アイドルグループBTS(防弾少年団)を作ったプロデューサーのPdogg。BTSのメンバーは「PdoggがBTSを作った」と語る。写真は2017年ソウル論硯洞(ノンヒョンドン)作業室でインタビューに応じているPdogg。キム・ギョンロク記者
過去30年間K-POP産業は潜在力はあっても未来が不透明な10代の人材を探してスターとして育てるノウハウを築いてきた。韓国は世界音楽市場の周辺部であるうえに、内需市場は小さくて競争は激しかった。1990年代から始まった音楽産業化は成功の可能性を高め、コストを削減する方法を探す旅程だった。
始まりは李秀満(イ・スマン)会長が創業したSMエンターテインメントだった。歳月が流れてSMがベンチマーキングした日本アイドル育成システムと違う進化過程を経て今日に至った。韓国の企画事務所は歌手を作る「工場」という批判の中で独特で効率的なシステムを完成した。
大衆音楽評論家キム・ヨンデ氏は「音楽的な才能がある人を発掘してスターとして作るのが欧米型システムだといえば、韓国ではすぐには分からない人を選んで現在の実力がゼロといっても残りは教えられるというのが基本的な考え」と話した。
BTSの成功の裏には数多くの助力者が存在する。BTSが韓国語の歌詞でビルボードホット100チャート1位を達成した曲が『Life Goes On』だ。作詞・作曲者を見ると、PdoggとBTSメンバーのRM・シュガ・J-HOPEの名前が見える。また、Ruuth、Chris James、Antonina Armatoのような外国人作曲家も参加した。
このような集団創作システムもリスクを減らすための一環だ。SMは2009年から定期的に「ソングライティング」キャンプを開いてきた。キャンプでは国内外の作曲家と内部職員が共同作業を手掛ける。アーティストとプロデューサーなど数多くの人が参加してA&R(Artist and Repertoire)チームがこの過程を調整して管理する。
JYPエンターテインメントなどでA&R業務を遂行してきたユン・ソンミ作家は「決まったコンセプトの曲のサビ(リフレーン)を多数の作曲家、作曲チームに依頼し、これをデビューするメンバーの特性を最もよく知っている内部の作曲チーム、ダンスチームなどがもう一度整える」として「このすべての過程を調整するA&Rの役割が重要だった」と説明した。
BTSの場合、全員韓国人だが、外国人が含まれたK-POPグループを探すことは難しくない。K-POPグループの特徴という華やかな振りつけも多数のチームに依頼して最も適合したものを選定する。K-POPアイドルを希望する多国籍練習生と国内外の作曲家、振付け師など使用可能な資源を動員してスターを作り出すバリューチェーンが形成されたとみられる。
評論家のキム・ヨンデ氏は「少なくともアイドルを作る『コア技術』の優位は明らかだ」として「今は世界で最も大きな市場である米国がアイドル制作方式をアウトソーシングしようとする段階に来ている」と話した。SMとJYPなど大型企画事務所は米国会社と手を組んで現地K-POPオーディションプログラムを準備している。
ハイブは米国の子会社を通したオーディションを推進中だ。
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