尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の初代駐米大使に趙太庸(チョ・テヨン)国民の力議員が、駐日大使には尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長が事実上内定した。
◆誰もが認める「米国通」
政界によると、尹政権の閣僚および青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の人選が終わったのに続き、4強国大使も輪郭が表れている。専門性と経験が豊かな人を優先視するという原則が4強国大使の人選にも適用された。
韓米同盟の強化を最も重要な外交的目標に設定した「尹錫悦号」で最初の駐米大使として活躍するとみられる趙太庸議員は誰もが認める「米国通」だ。保守・進歩政権を問わず約30年間にわたり外交に専念した職業外交官だ。1983年のアウンサン爆弾テロ事件で殉職した故李範ソク(イ・ボムソク)外務長官の婿でもある。
朴槿恵(パク・クネ)政権で外交部第1次官と青瓦台国家安保室(NSC) 第1次長を務め、2020年の第21代総選挙を控えて未来韓国党に入党し、比例代表で国会に入った。
趙議員は米国内にネットワークがあり、特に朴政権で高位職で勤務し、オバマ政権の人物らと緊密に業務協力をした経験がある。当時国務副長官だったブリンケン現国務長官ともカウンターパートとして調整した。オバマ政権で外交・安全保障業務を担当した人がほとんどバイデン政権でも活躍している点などを考慮すると、趙議員が駐米大使として赴任すれば、対米外交をするうえで多くの面で有利な環境的要素があるということだ。
趙議員は「北核通」でもある。外交部韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長として北核6カ国協議首席代表を務めた。北朝鮮が核先制使用のハードルを下げ、尹次期大統領の就任前後に高強度の挑発をすると懸念される中、趙議員は韓米間の北核対応連携のための適任者という評価だ。尹次期大統領と個人的な縁はないが、趙議員は党所属議員として選挙をサポートし、特有の落ち着いたスマートなスタイルで尹次期大統領の信任を得たという。
外交部では業務の実力のほか、温和なリーダーシップに定評がある。公館勤務当時も強圧的でなく職員を信じて業務を任せるスタイルだったという。
◆日本の内心を読む「専門家」
尹政権の初代駐日大使として赴任が有力視される尹徳敏元院長は、日本研究に生涯献身してきた専門家だ。朴槿恵政権で国立外交院長(次官級)を務め、高位職で政府の業務を扱い、政務的な感覚も備えていると評価される。
文在寅(ムン・ジェイン)政権に入ってから公職を離れたが、関連研究を手放したことはない。「共感韓半島研究会」を発足させて会長を務め、韓国の外交・安保課題について絶えず意味のある提言をしてきた。
尹元院長は尹錫悦次期大統領が出馬宣言をした直後、序盤からキャンプに合流して政策公約の準備などで選挙をサポートした。国民の力の中央選挙対策本部グローバルビジョン委員会で幹事を務めた。最近は韓日政策協議団の一員として訪日した。
尹元院長は日本語が流ちょうで、日本国内に人脈を持つ。韓日関係が最悪の状況になった中、両国関係改善のための水面下チャンネルの役割もできる適任者と評価される理由だ。ある外交筋は「尹元院長は日本人の話法や特有の文化などに対する理解度が非常に深い。外交的に日本を相手にするうえで内心を読み取って機敏に対応することができる」と伝えた。
尹元院長は国立外交院長当時、配慮のリーダーシップで職員の尊敬を受けた。韓日関係の悪化で在日韓国大使館の士気も大きく落ちた中、尹元院長が赴任すれば、公館の職員を激励しながら積極的な外交活動が可能な環境を作るという期待もある。
◆駐中大使も最終検討
駐中大使の人選も最終段階にあるという。有力視されるのは鄭在浩(チョン・ジェホ)ソウル大政治外交学部教授だ。中国専門家でもあるが、米中関係を同時に眺める広い視野を持つ学者と評価される。先月、韓米政策協議団の一員として訪米した。米中間の戦略競争が加速化する中、韓米関係と韓中関係を同時に考慮した外交が必要だという点も、鄭教授が駐中大使として検討される理由の一つだ。
また鄭教授は英語と中国語ができる。鄭教授が駐中大使に決まれば、数年ぶりに現地で中国語の外交が可能な大使が赴任することになる。
専門性だけでなく鄭教授が尹次期大統領の信頼を受けている点も有利に作用する可能性がある。中国は伝統的に高位職や大統領と近い人物が駐中大使として赴任することを好んできたからだ。後者の条件を合わせるために政治家が駐中大使となる場合、専門性が落ちて外交的活動が制約されるのが問題だが、鄭教授は2つの条件を共に満たす人物とみることができる。
◆駐ロシア大使は変数多い
駐ロシア大使はウクライナ情勢などで変数があるが、、候補群のうち張虎鎮(チャン・ホジン)元駐カンボジア大使が注目されている。職業外交官出身で、外交通商部東欧課長、在ロシア大使館政務参事官を務めた。プーチン大統領の執権、韓露修交10周年などを経験した。
張元大使は同時に「米国通」「北核通」でもある。外交通商部北米局長、北核外交企画部団長も経験している。駐ロシア大使に起用される場合、米露関係と韓米関係、北核協力など幅広い外交が可能という期待が出る理由だ。外交部在職当時から戦略的・政務的マインドを兼ね備えていると評価されてきた。
ただ、新政権の発足と同時に駐ロシア大使を任命すること自体が、ロシアのウクライナ侵攻行為を適法と認めるように映るという懸念もある。外部的要素が変数になるということだ。一方、張元大使は外交部第1次官候補にも同時に挙がっている。
