北朝鮮の新型コロナウイルス感染症（新型コロナ）拡大が事実上統制不可能な災いに達しているという外信分析が出ている。

米ＣＮＮは１５日（現地時間）北朝鮮の新型コロナ状況を伝える記事をホームページに掲載した。


ＣＮＮは「北朝鮮の新型コロナ発病は建国以来最大の混乱」とし、「世界で最も脆弱な公衆保健体系とほとんどの住民がワクチンを打っていない北朝鮮の状況を考えると懸念される。世界で最も孤立し、不透明な体制の特性を考えると実際の状況がどうかは推定し難い」とした。


新型コロナ感染ルートに関しては「中国と貿易を遮断するほど厳しい孤立路線を歩んできた状況で、どのように新型コロナが拡大したのかは把握し難い」と伝えた。

ＣＮＮは「北朝鮮で新型コロナの発生は災い」とし「崩壊された医療体系と検査装備の不足で北朝鮮では感染性の強い病気で発生した大規模の患者をケアすることが事実上不可能だろう」と分析した。

また、ＣＮＮは「北朝鮮がいかなる新型コロナワクチンも輸入していないことが分かった」とし、「脆弱な医療環境の中でほとんどの北朝鮮住民がワクチンを接種していない状況で感染病の発病は致命的になり得る」と懸念を示した。

一方、朝鮮中央通信によると、１４日午後６時から１５日午後６時まで北朝鮮で全国的に３９万２９２０人余りの発熱者が新たに発生して８人が死亡した。

北朝鮮が新型コロナ関連集計を始めた４月末から１５日まで累積発熱者は１２１万３５５０人余りになった。累積死亡者数は５０人だ。北朝鮮の発熱者数は１２日１万８０００人余り、１３日１７万４４００人余り、１４日２９万６１８０人余りに引き続き増加している。

北朝鮮内新型コロナが急速に拡大すると、１５日朝鮮労働党中央委員会政治局は改めて非常協議会を招集して防疫対策を話し合った。

朝鮮中央通信によると、会議を主宰した金正恩（キム・ジョンウン）委員長は新型コロナ関連医薬品が適時に供給されずにいると厳しく叱責し、人民軍を投入するように命令した。

朝鮮中央通信は「金委員長は政治局が国家予備医薬品を緊急解除し、急いで普及させるように指示し、すべての薬局が２４時間運営体系に変わるように指示したが、まだ執行されていないと指摘した」と伝えた。

さらに、「金委員長は医薬品が薬局に適時に供給されずにいるとし、厳重な時局にも責任や呵責も感じることができず、何の役割を果たせていない中央検察所長や内閣、保健部門幹部を叱責した」と明らかにした。

同時に、「金委員長は人民軍部門の強力な力を投じて平壌市（ピョンヤンシ）内の医薬品供給を直ちに安定させるために労働党中央軍事委員会特別命令を下した」と付け加えた。

これに先立って、金委員長は北朝鮮内新型コロナの拡大が統制不能な状況ではないとしながらも、今回のことを建国以来「大動乱」と見なし、直接準備した常備薬を寄付するなど危機感を表わした。