サッカー韓国代表の主将・孫興民（ソン・フンミン、３０、トッテナム・ホットスパー）が兵役特例者に与られる義務「５４４時間の奉仕活動」を完了した。兵役関連の活動をすべて終え、新たな気持ちで所属チームと代表チームの日程に専念することになった。

サッカー界の関係者は６日、「孫興民は先月中旬、芸術体育要員服務規定に明示された奉仕活動時間をすべて終えた。先月２４日に開催されたイランとのカタールワールドカップ（Ｗ杯）最終予選第９戦（韓国２－０勝利）を控え、兵役関連の懸案をすべて解決し、気持ちが軽くなったはず」と明らかにした。


孫興民は２０１８年ジャカルタ・アジア競技大会で金メダルを獲得し、兵役が免除された。兵役法上、スポーツ選手が国際大会成績（オリンピックの金・銀・銅メダルまたはアジア競技大会の金メダル）で芸術・体育要員資格を得る場合、基礎軍事訓練を履修した後、該当種目に３４カ月以上は身を置かなければならない。この期間、公演、講習（教育）、公益キャンペーン参加などで計５４４時間の奉仕活動も終える必要がある。


孫興民は２０１９年７月に奉仕活動を始めた。翌年４月には済州道（チェジュド）海兵隊新兵訓練所に入所し、３週間の軍事訓練を受けた。その後、プレミアリーグの舞台でプレーし、代表チームに選ばれてＡマッチに出場する強行軍の中でも、奉仕活動を続けてきた。ロンドン現地の韓国人学校を訪問してサッカー講習を行うなど「兵役特例奉仕活動模範事例」として注目された。

昨年８月基準で２年間に孫興民が行った奉仕活動は計２４９時間１０分。毎月１０時間ほどだ。新型コロナのパンデミックの影響で日程を決めるのが難しく、日程を十分に消化できなかった。２０１８年に張賢秀（チャン・ヒョンス、３１、アルヒラル）が奉仕活動の書類を捏造した事件をきっかけに関連規定は強化された。その後、一日の最大奉仕活動認定時間が１６時間から８時間に大幅に短出され（昨年１０月から１２時間に再調整）、移動時間は奉仕活動時間から除外された。

孫興民が義務服務期間の満了日（来月２日）までに５４４時間を満たすには、８カ月余りの期間に２９４時間５０分の奉仕活動を終えなければいけない状況だった。算術的に毎月３６時間以上を消化する強行軍が避けられなかった。

３４カ月間に奉仕活動時間をすべて満たすことができない場合、１年間の猶予期間が与えられるが、その期間には出国が禁止される。昨年末この事実を知った海外メディアが「孫興民が韓国の兵役規定のため来季トッテナムでプレーできないかもしれない」と報道し、孫興民の兵役問題が浮上した。

すると大韓サッカー協会と兵務庁が動いた。学生対象のオンラインメンタリングプログラムを開発し、孫興民をはじめとする芸術体育要員に提供した。

サッカー協会の関係者は「孫興民の場合、海外に滞在する時間が長い点を考慮し、非対面講義を中心に（奉仕活動日程を）編成した」とし「スター選手であるうえ行事参加姿勢も積極的であり、受講生の反応が非常に良かった」と話した。