◆誰もが認める「米国通」
政界によると、尹政権の閣僚および青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の人選が終わったのに続き、4強国大使も輪郭が表れている。専門性と経験が豊かな人を優先視するという原則が4強国大使の人選にも適用された。
韓米同盟の強化を最も重要な外交的目標に設定した「尹錫悦号」で最初の駐米大使として活躍するとみられる趙太庸議員は誰もが認める「米国通」だ。保守・進歩政権を問わず約30年間にわたり外交に専念した職業外交官だ。1983年のアウンサン爆弾テロ事件で殉職した故李範ソク(イ・ボムソク)外務長官の婿でもある。
朴槿恵(パク・クネ)政権で外交部第1次官と青瓦台国家安保室(NSC) 第1次長を務め、2020年の第21代総選挙を控えて未来韓国党に入党し、比例代表で国会に入った。
趙議員は米国内にネットワークがあり、特に朴政権で高位職で勤務し、オバマ政権の人物らと緊密に業務協力をした経験がある。当時国務副長官だったブリンケン現国務長官ともカウンターパートとして調整した。オバマ政権で外交・安全保障業務を担当した人がほとんどバイデン政権でも活躍している点などを考慮すると、趙議員が駐米大使として赴任すれば、対米外交をするうえで多くの面で有利な環境的要素があるということだ。
趙議員は「北核通」でもある。外交部韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長として北核6カ国協議首席代表を務めた。北朝鮮が核先制使用のハードルを下げ、尹次期大統領の就任前後に高強度の挑発をすると懸念される中、趙議員は韓米間の北核対応連携のための適任者という評価だ。尹次期大統領と個人的な縁はないが、趙議員は党所属議員として選挙をサポートし、特有の落ち着いたスマートなスタイルで尹次期大統領の信任を得たという。
外交部では業務の実力のほか、温和なリーダーシップに定評がある。公館勤務当時も強圧的でなく職員を信じて業務を任せるスタイルだったという。
◆日本の内心を読む「専門家」
尹政権の初代駐日大使として赴任が有力視される尹徳敏元院長は、日本研究に生涯献身してきた専門家だ。朴槿恵政権で国立外交院長(次官級)を務め、高位職で政府の業務を扱い、政務的な感覚も備えていると評価される。
文在寅(ムン・ジェイン)政権に入ってから公職を離れたが、関連研究を手放したことはない。「共感韓半島研究会」を発足させて会長を務め、韓国の外交・安保課題について絶えず意味のある提言をしてきた。
尹元院長は尹錫悦次期大統領が出馬宣言をした直後、序盤からキャンプに合流して政策公約の準備などで選挙をサポートした。国民の力の中央選挙対策本部グローバルビジョン委員会で幹事を務めた。最近は韓日政策協議団の一員として訪日した。
尹元院長は日本語が流ちょうで、日本国内に人脈を持つ。韓日関係が最悪の状況になった中、両国関係改善のための水面下チャンネルの役割もできる適任者と評価される理由だ。ある外交筋は「尹元院長は日本人の話法や特有の文化などに対する理解度が非常に深い。外交的に日本を相手にするうえで内心を読み取って機敏に対応することができる」と伝えた。
尹元院長は国立外交院長当時、配慮のリーダーシップで職員の尊敬を受けた。韓日関係の悪化で在日韓国大使館の士気も大きく落ちた中、尹元院長が赴任すれば、公館の職員を激励しながら積極的な外交活動が可能な環境を作るという期待もある。
◆駐中大使も最終検討
駐中大使の人選も最終段階にあるという。有力視されるのは鄭在浩(チョン・ジェホ)ソウル大政治外交学部教授だ。中国専門家でもあるが、米中関係を同時に眺める広い視野を持つ学者と評価される。先月、韓米政策協議団の一員として訪米した。米中間の戦略競争が加速化する中、韓米関係と韓中関係を同時に考慮した外交が必要だという点も、鄭教授が駐中大使として検討される理由の一つだ。
また鄭教授は英語と中国語ができる。鄭教授が駐中大使に決まれば、数年ぶりに現地で中国語の外交が可能な大使が赴任することになる。
専門性だけでなく鄭教授が尹次期大統領の信頼を受けている点も有利に作用する可能性がある。中国は伝統的に高位職や大統領と近い人物が駐中大使として赴任することを好んできたからだ。後者の条件を合わせるために政治家が駐中大使となる場合、専門性が落ちて外交的活動が制約されるのが問題だが、鄭教授は2つの条件を共に満たす人物とみることができる。
◆駐ロシア大使は変数多い
駐ロシア大使はウクライナ情勢などで変数があるが、、候補群のうち張虎鎮(チャン・ホジン)元駐カンボジア大使が注目されている。職業外交官出身で、外交通商部東欧課長、在ロシア大使館政務参事官を務めた。プーチン大統領の執権、韓露修交10周年などを経験した。
張元大使は同時に「米国通」「北核通」でもある。外交通商部北米局長、北核外交企画部団長も経験している。駐ロシア大使に起用される場合、米露関係と韓米関係、北核協力など幅広い外交が可能という期待が出る理由だ。外交部在職当時から戦略的・政務的マインドを兼ね備えていると評価されてきた。
ただ、新政権の発足と同時に駐ロシア大使を任命すること自体が、ロシアのウクライナ侵攻行為を適法と認めるように映るという懸念もある。外部的要素が変数になるということだ。一方、張元大使は外交部第1次官候補にも同時に挙がっている。
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