中国がウクライナ情勢を注視しながら台湾掌握に関する従来の計画を見直していると、米国情報当局が伝えた。また米国政府は台湾軍をウクライナ軍のように機動性を備えた形態に転換する必要があると台湾政府に勧告した、という海外の報道があった。

◆「中国、台湾侵攻時の代償に注目」

７日（現地時間）の英日刊フィナンシャルタイムズ（ＦＴ）によると、バーンズ米中央情報局（ＣＩＡ）長官はこの日、「ＦＴウィークエンドフェスティバル」に出席し、「中国の習近平国家主席がロシアに対するウクライナの強い抵抗に驚いて不安を感じている。これは台湾に関連する中国の政策に影響を及ぼすはずだ」と述べた。


バーンズ長官は「この１０－１１週間にロシアがウクライナで直面した強力な抵抗は、中国指導部にも驚くものだった」とし「中国指導部が台湾を武力で統一しようとする場合に払う代償が何かを今回の戦争がよく表している」と分析した。

続いて「習近平主席はロシアの残酷な侵略行為が国際社会で中国に対する評判に影響を及ぼしかねないと考え、戦争が招いた経済的不確実性についていら立ちを感じている」と話した。さらに「習主席はプーチン露大統領の行動が米国と欧州の結束を強めたという事実に当惑している」とし「今回の戦争から自分たちがどんな教訓を得るべきか慎重に検討しているはず」という見方を示した。

しかしバーンズ局長は「台湾を掌握しようという習主席の決心が崩れたわけではない」と強調した。ただ、「いつ、どのように台湾侵攻を敢行するかという中国の計画には（ウクライナの状況が）大きく影響を及ぼす」とし「中国は長期的に米国が直面した最も大きな地政学的な挑戦」と強調した。

◆米国「台湾の武器体制、ウクライナのように変えるべき」

ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）は、米国政府がロシアのウクライナ侵攻をきっかけに中国の台湾侵攻を「実際に起こり得るリスク」と認識することになった、と伝えた。

米国の元・現高官は、中国が海上から台湾に侵攻する場合に対応し、台湾軍をウクライナ軍のように「実効性のある部隊」に再整備する必要がある、とみている。ウクライナ軍は機動性と精密攻撃に焦点を合わせ、自国より強い敵軍のロシア軍の弱点をつく「非対称戦争戦略」で善戦している。

ＮＹＴは、米政府が台湾軍の非対称戦能力を高めるため台湾政府に武器体制転換の必要性を強調していると報じた。実際、米国は台湾が最近要求したロッキードマーチンの海上作戦用ヘリコプターＭＨ－６０Ｒシーホークヘリコプターの販売を拒否している。このヘリコプターは対潜水攻撃、探索、救助、輸送、魚雷・ミサイル・機関砲・ロケット搭載などの機能を幅広く備え、通常戦闘状況に適合する。

米高官らはこのヘリコプターが中国軍と戦うのに適していないと台湾に忠告した後、米国内の武器メーカーに対しても特定武器に関する台湾との契約を控えるよう伝えた。その代わり非対称戦に適した別の武器の購買を台湾に勧めていると、ＮＹＴは伝えた。

台湾の蔡英文総統も自国軍の防衛戦略を非対称戦に転換しようと努力しているという。中国軍が標的にしにくい移動式殺傷武器を多数購入することを検討している。しかし台湾の一部の高官は中国に関連する多様な戦争シナリオに備えるため、一部の通常武器システムが必要だと主張している。

バイデン政権は３月初め、元国家安保高官５人で構成された超党派的代表団を台湾で派遣し、台湾軍の非対称防御戦略について議論した。代表団の国務省関係者は当時の声明で「効果的な国防戦略に寄与しないシステムを追求することは、台湾が直面する安保の脅威と矛盾する」とし「米国は台湾の非対称防衛戦略に向けた努力を強く支持する」と強調した。