韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領と米国のバイデン大統領が２１日午後、ソウル龍山（ヨンサン）大統領室５階の執務室で１時間半ほど首脳会談をする。金泰孝（キム・テヒョ）国家安保室第１次長は１８日の会見で「バイデン大統領は公式訪問（Ｏｆｆｉｃｉａｌ　Ｖｉｓｉｔ）で２０日から２泊３日間の日程で訪韓する」とし「歴代韓国大統領のうち就任から最も早い時期（１１日後）に開催される韓米首脳会談であり、バイデン大統領の就任後最初のインド太平洋訪問地として韓国を選択したという象徴性がある」と述べた。

金次長は「１、２件の事案を除いて共同宣言文など双方が履行する内容は完成段階」とし「尹大統領は韓米包括戦略同盟を東アジア・グローバル平和繁栄に寄与する中心軸に位置づけるという目標がある」と話した。また「両国は価値同盟を基盤に維持してきた軍事同盟を、韓米ＦＴＡを通じて経済同盟に広めた」とし「今回の首脳会談で技術同盟が追加されると予想する」と強調した。

技術同盟については「半導体設計は米国が最強であり、ファウンドリー製造工程はサムスンを含む韓国企業が一流技術を保有している」とし「協力して市場を拡大すれば仕事と雇用が拡大するというのが両首脳の認識であり、半導体に関してはこうした議論が具体化されるだろう」と伝えた。さらに「先端バッテリー、エコ技術協力問題、人工知能（ＡＩ）、量子技術、宇宙開発などが議題になるはず」と付け加えた。


本会談は２１日午後に行われる。バイデン大統領は当日、国立顕忠院の顕忠塔に献花して首脳会談の日程に入る。午後１時３０分ごろ龍山（ヨンサン）大統領室庁舎に到着した後、５階の執務室で首脳会談をする。９０分間ほど行われる会談について、金次長は「北朝鮮問題と対北朝鮮政策、東アジア協力増大イシューを少人数会談で議題として扱う」とし「最初に確認するのは、韓米間の確実で実効的な拡大抑止力をどう強化するのかアクションプランを見せることだ」と説明した。

続いて拡大首脳会談では、経済安保協力イシュー、インド太平洋域内協力アジェンダをはじめ、グローバル協力案が議論される予定だ。この時、ＩＰＥＦ（インド太平洋経済フレームワーク）もテーブルに載せられるという。金次長は「韓国は主導的な役割をしながら新しいスタンダードを提示し、他国を追加で招いてＩＰＥＦで我々の国益を実現する」と強調した。これに関連し２３日に日本で開かれるＩＰＥＦ発足宣言首脳会議に尹大統領もオンラインで参加する予定だ。

首脳会談では拡大抑止戦略協議体（ＥＤＳＣＧ）も扱われる。拡大抑止とは韓国が核攻撃の脅威を受ける場合、米国が核の傘とミサイル防衛体系、通常兵器などを動員して米本土と同じレベルの抑止力を提供するという概念だ。金次長は「この協議体を定例化して議題を拡大し、拡大抑止の実質的な対応能力を強化する議論が行われる」と伝えた。会談を終えた両首脳は龍山（ヨンサン）庁舎地下１階の講堂で共同記者会見を開く。

新型コロナ状況が深刻な北朝鮮への医薬品支援については「北朝鮮の反応がまだないため具体的な議論は難しいだろう」と話した。