イエレン米財務長官が２０日にワシントンで開かれた主要２０カ国（Ｇ２０）財務相会合でロシアの財務相が演説を始めると抗議の意を示し会議場を離れた。ウクライナ財務相を含むいくつかの国の財務相手と中央銀行総裁が米国のロシアボイコットに同調した。会議に参加した韓国の洪楠基（ホン・ナムギ）経済副首相兼財務部長官は席を守った。

イエレン長官はこの日オンラインで会議に参加したロシアのシルアノフ財務相が発言を始めるとウクライナのマルチェンコ財務相らと退席したとニューヨーク・タイムズとポリティコなど米国メディアが報道した。

退席した出席者には米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長、欧州中央銀行のラガルド総裁、欧州連合（ＥＵ）のゲンティロニ経済担当執行委員、カナダのフリーランド副首相兼財務相が含まれた。


オンラインで会議に出席していた一部の国の財務相と中央銀行総裁はシルアノフ財務相が発言を始めるとカメラを消したと会議に参加した関係者が伝えた。シルアノフ財務相は米国の制裁対象だ。

韓国をはじめ、日本、イタリア、ドイツの財務相は席を立たなかったという。

イエレン長官が率いた抗議の退席は世界の舞台でロシアの孤立を克明に見せたとニューヨーク・タイムズは伝えた。

ポリティコは「ウクライナとの戦争以後に世界の経済大国がロシアをどれだけ遠ざけてきたのかを見せるシグナルだった」と解説した。

イエレン長官のボイコットは予告されていた。最近米財務省はイエレン長官がロシアが世界経済の舞台で平常時と同じように行動すべきではないという点を示すものであり、ロシアが参加する一部会議に参加しないと明らかにしていた。

サキ米大統領報道官はこの日の定例会見で、イエレン長官の抗議の退席に関する質問に「明確にわれわれはその措置を支持する。これはプーチン大統領とロシアが世界舞台で拒否されているという事実を見せる」と答えた。

バイデン大統領はロシアがＧ２０に残ってはならないと要求している。国同士の経済協力を促進する主要経済大国協議体にウクライナ侵略戦争を行うロシアが含めることはできないという主張だ。

だがバイデン大統領の要求が貫徹されるかはもう少し見守らなければならない。

米国と一部友好国はロシアが各種国際会議から完全に排除されるべきと主張するが、それは特に中国とインドネシアを含む他のＧ２０参加国がすべて共有する見解ではないとロイター通信は伝えた。

インドネシアは１１月のＧ２０首脳会議主催国だ。ロシアが参加する場合、バイデン大統領はインドネシアで開かれるＧ２０首脳会議に参加しないのかという質問にサキ報道官は１１月までは長い時間が残っており、その間にどんなことが起きるかわからないとして即答を避けた。

今週ワシントンで開かれる世界銀行と国際通貨基金（ＩＭＦ）の春季年次総会とＧ２０財務相会議に出席する主要国の経済官僚らはロシアのウクライナ侵攻による世界経済悪化を防ぎロシアに対する経済的圧力を維持する案を議論した。