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「常備薬品を捧げる」金正恩氏の愛民、かえって北朝鮮の惨状だけをさらけ出した(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
カン・ドンワン教授は「西海(ソへ、黄海)5島地域で見つかった北朝鮮医薬品を調べると、平壌を中心に生産と流通が行われている点を確認することができる」と説明した。

事実、北朝鮮の医療システムの根幹は無償治療だが、1990年代中盤の「苦難の行軍」を経てその相当部分が崩壊した。医薬品の生産と配給が円滑ではないため特権層を除いた一般の住民は国営医療機関を利用することがそもそも難しくなった。ここに長期間の経済沈滞や核・ミサイル開発にともなう制裁で医療物資の搬入まで制限されて北朝鮮の保健・医療体系は直撃を受けた。これに対して住民は市場の医薬品陳列台のような非公式ルートを通じて必須医薬品を手に入れてきたが、これさえも2年以上にわたる新型コロナ遮断のための国境全面封鎖が続いてできない状況だ。

北朝鮮がここ数年間、平壌を中心に大型病院の建設、製薬工場現代化などを通して医療システムを改善するための動きを見せたのもこれに伴う問題意識の発露だった。だが、住民全体の需要に比べればまだ微々たる規模であるうえに進行そのものが円滑ではない。


キム・ヨンス教授は「平壌と非平壌住民の生活水準に違いが大きく現れるように、医療環境も地域や階層によって大きな違いを見せる」とし「最高指導者が平壌総合病院の建設を指示したが完工の便りがまだ聞こえないということが北朝鮮の医療現実を端的に示している」と説明した。

一方、金委員長は17日に労働党政治局常務委員会会議を開いて新型コロナ伝播状況を点検して住民の生活を安定させるよう注文した。金委員長は会議で「建国以来、初めて迎えた防疫試練の初期から発露した国家の危機対応能力の未熟性、国家指導幹部の非積極的な態度と弛緩性、非活動性は我々の事業の弱点と空間をそのまま露出させた」としながら「生活保障と生活物資の供給にもっと注力し、住民の治療需要と環境を最大限保障するために各方の努力を全力投球する」と強調した。

駐ロシア北朝鮮大使のシン・ホンチョル氏もこの日イーゴリ・モルグロフ外務次官に会った。医薬品の支援などを要請したとみられる。ロシア外務省は「新型コロナウの拡散対応に関連した露朝協力の展望を含む両国関係の懸案が議論された」と明らかにした。

北朝鮮メディアはこの日16日午後6時から17日午後6時まで、全国的で23万2880人余りの新型コロナ関連の発熱患者が発生し、20万5630人余りが完治して6人が死亡したと明らかにした。

今年4月末から17日午後6時まで発生した発熱患者総数は171万5950人余りであり、そのうち102万4720人余りが完治して69万1170人余りが治療を受けている。


「常備薬品を捧げる」金正恩氏の愛民、かえって北朝鮮の惨状だけをさらけ出した(1)

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