あれから5週間、プーチンが目標にしたその秩序はさらに乱れている。ロシア軍はウクライナの首都キーウ(キエフ)付近から無気力に撤退したのに続き、東部ドンバス戦線でも力を発揮できずにいる。半面、西側から支援されたミサイル・タンクなど先端武器のためウクライナは戦争を繰り返すほど強くなっている。ロシアの北側の国境では中立国のフィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟を急いでいる。何よりも米国が主導する対ロシア制裁はさらにきめ細かく、さらに強力にロシアを包囲している。プーチンは9日の戦勝記念日にも戦争を終えられない可能性が高い。今はもうロシアが終えないからでなく、西側が結末を見る計画であるからだ。プーチン政権を対象にした「本当の戦い」でだ。
「ウクライナを支援する費用は少なくないが、ロシアの攻撃に屈服するのはさらに大きな損失になる」。バイデン米大統領が先月28日、330億ドルのウクライナ支援予算を議会に要請しながら述べた言葉だ。そしてこう付け加えた。「ウクライナとロシアの戦争は民主主義と独裁政権の間の最前線だ」。他の西側指導者も一貫したメッセージを出している。「戦争が終わるまで共にすることを約束する」(ペロシ米下院議長)、「ウクライナの勝利は我々全員にとって戦略的義務」(トラス英外相)だ。もう西側の目標はウクライナの勝利であり、戦争はより本質的な戦いの一部にすぎないということだ。