし数日後に軍はウクライナ国境を越え、この兵士はその後消息が途絶えた。息子との最後の通話で「私が死んだという知らせを聞いたら信じないで直接確認してほしい」と言われた母親は息子の行方をうわさを頼りに探したが見つけることはできず、結局メディアにこれを情報提供した。


ロシア軍がベラルーシからウクライナ国境を越える際にチョルノービリ(チェルノブイリ)原発を迂回せず直行したのも代表的な「兵士虐待」事例に挙げられる。ロシア軍の指揮部が放射線にさらされる危険性をしっかりと知らせず軍人は放射線で被爆した土地に塹壕を深く掘った後保護装備もなく露出した。これにより相当数の兵士が病気になったという。マシコット研究員はチョルノービリで起きた事故はロシア軍の兵士虐待がどのように戦闘能力低下につながるのかを見せる極端な事例だと指摘した。

マシコット氏は、米国では立派な軍人は幸せな軍人であり、尊重される軍人であるという点でロシア軍と差が大きいと話した。ロシア軍司令部は軍事的目標が優先であり、兵士を後回しに考え成功するまで軍隊を投じる戦術を選ぶとしながらだ。

彼はロシア軍の兵士虐待には長い歴史があるとした。ソ連はアフガニスタン戦争(1979~1989年)では徴集兵を戦闘に投じるという事実を隠し、1990年代のチェチェン戦争では戦闘経験のない徴集兵を危険な市街戦に投じた。

チェチェン戦争で捕虜になった兵士に軍指導部は見向きもせず、彼らの親は戦場で息子を探さなければならなかった。マシコット氏は多くの兵士の母がチェチェンに行きチェチェン反乱軍と直接取引をしたり捕虜交換を斡旋したりもしたと伝えた。

2014年のクリミア併合時も軍人の家族は虚偽の知らせを受けた。戦争で死んだ息子がウクライナ東部ではなくロシアで訓練中に事故で死亡したという形だ。

ロシア軍指導部が秘密維持などのため兵士を軽視する傾向は軍隊の能力を引き下げた。これは軍の準備態勢を危険にし、自ら苦境に陥れた。こうした点でロシアのウクライナ侵攻戦略は「保安が優先で、軍人は消耗品」という仮定がなければ理解し難いとした。

マシコット氏はロシア軍がウクライナ戦争中に内部問題を解決するのは不可能だと指摘した。2008年のジョージア侵攻後にロシア軍は近代的に変貌したが、当時は老朽化した装備を交代したもので今回は違うという。問題は軍の最高意思決定権者にあるが、彼らは軍隊が組織的な「兵士虐待」を犯している点を認めないためだ。また、軍指導部は真実を話すよりはロシア大統領府に忠誠を尽くすことで地位を維持しようとしているとした。

ロシアはウクライナ戦争に推定19万人を投じたが、兵站を支える後方部隊がない状態だ。すなわち、ロシアのプーチン大統領が大規模動員令を下さない以上、いまの軍隊が消耗するまで戦わなければならない。

そうした点でロシア軍隊は数千個の装備よりはるかに多くのものを失う可能性が大きい。軍忌避現象がそのうちのひとつだ。マシコット氏は、ウクライナ戦争が続けばロシア社会はお金を払って徴集対象から抜いてもらったり海外に逃避する昔のやり方が復活しかねないと話した。また、専門的な職業群に軍を転換しようとする試みは20年を超えているが、こうした形態が変わらない限り難しいと付け加えた。



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